経営理論をベースに実践的な課題に挑戦し企業の未来を予測する
経営学部市場経営学科 近能善範教授ゼミ
上段左から、近能善範教授、東優吾さん(市場経営学科4年)、金木美蘭さん(経営学科4年)、下段左から、渡辺大晟さん(経営学科3年/ゼミ長)、松原陽菜さん(経営学科3年)※全員、経営学部
ゼミの活動は、チームに分かれたグループワークが中心。対面で活動する際は、万全な感染対策のもと発表に向けた話し合いをしている
3年次の12月頃には、横浜国立大学経営学部のゼミとのゼミ交流会を実施(2020年はリモート環境で開催)。初対面の相手との意見交換は新たな刺激になっている
4年次には、企業訪問などのフィールドワークも実施(2021年はリモートにて実施)。写真はコロナ禍前の2020年1月に実施した時の一枚
経営理論に基づき、企業戦略やイノベーションマネジメント※の研究に取り組む近能善範教授ゼミ。元ゼミ長の東さんは、「教授から提示された課題に基づいて、企業の売上高などの業績データや非財務データから経営戦略を分析しています。まとめた結果はプレゼンテーション形式で発表したり、将来性について討論するときの材料にしたりしています」とゼミでの活動を語ります。
公認会計士試験の試験委員や官公庁の委員を務めるなど、学外と関わることも多い近能教授。将来、社会人として働くことを想定して「チームで課題に挑戦する経験を積んでほしい」と実践的な課題を提示し、学生の即戦力を強化しています。
3年次の春学期はテキストを要約しながら学び、商品やサービスに関する課題にも取り組みます。「将来性のあるサービス」という課題でコーヒーサーバーを無償で貸し出すサービスに着目したのは松原さん。「手軽にコーヒーが飲めるだけじゃなく、人が集まる場を作って交流のきっかけになるような付加価値があると感じました」と着目した理由を語ります。
毎年12月には、他大学とのゼミ交流会を開催。3年次の学生を対象とし、チームで課題に挑戦します。文具メーカーを担当するチームに属する現ゼミ長の渡辺さんは、「利益率を上げるための提案ができるように、売上高の推移などのデータを基に、企業分析を進めています」と準備の様子を語ります。「説得力を増すためには、自社を分析するだけでなく、業界分析や競合他社との優位性など、さまざまな視点から根拠が必要です。データの重要性を感じました」と、課題に取り組む意義を語ります。
4年次は、ゼミ活動の集大成として、4年生全員が協力して、一つの企業を徹底分析。完成した企業研究を年度末に発表し、共同執筆で論文も完成させます。これまでは、企業を訪問して実地調査も行っていましたが、コロナ禍のため2020年以降は規模を縮小しリモートで実施。情報共有しやすいネット環境を活用して連携をとりながら、データ分析と考察を中心に活動を進めています。
「近能ゼミは、ゼミ生全体の空気感が明るく、一人一人が意見を出しやすい和気あいあいとした雰囲気が魅力です」と語るのは金木さん。「企業分析には裏付けや根拠に基づいた思考が必要ですし、解のない議題に挑戦することで、チームで協力して答えを導き出す実行力が身に付きます。その力は、きっと社会に出てから自分の糧になると感じています」と未来を見据えます。
※イノベーションマネジメント
企業の成長および価値創出のカギとして、革新的な商品やサービス、仕組みを生み出す「イノベーション」を実現させるためのマネジメント
(初出:広報誌『法政』2022年 1・2月号)
- 経営学部市場経営学科 近能善範教授ゼミ
近能善範教授
渡辺大晟さん(経営学科3年/ゼミ長)
東優吾さん(市場経営学科4年)
金木美蘭さん(経営学科4年)
松原陽菜さん(経営学科3年)
※全員、経営学部
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