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「利他の心」と「論理的思考」でIoTの普及を見据えた緻密な技術研究に取り組む
理工学部応用情報工学科 光・電気融合情報工学研究室(品川満教授研究室)

イメージ前列左から、雨宮由希さん、品川満教授、岡嶋めいさん、後列左から、堀川拓実 さん、岡田陸さん、松井允希さん ※全員、理工学部応用情報工学科4年

通信を駆使してモノを制御するIoT(※)の普及を見据え、正確なデータの計測と検知技術の研究に取り組んでいる品川満教授研究室。企業と連携した共同研究を手掛けるケースも多く、その成果に期待が寄せられています。

「人体を介して通信を行う、人体通信の研究を手掛けています」と紹介してくれたのは、雨宮さん。「例えば、端末を所持した状態で電極を仕込んだ装置に触れ、通信を発生させることでIDの検知や識別を行うこともできます。既にさまざまな応用研究が進んでいますが、私は先輩の研究を引き継いで、物品管理に展開する方法を模索しています」。
オープンキャンパスがきっかけで品川教授の研究に興味を持ち、入学前から研究室への参加を目指してきたという堀川さん。「現在は、E/O(電気光学)プローブを利用した電界の計測研究に取り組んでいます。電子機器が正常に動作する環境を確保するためには、電波の干渉やノイズを正しく計測することが必要です。計測精度を上げられるように研究を進めています」。

イメージ人体通信技術の実験の様子。床の電極を踏むと所持したカード型端末を認識し、ゲートが開くウォークスルーゲートは、改札などへの応用を想定している

イメージ研究の合間の気分転換として、月に数回はスポーツや食事会などを楽しんでいる

両親が医療関係者だという岡嶋さんは、医療分野に関連の深いOCT(光干渉断層撮影)の研究に取り組んでいます。「OCTは光を利用して人体組織を撮影する技術で、既に皮膚細胞や眼底の検査機器に用いられています。X 線を使ったCTスキャンのような被ばくの危険がなく、安全です。私は、より鮮明な画像が得られるように、OCT技術のデータ解析や評価を進めています」。

「学びにも遊びにも手を抜かず、常に本気で取り組むことが大切」という品川教授。その教えどおり、「研究の合間には、あえてスポーツやレクリエーションの時間を設け、みんなで楽しんでいます」と笑顔を見せたのは岡田さん。「やるときはやるという雰囲気に刺激されて、研究意欲も高まりました。今まで先輩たちが教えてくれたことを受け継いで、今度は自分たちが後輩をサポートしていきたい」と力強く語ります。

この4月には、研究室から5人の学生が国際学会に参加し、英語で論文の発表をします。その一人に選ばれた松井さんは「研究室に参加してから、自分の成長を実感することができました」と胸を張ります。「この1年、『利他の心』を意識して、論理的に思考することの重要性を学びました。その教えを大切に、技術だけでなく、人間力も高めて、研究室をより良くしていきたい」と自身の思いを熱く語ります。

イメージ夏合宿にて。「明るく活気のある、雰囲気の良さが研究室の魅力」と全員が口をそろえる

※ IoT(アイ・オー・ティー) Internet of Thingsの略称で「モノのインターネット」の意味。インターネットの通信網を利用してモノがつながり合い、情報を共有することで、相互に制御する仕組みのこと。

(初出:広報誌『法政』2018年4月号)


理工学部応用情報工学科 光・電気融合情報工学研究室(品川満教授研究室)

品川満教授
雨宮由希さん
岡嶋めいさん
堀川拓実さん
岡田陸さん
松井允希さん
※全員、理工学部応用情報工学科4年