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本格的な茶事や茶会で季節の移ろいを感じながらおもてなしの心を育む
法政大学茶道研究会

イメージ前列左から、田部井郁香さん(文学部日本文学科3年)、田中麻帆さん(経営学部 経営戦略学科3年)、後列左から、吉川祐樹さん(経営学部経営学科2年)、浅野遼 さん(法学部法律学科3年)、植田匠さん(文学部哲学科3年/代表)

創部から62年の伝統を持つ法政大学茶道研究会。「約90人いる部員の多くは大学から始めた初心者ですが、茶道を始めてしばらくすると、みなその奥深さに魅了されていきます」と紹介してくれたのは、代表の植田さん。「11人の幹部が師範の自宅に伺って教えを請い、そのときに学んだ作法を週2回の活動日で他の部員に伝授し、稽古をします」

稽古の成果を披露する場となる茶事(ちゃじ)は、季節ごとに炉(ろ)と風炉(ふろ)※を使い分けながら、年に複数回開催。お点前(てまえ)をする亭主(ていしゅ)と、その補佐をする半東(はんとう)が中心となって、客人役の部員たちをもてなし、お茶の前にいただく茶懐石料理も自分たちでこしらえて振る舞います。「5月に、新入生を招いて開催した『初風炉茶事』で亭主を務めたことが印象深い」と振り返ったのは吉川さん。「1年生のときは招かれる側で何もかも教えてもらうだけだった自分が、1年後には大役を務めることができたのは感慨深いです」

イメージ年の初めに開く初釡茶事。法政OBでもある師範と奥さまを囲んでの記念撮影

イメージ昨年の夏合宿は長野県湯田中温泉で実施。写真の煮物椀は茶事で振る舞われたもの。茶懐石料理のメニュー選定、食材の買い出しから調理までのすべてを自分たちで行う

茶事以外にもイベントは多く、「秋季定例茶会のほか、クリスマスなど季節の趣向を凝らしながら、お茶とお菓子を楽しむミニ茶会も月1回のペースで催しています」と語る田中さん。「中学と高校の部活でも茶道を経験していましたが、ここでの活動はすべてが充実していて、毎日が新鮮です」と笑顔を見せます。

夏合宿では、1週間みっちり茶道と向き合います。宿泊先に道具を持ち込んで、全員が師範から作法を直接習った後、茶事と茶会を執り行います。ハードな日程ですが「昨年の合宿を機に、サークルに対する姿勢が一変しました」と語る田部井さん。「2年生で運営を意識しながら合宿を乗り切る中で、一生懸命やったからこそ達成感を得たり、人とのつながりを深められたりすることを感じました。もっと、サークルと真剣に向き合おうと思い直す転機になりました」

「禅の教えや『一期一会』の言葉通り、茶道には日々新しい発見があります」と語るのは、サークルが所属する「裏千家関東学生茶道研究会(関東裏研)」という学生組織で、今期の代表を務めている浅野さん。
「関東裏研には約40大学の茶道部が加盟しているほか、同様の組織が関西や九州にもあり、茶道を通じて、全国の学生との交流も広がっています。対外的な窓口を務める身としては、茶道の楽しさをより多くの人に知ってもらいたい」と、おもてなしの心を育てています。

イメージ毎年5月に開催される初風炉茶事の様子。 写真左が半東、中央が亭主

※炉と風炉:「炉」は畳の下に備えた小さないろり。11月~ 4月頃に用い、客人に暖を取ってもらう意味合いもある。5月~ 10月頃は炉を閉じ、畳の上に釡を据える「風炉」を用いる。

(初出:広報誌『法政』2018年8・9月号)


法政大学茶道研究会

植田匠さん(文学部哲学科3年/代表)
田部井郁香さん(文学部日本文学科3年)
田中麻帆さん(経営学部 経営戦略学科3年)
浅野遼 さん(法学部法律学科3年)
吉川祐樹さん(経営学部経営学科2年)