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40代後半で大学院に入学
知識と理論を身に付け「女性活躍社会」の一助へ
大学院公共政策科学科博士後期課程2年 手塚貴子(てづかたかこ) さん

イメージ 「多くの子育て女性を元気にしたい」と研究の原動力を話す手塚さん。「研究を通じ多彩な方々と出会えたことで、人生がより豊かになりました」

イメージ 懇親会には卒業生も参加した2012年の夏合宿。「問題意識の高い人が多く、議論は激論になることも少なくありませんが、いつも大きな気づきをもらっています」

イメージ初めて講師を務めた岐阜県大垣市での女性向けセミナーにて

イメージ発起人として始めた読書会の後の懇親会にて。「"社会的問題の解決"という同じ志を持つ仲間なので、読書会でも多くの学びがあります」

「子育てをしている女性の再就職はなぜ難しいのか?」----起業家としてマーケティング事業を行う中で得た疑問から40代後半で本学大学院に入学し、現在は博士課程で学んでいる手塚さん。子育て中の女性の再就職応援サイト「女(JOB)ブ活!」を立ち上げ就職支援やインタビュー記事の掲載を行うほか、自治体や大学での講演も行っています。

「"私が何とかしなければ"という使命感のようなものを抱き、取り組み始めました。そしてやるからには、"一市民の感想"で終わってしまうようなものにしたくなかった。専門家に耳を傾けてもらうには学術的にも通用する知識と理論が必要だと考え、大学院の進学を志しました」

大学院では幅広く知識を身につけ課題解決を図る政策科学分野を志向し、公共政策研究科を専攻。「地方自治や経済、金融、統計学......授業はどれも興味深く、手応えを感じながら学べる一方、個人研究においては当初苦戦しました。自治体によって待機児童の規定も違えば、"子育て中の女性"の定義も、再就職希望者の線引きも異なる。お子さんが成人した方でも本人が主張すれば"子育て中"になるのです」

課題の本質をつかむため、手塚さんは関係各所への徹底的なヒアリングを実施。「子育て中の再就職希望女性や自治体、経営者、子育て中の男性ビジネスパーソン、独身の女性ビジネスパーソンと、あらゆる立場の方にお話を伺いました。こういった研究内容に携わっているのは子育てを経験した女性研究者が多いようですが、私には子どもがいません。だからこそ先入観にとらわれない調査が行えたのだと感じています」

再就職希望者のアドバイザーとしてのみならず、手塚さん自身が起業家でもある"輝く女性"として、2011年12月に岐阜県大垣市からの依頼を皮切りに研究は講演活動にも広がっていきました。

次の目標は、多くの子育て女性を元気にする本を発行すること

2012年末には、中途採用時に子育て中の女性の能力を正当に評価するための「採用判断ツール」策定等を提言した修士論文「『出産・子育てで退職した女性の再就職』を促進する方策−企業の視点を踏まえて−」を完成。同時に、各専門家や求人企業の紹介、インタビュー記事等を載せた子育て中の女性のための再就職応援サイト「女(JOB)ブ活!」を立ち上げました。

「修士論文を書き終えた時、研究で得た貴重な情報をより多くの方に知ってもらいたいと思い、始めました。研究内容の話をすると私が会社経営をしているため『就職支援活動を事業化しないのですか?』という質問を受けることがありますが、女性への応援は奉仕活動として、私にしかできないことを行っていきたいと思っています」

博士後期課程3年目を前にする現在、「目標は、研究の一環として月2~3人の割合で『女(JOB)ブ活!』に掲載している子育て中の女性へのインタビュー記事をさらに充実させ、書籍化することです」と目を輝かせる手塚さん。

「出産時に仕事を続けたのか辞めたのか、どのような雇用形態で働いているのかなど、紹介する方のプロフィールをパターン化し掲載したいと考えています。同じ境遇で奮闘している人を見て力が湧いてくることがあるのではないでしょうか。『女(JOB)ブ活!』は子育て中の女性のインタビューのみを掲載していますが、実は結婚しているしていない子育て中かどうかに関わらず、女性の生き方を紹介しているサイトだと、感じ始めました。私自身が元気づけられることもたくさんあります。 より多くの女性に"自分もがんばろう"と思ってもらえるものを作れたら嬉しいですね」

子育て中の女性の再就職応援サイト「女(JOB)ブ活!」
http://www.jobkatu.com/


大学院公共政策科学科博士後期課程2年 手塚貴子(てづかたかこ)

「“大学院に通って一番良かったのは、人との出会い”と先輩方が言っているのを聞いていましたが、本当にそう感じます」と手塚さん。「大企業の役職者や留学生、大学からのストレート進学者など、普段の社会人生活では接する機会のない人たちとの出会いがあります。それによって気づくことも学びの一つだと思っています」


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