「常識を疑う」視点から米国の日常や文化に潜む疑問を掘り起こし探究
国際文化学部国際文化学科 栩木玲子教授ゼミ
前列左から、吉田瑞季さん(言語文化コース4年)、栩木(とちぎ)玲子教授、岡崎沙也果 さん(表象文化コース3年)、後列左から、川畑芽朗さん(国際社会コース4年)、宮﨑信吾さん(表象文化コース4年/ゼミ長) ※全員、国際文化学部国際文化学科
秩父で行われた2017年の夏合宿では、4つの映画をモチー フに、さまざまな視点から「悪の定義」に関して討論した
国際文化情報学会で発表した展示『Million Dollar Baby of America』は、インスタレーション部門の「奨励賞」に輝いた
日常授業では、書き上げた論文を一人ずつ発表し、意見交換を通じて情報を共有している
「米国文化を対象に、映画や音楽、そしてスポーツなど自分が興味を持ったテーマを自由に研究できる柔軟性が栩木ゼミの魅力です」と紹介してくれたのはゼミ長の宮﨑さん。「研究に取り組むときは『常識を疑う』ことを意識して、小さなことにも疑問の目を向け、さまざまな視点から掘り下げます。そうして鍛えられたせいか、映画やスポーツを見るときも着眼点が増えて、視野が広がったと感じています」
個人の自主研究を重んじる栩木ゼミでは、全員が春学期と秋学期に1本ずつ、卒業論文を含めて2年間で計4本の論文を書きます。初めての論文執筆を控えている岡崎さんは、「両親の影響で聴いていた洋楽の歌詞が気になり、意味を調べたことがきっかけで米国の文化に興味を持ちました。音楽の歌詞に込めた心情や、映画を彩る演出など、芸術的な表現に込められた意味を深く研究したい。英語から日本語に翻訳されたときのニュアンスの違いなども、検討していくつもりです」と、これからのゼミ活動に期待を寄せます。
「学生たちが持つ可能性を信じて、自主性に任せています」という栩木教授の言葉どおり、ゼミ活動の方針は、全てゼミ生が全員で話し合って決めます。昨年秋は、国際文化情報学会での研究発表に参加。『ミリオンダラー・ベイビー』という映画を題材にした作品は、「インスタレーション部門」で奨励賞を受賞しました。「印象的な場面の写真やあらすじを解説するナレーション、小道具などを用いて、映画に入り込める空間を演出しました」と説明してくれたのは川畑さん。「この映画はラストシーンで『尊厳死』が描かれています。それを暗示する病院のベッドを置き、『あなたなら、愛する人を殺すことができますか』と来場者に問いかけ、意見を募りました。研究成果を芸術的に展示することにより、見てくれた人が一緒に考えられる参加型の発表にしたかった」と、結果に満足した様子を見せます。
「先輩たちの明るく積極的な姿勢から学び、その殻を破った上で次へとつなごうという気風がゼミの伝統なので、刺激的です」と語るのは、教員を目指して勉強中の吉田さん。「これからは、米国と日本の教育事情を良い面も悪い面も含めて比較研究をし、自分なりに目指す教育の姿を模索したい。中学、高校は特に教師の影響力が大きい時期だと思うので、プラスの方向に影響力を与えるにはどうしたらいいのか、考えるヒントを探します」と、将来を見据えて目を輝かせます。
(初出:広報誌『法政』2018年5月号)
- 国際文化学部国際文化学科 栩木玲子教授ゼミ
栩木(とちぎ)玲子教授
宮﨑信吾さん(表象文化コース4年/ゼミ長)
吉田瑞季さん(言語文化コース4年)
川畑芽朗さん(国際社会コース4年)
岡崎沙也果さん(表象文化コース3年)
※全員、国際文化学部国際文化学科
<学生インタビュー>新着記事
<学生インタビュー>
バックナンバー
全ての記事を見る▼
NEWS
- 2024.8.22 本学出身の小松原美里選手がパリオリンピック会場で北京2022大会フィギュアスケート団体銀メダル授与式に参加しました
- 2024.8.20 パリ2024オリンピックフェンシング団体種目で金銀銅メダル獲得 (男子フルーレ金 敷根崇裕選手・男子エペ銀 見延和靖選手・女子サーブル銅 福島史帆実選手・髙嶋理紗選手・尾﨑世梨選手))
