小説から韻文までの多彩な文芸創作で
自己と他者につながる
創作文芸サークル「文学研究会」
左から、湊さん、簑島さん、金城さん、杉浦さん、赤羽さん
毎号約100部発行される、右から『ゆきかぜ』『コトノハ』『蛍火』
製本作業も部員たち自身が思いを込めて行っている
茨城県大洗町で実施した2014年の夏合宿
ジャンルにとらわれない文芸創作活動を行っている文学研究会。3種類の機関誌 ----自由形式の『ゆきかぜ』(年4回)、テーマを定めた短編小説誌『コトノハ』(年3回)、詩誌『蛍火』(年1回) ----を発行しています。
「想像した世界観を形にできます」と入部の理由でもある文芸創作の魅力を語るのは赤羽さん。現代小説や海外文学、専門書までさまざまなジャンルの本を読みこなし、近著では僧正遍昭による百人一首の歌を題材に、平安時代を舞台にした小説を執筆。「多くの解説本とは異なる、私なりの歌への解釈を表しました」
「創作活動は完全に自己満足」と笑う前代表の金城さん。「しかし、その過程においては『自分は何が好きで何が嫌いか』『何を善しとするか』など、触れたくない自らの性(さが)も掘り下げて見つめ、分析せざるを得ません。小説は映し鏡。完全に主観をなくすことは不可能ですが、社会に対する自己認識を客体化し捉え直す作業でもあります」と、創作活動の奥深さを語ります。
執筆後には批評会も実施。全体の構成や主人公の台詞意図など、作者への質問形式で行っています。「特に勉強になるのは、自分の作品を批評してもらうとき」と、家族をテーマにした作品に定評がある杉浦さん。「図らずも良く受け取ってもらえたときはかえって返答に窮しますが、キーワードをどこで用いるか、状況説明はどこまで具体性を持たせるかなど、作品意図の正確な伝え方を考える貴重な機会になっています」と言います。
「だから創作活動は、多様性の学びでもあります」と話す簑島さんは、昨年度「大学読書人大賞」(※)の実行委員会副委員長として文芸作品への新しい向き合い方を経験しました。「人は何をどのように感じ、それをどう評価として反映するのか。テーマにかなった正統な作品の選定を行うための評価方法を策定する中で、多彩な思考体系の在り方と出合い、人間そのものへの理解も深まったように感じています」
5月には『第二十回文学フリマ東京』にも出展。代表の湊さんは「より多くの方に私たちの活動を見ていただきたかった」とその思いを話します。「部員は創作に興味がある人が多いですが、機関誌発行においては編集担当者が作家と綿密な打ち合わせをしながら編集、校閲、制作などを行っています。さまざまな角度から本の魅力に出合えます」と、最後に多彩な活動の魅力を紹介してくれました。
※年1回、全国の大学文芸サークルが「この1年に最も輝いていた本」を選ぶ催し
- 創作文芸サークル「文学研究会」
金城拓磨さん(前代表・4年)
湊侑樹さん(代表・3年)
簑島麻佳さん(「大学読書人大賞」実行委員会副委員長・3年)
杉浦里沙さん(3年)
赤羽亮太さん(「大学読書人大賞」実行委員会委員・2年)
※全員文学部日本文学科
<学生インタビュー>新着記事
<学生インタビュー>
バックナンバー
全ての記事を見る▼
NEWS
- 2024.11.12 法学部の廣瀬・土山ゼミの学生が「公共政策フォーラム2024 in 会津若松」 において日本公共政策学会長賞(最優秀賞)を受賞しました
- 2024.11.8 理工学研究科の在学生が第8回抗酸菌研究会で第8回抗酸菌研究会奨励賞を受賞
- 2024.11.7 法政大学が「SDGs WEEKs 2024」「DIVERSITY WEEKs 2024」を11月18日(月)〜11月30日(土)に開催 無料生理用品配布の試行など20以上のプログラムを実施
- 2024.11.1 2025年4月入学希望者対象 チャレンジ法政奨学金について
- 2024.10.29 法政大学江戸東京研究センターの研究プロジェクトが2024年度 三菱財団 人文科学研究助成(大型連携研究助成)に採択されました
- 2024.10.25 プロ野球ドラフト会議で篠木健太郎選手が横浜DeNAベイスターズから2位指名、山城航太郎選手が北海道日本ハムファイターズから6位指名
- 2024.10.25 ソフトテニス部総長表敬訪問
- 2024.10.23 都市環境デザイン工学専攻の学生が学術講演会優秀講演者として表彰されました
- 2024.10.17 陸上競技部長距離駅伝チームが第36回出雲駅伝で第9位
- 2024.10.11 【DEIセンター × SASH企画】無料生理用品&自動開閉式サニタリーボックス設置を試行実施します
- 2024.10.4 法政大学植木教授の共同研究グループがボルボックス目藻類の多細胞化進化とレイノルズ数の連関を発見
- 2024.10.1 「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に採択されました(経営学部 木村 純子 教授)
- 2024.9.27 湯澤規子教授がNHKラジオ第二 カルチャーラジオに出演されます
- 2024.9.26 法政大学が工学院大学附属中学校・高等学校との高大連携事業に関する協定締結式を行いました
- 2024.9.25 2023年度の研究・教育活動に対する受賞・表彰者の紹介(一覧)
- 2024.9.23 2024年秋季入学式を挙行しました
- 2024.9.23 2024年9月卒業・学位記交付式を挙行しました
- 2024.9.19 2024年度多摩オープンキャンパスで40周年記念ロゴマークおよび缶バッジを作成しました
- 2024.9.14 2024年秋季入学式 総長式辞
- 2024.9.14 2024年9月卒業・学位記交付式 総長告辞
- 2024.8.22 本学出身の小松原美里選手がパリオリンピック会場で北京2022大会フィギュアスケート団体銀メダル授与式に参加しました
- 2024.8.20 パリ2024オリンピックフェンシング団体種目で金銀銅メダル獲得 (男子フルーレ金 敷根崇裕選手・男子エペ銀 見延和靖選手・女子サーブル銅 福島史帆実選手・髙嶋理紗選手・尾﨑世梨選手))
- 2024.8.8 高大連携事業『人馬のウェルビーイング for 協定校』を開催しました
- 2024.8.7 法政大学関係者のパリ2024オリンピック・パラリンピック競技結果
- 2024.7.26 パリ2024 オリンピック・パラリンピック競技大会出場者壮行会(動画)
- 2024.7.24 お笑いサークル現役生と一緒に、マヂカルラブリー・村上さんにお話を聞きました(動画)
- 2024.7.16 デザイン工学研究科システムデザイン専攻 博士課程2年の清宮普美代さんと姜理惠教授が International Council for Small Business 2024でBest Paper Awardを受賞
- 2024.7.10 理工学研究科の在学生がThe 21st Biennial Conference on Electromagnetic Field ComputationでBest Student Presentation Awardsを受賞
- 2024.7.5 市ケ谷キャンパスで「パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会」の壮行会を開催
- 2024.7.4 法政大学島野教授の研究チームがブータンに生息する絶滅危惧種シロハラサギの人工孵化・育雛に成功