人工的にリアリティーを再現「現実を錯覚」させる未来のメディア技術を探究
情報科学部ディジタルメディア学科メディア科学分野 実世界指向メディア研究室(小池崇文教授研究室)
前列左から、三石悠叶さん(ディジタルメディア学科)、小池崇文教授、寺島里美さん(コンピュータ科学科)、後列左から、逆井妙さん(ディジタルメディア学科)、野村伊吹さん(ディジタルメディア学科)、 馬場園大地さん(ディジタルメディア学科)、竹島康平さん(ディジタルメディア学科)※全員、情報科学部4年
2018年の夏合宿は、情報システム分野サービスシステム研究室(藤田悟教授研究室)と合同で開催
合宿では、初顔合わせの当日にチーム分けされたメンバー同士で協力し合い、ブロックスの最強AIを実装するハッカソン※に挑戦した
2016年に米国アナハイムで開催された「ACM SIGGRAPH(CGとインタラクション技術の世界トップ国際会議)」の様子
コンピューターグラフィックス(CG)、人工現実感(VR)、拡張現実感(AR)などのデジタル技術を駆使して、リアリティーの再現を探究する小池研究室。その視野は広く、研究テーマも多岐にわたっています。
「ARの中で、自分が開発したペットの犬を飼いたい」と夢を語るのは三石さん。「まだ先行研究を始めたばかり。プログラミングも得意ではないのですが、いつか自分の手で自由に犬を動かしてみたい」と目を輝かせます。
流動体をCGで表現する技術を探究している逆井さんは「グラスなどにすっぽり収まるユーモラスな猫の姿を、物理学で真面目に解析してイグ・ノーベル賞を受賞した研究を知り、流動体の面白さに目覚めました」と、興味の原点を語ります。
VRの人工的に作られた世界を、タッチして操作する技術に取り組んでいる寺島さんは「誰もが直感的にVRを操作できるようにして、ゲームだけでなく、より広い分野に普及させたい」と意欲を語ります。
情報科学部では、春学期の必修科目として、論文を読み解いて発表する特別講義(特講)が用意されています。小池研究室の学生も卒業研究を見据え、論文の読解に余念がありません。「今は、対象物の動きを追従するモーショントラッキング技術の論文を読み解いています」と語るのは竹島さん。「プログラミングや最先端技術を、子どもでも習得しやすくするにはどうしたらいいのか、探究を進めたい」。
「社会で必要とされるスキルを、実践的に身に付けてほしい」と語る小池教授。プレゼンテーション経験を積む機会として、毎年3月には情報処理学会が主催する全国大会に研究室のメンバー全員が参加。国際会議にも積極的に参加しています。
2018年の夏合宿は、初めて他の研究室と合同で開催し、ハッカソン※に挑戦。「テーマは、ブロックスというボードゲームをプレイする人工知能(AI)の開発でした」と紹介してくれたのは、リアルタイムで変化するCGの仕組みを探究中の馬場園さん。「最強のAIを作ろうとチームで協力し合ううち、みんなとの距離が縮まりました」と笑顔を見せます。
舌を微弱電流で刺激して味覚を錯覚させる「電気味覚」を研究中の野村さんは、「IT業界は進歩が著しいので、柔軟に対応していきたい。最先端の技術を学び、世の中のニーズに合うアウトプットのできる技術者になりたい」と未来の自分に期待を寄せます。
※ハッカソン:与えられたテーマに対して、さまざまな役割を含むチームを結成し、定められた期間でシステムやアプリケーションの開発に取り組み、成果を競う開発イベント
(初出:広報誌『法政』2019年5月号)
- 情報科学部ディジタルメディア学科メディア科学分野 実世界指向メディア研究室(小池崇文教授研究室)
小池崇文教授
三石悠叶さん(ディジタルメディア学科)
寺島里美さん(コンピュータ科学科)
逆井妙さん(ディジタルメディア学科)
野村伊吹さん(ディジタルメディア学科)
馬場園大地さん(ディジタルメディア学科)
竹島康平さん(ディジタルメディア学科)
※全員、情報科学部4年
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