スポーツのトレーニングやコーチングに活用するために
合理的な体の動きを解明
スポーツ健康学部スポーツ健康学科 平野裕一教授ゼミ
前列左から、堀井廉士さん(ゼミ長)、平野裕一教授、後列左から、髙橋稜平さん、柴田啓さん (全員、スポーツ健康学部スポーツ健康学科3年)
トレーニング科学を専門とする平野ゼミ。解剖学や力学などに基づいて、効率の良い体の動きを解明しようと研究を進めています。
「スポーツバイオメカニクス(※)については、平野先生が昨年法政に来られるまで、全く知りませんでした。初めて学ぶことばかりなので、模索しながら取り組んでいます」と語るのは、4月からゼミ長を務める堀井さん。「今はビデオ撮影した映像を見ながら、関節の角度や体の向きがどのような影響を与えるのか、動作から分析する手法を学んでいます」。
「昨年はほとんど知識がない状態だったので、多くの文献を読み解き、研究のベースとなる基礎知識を身に付けることを学生には勧めました。今年は『卒業論文に向けてデータの測定手法を学びたい』とリクエストがあったので、演習スタイルを変えて、自分たちで調べながら取り組むように促しています」と語る平野教授。研究の道を歩み始めた学生たちの主体性を妨げないよう、ゆっくりと見守っています。
複数のカメラを使用して、さまざまな角度で撮影
ゼミのメンバーは20人。現役プレーヤーでもあるゼミ生は、野球とサッカーを筆頭に陸上、ラグビーなど、それぞれが真剣にスポーツに取り組んでいます。彼ら全員が共通して持っているのが「スキルを向上して、いいプレーができるようになりたい」という願い。ゼミで学んだ知識を生かして、その願いを実現しようと励んでいます。
社会人野球のクラブチームに所属し、ピッチャーをしているという髙橋さんは「今まで多くの指導を受けてきましたが、それが本当に自分に合っている方法なのか実感できませんでした」と、経験に基づくコーチの指導スタイルに疑問を感じていたといいます。「科学的なデータに基づいたトレーニング手法は、効果が実証されています。さまざまな手法があるので、一つずつ学びながら、自分のトレーニングに還元して効果を確かめてみたい」と期待を寄せます。
画像データをパソコンに取り込み、解析する。競技のスキルアップにも関わるため、真剣な表情のゼミ生たち
プレゼンテーションの様子。さまざまな測定手法をゼミ生全員で共有・検討する
「自分自身で有益なトレーニング効果を実践できたら、後輩の指導にも生かしたい」と思いを語るのは、堀井さんと同じ野球チームでピッチャーをしている柴田さん。「スポーツ健康学部に入学するまで何も知らなかった自分と同様に、高校の後輩は科学的なトレーニングを知りません。自分が学んだことを後輩に伝えて、今後のトレーニングに役立てることで、もっと強くなってもらいたい」。
最後に、「ゼミでの研究を始めてから、スポーツを見る目や考え方は確実に変わりました」と全員口をそろえて、笑顔を見せました。
※力学などを応用して、合理的な体の動きを解明し、コーチングやトレーニングに生かそうという手法
- スポーツ健康学部スポーツ健康学科 平野裕一教授ゼミ
平野裕一教授
堀井廉士さん(ゼミ長)
柴田啓さん
髙橋稜平さん
(全員、スポーツ健康学部スポーツ健康学科3年)
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