- 2024.8.8 高大連携事業『人馬のウェルビーイング for 協定校』を開催しました
- 2024.8.7 法政大学関係者のパリ2024オリンピック・パラリンピック競技結果
- 2024.7.26 パリ2024 オリンピック・パラリンピック競技大会出場者壮行会(動画)
- 2024.7.24 お笑いサークル現役生と一緒に、マヂカルラブリー・村上さんにお話を聞きました(動画)
- 2024.7.16 デザイン工学研究科システムデザイン専攻 博士課程2年の清宮普美代さんと姜理惠教授が International Council for Small Business 2024でBest Paper Awardを受賞
- 2024.7.10 理工学研究科の在学生がThe 21st Biennial Conference on Electromagnetic Field ComputationでBest Student Presentation Awardsを受賞
- 2024.7.5 市ケ谷キャンパスで「パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会」の壮行会を開催
- 2024.7.4 法政大学島野教授の研究チームがブータンに生息する絶滅危惧種シロハラサギの人工孵化・育雛に成功
- 2024.7.4 デザイン工学研究科都市環境デザイン工学専攻・博士課程2年の山本忍さんが 土木学会 2024年 デジタルツイン・DX論文賞を受賞
- 2024.7.4 法政大学・東北大学等の共同研究グループによる成果報告 中性子、陽子それぞれ3個ずつは原子核として不安定と実験で証明
- 2024.6.27 法政大学・eMoBi・JR東日本スタートアップによる電動トゥクトゥクレンタル実証実験結果について 〜電動トゥクトゥク「Paco(パコ)」による通学の新たな移動体験の提案〜
- 2024.6.14 現代福祉学部福祉コミュニティ学科4年 石田茉央さんが所属する女子セブンズ学生日本代表チームが世界大会で優勝しました
- 2024.6.10 法政大学大学院が研究科横断型組織「地域創造インスティテュート」を2025年4月に開設 地域・政策づくりと産業創出を担う人材を育成/平日夜間・土曜日に開講
- 2024.6.4 人間環境学部・湯澤規子教授が第12回河合隼雄学芸賞決定
- 2024.5.31 2025年4月入学希望者対象 チャレンジ法政奨学金について
- 2024.5.30 学校法人法政大学の2023年度決算を公開しました
- 2024.5.30 多摩キャンパスで「留学生交流会」を開催しました
- 2024.5.29 理工学研究科の教員が第5回リサーチフロントアワードに選出されました
- 2024.5.28 2024年法政大学入学式(動画)
- 2024.5.10 第142回学位授与式の動画を掲載しました
- 2024.5.10 HOSEIミュージアム企画展示『大学への「問い」/ 学生との「対話」―中村哲総長と法政大学の15年―』開催
- 2024.5.8 デザイン工学部都市環境デザイン工学科今井龍一教授が情報処理学会業績賞を受賞
- 2024.4.25 日本テレビ『有吉の壁』のロケ地として多摩キャンパスが使用されました
- 2024.4.24 法政大学島野教授の研究グループが国指定の天然記念物、沖縄固有のヤンバルクイナの羽から新種ダニ発見 羽表面を掃除する良いダニだった
- 2024.4.24 国内留学は、自分の学びや環境を違った視点から見られる魅力的なチャンス 〜国内留学参加者による座談会〜
- 2024.4.16 社会学部・大森翔子専任講師が第39回電気通信普及財団賞(テレコム人文学・社会科学賞)の奨励賞を受賞しました
- 2024.4.10 ご入学おめでとうございます(2024年入学式)
- 2024.4.10 キャンパス再構築に係るお知らせ