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地震による被害を軽減したい
自然災害の多い日本で生き抜く知恵と技術を探究する
デザイン工学部都市環境デザイン工学科 地震防災研究室 酒井久和教授研究室

イメージ前列左から、大塚経志郎さん、酒井久和教授、近野玲央さん、後列左から、伊吹竜一さん、栗原柊介さん、石川大地さん(前ゼミ長)
※全員、大学院デザイン工学研究科都市環境デザイン工学専攻修士課程1年(取材時、デザイン工学部都市環境デザイン工学科4年)

地震防災をテーマに、被害軽減を図る研究を続ける酒井研究室。「メンバー個々人でアプローチが異なるため、基本的には個別研究が中心です」と紹介してくれた酒井教授。研究室のメンバーたちの自主性を尊重し、困ったときには手を差し伸べて、研究を見守ります。そんな酒井教授の下で研究を深めたいと、5人は、この春からそろって大学院に進学しました。

「週1回のゼミ定例日は、報告を兼ねて、全員が必ず進捗状況を発表します。研究が進展していないと先生から指導が入るので、気が抜けません」と語るのは、前ゼミ長の石川さん。昨年度は過去の地震データに基づいて、地すべりの発生を再現するプログラムの改良に注力。情報処理の大幅な高速化に成功しました。

イメージ所狭しとパソコンが並んだ実験研究室。学部生と大学院生がデータ解析やプログラミングなどの作業に没頭している

「夏と秋に、都市環境デザイン工学科に属する三つの研究室が合同で開催する合宿もあり、発表の機会は多いです」と語るのは栗原さん。総勢40人が3日間にわたって発表を行う合宿では、他研究室の教授や学生からの質疑応答もあり、周到な準備が必要です。「最初は、声が小さいと指摘されてばかりでしたが、意識して声を出すうちに、人前でも自信を持って発表できるようになりました」

直接現地へ出向いて、防災カルテなどの自治体が持つ資料を収集する他、精力的に活動しているのは近野さん。「地震による土砂崩れなどで道路が途絶され、孤立する恐れがある地域を予測できないか、調べています。現在は、長野県北部に限定して検証していますが、予測の精度が上がれば、実践的な防災対策につながる。多くの人の役に立つと思うのです」と自信をにじませます。

イメージ年2回の合同合宿は、河口湖の大学施設で開催されている

昨年、日本と同様に地震の多いイランで最も権威のあるテヘラン大学で海外インターンシップを体験した大塚さんは「20カ国以上の人たちとの意見交換を通じて、他国の地震対策や都市開発に対する現状を知りました。改めて研究を続ける意義を実感できたので、将来は都市づくりに携わりたい」と、知識を深めると共に、国際的な視野を身に付けられた貴重な経験だったと語ります。

「城郭などに見られる石積みの壁に着目し、過去の実験データを基に、壁が崩壊するメカニズムの再現に取り組んでいます」と語るのは、伊吹さん。その成果が認められ、昨年開催された土木関連のシンポジウムで登壇。「専門家の皆さんの前で研究成果を発表するという、貴重な体験をしました」と笑顔を見せながら、「将来は人々の安全と安心を守る技術者になりたい」と意気込みます。


デザイン工学部都市環境デザイン工学科 地震防災研究室 酒井久和教授研究室

酒井久和教授
石川大地さん(前ゼミ長)
伊吹竜一さん
大塚経志郎さん
栗原柊介さん
近野玲央さん
※全員、大学院デザイン工学研究科都市環境デザイン工学専攻修士課程1年
(取材時、デザイン工学部都市環境デザイン工学科4年)