文献や映像分析、フィールドワークを駆使して
メディア社会の課題を基礎から追究
社会学部メディア社会学科 小林直毅教授ゼミ
左から、高橋和杜さん(社会学部社会学科3年、ゼミ長)、引地深仁さん(社会学部社会学科4年)、小林直毅教授、松尾拓さん(社会学部メディア社会学科3年)、小松原佑太さん(社会学部メディア社会学科3年)
「メディア表象としての現代社会を読み解く」をテーマに、さまざまな手法を用いてメディア全般の研究をする小林ゼミ。春学期と夏合宿は、全員で課題テキストを輪読しながらメディアの理論を学び、基礎知識を身に付けます。
「情報媒体であるメディアは、その時代を映し出す鏡。きちんと学ぶことで、メディア社会をしなやかに生きられる人間になっていってほしい」と語る小林教授。「課題を出すときは手加減を一切しない」という言葉通り、昨年の夏合宿用に選んだテキストはフランスの哲学者ロラン・バルトの著作である『映像の修辞学』と『映画論集』。難解で、多くのゼミ生は通読するのも苦しんだと言います。自然と口が重くなったディスカッションの突破口を切り開いたのが、将来は記者など社会に向けて発信する仕事をしたいという松尾さん。「人前で話すのは苦手でしたが、ゼミでは最低一度は発言すると決めています。すごく頭を使いますが、議論は参加したほうが楽しいですから」。メディアとしてのラジオの研究がしたくてゼミを決めた小松原さんは「先生はよく『口、頭、体のうち二つは動かせ』と言われます。難題に当たっても、何かしら行動を起こして前に進む努力をすることが大事なんです」と、学びの壁を乗り越える大切さを感じていました。
2016年度春学期のゼミのスタート。ゼミ生全員で輪読している様子
3年生は夏合宿に加えて、戦後70年の節目に長崎で原爆の描かれ方に関するフィールドワークを実施。3年次から小林ゼミに参加した引地さんは「2泊3日の限られた日程で、長崎市内を歩き回って取材するのは大変でしたが、充実感を得られました」と振り返ります。「テーマが原爆だけに、話を聞くのは難しかったです。事前にアポイントメントを取っていた人は自発的に話してくれましたが、その場に居合わせた人に聞くときは、どう質問したらいいか、ためらったり悩んだりしました」
毎年3年生は夏休みに長崎へフィールドワークを実施
秋学期は、映像研究に着手。終戦直前の日本をテーマにした3作の映画『日本のいちばん長い日※1』『太陽※2』『終戦のエンペラー※3』で描かれた昭和天皇に注目。戦後70年を天皇表象から考えるという課題に取り組みました。その成果は、まず学部発表会で発表を行い、他大学との合同発表を行うメディアフォーラムにて集大成を披露。ゼミ長の高橋さんは「グループで一つのテーマに取り組み、自分たちなりに出した答えを発表したときはみんなで乗り切った充実感と達成感がありました。今年も頑張ります」とゼミ研究にさらなる意欲を燃やします。
2015年12月に行われたメディアフォーラムでの研究発表会
※1 1967年公開のオリジナル版
※2 2006年日本公開のロシア映画。監督はアレクサンドル・ソクーロフ
※3 2013年日本公開の米国映画。監督はピーター・ウェーバー
- 社会学部メディア社会学科 小林直毅教授ゼミ
小林直毅教授
高橋和杜さん(社会学部社会学科3年、ゼミ長)
引地深仁さん(社会学部社会学科4年)
松尾拓さん(社会学部メディア社会学科3年)
小松原佑太さん(社会学部メディア社会学科3年)
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