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インフラを兼ねたシンボル的存在法政Vブリッジ

イメージ夕景の法政Vブリッジ

東京都町田市、八王子市、神奈川県相模原市(旧城山町)にまたがる多摩キャンパスは、総面積約25万坪。周辺の山林に溶け込むように、敷地の約半分を保存緑地として残した緑豊かな環境で、現在は経済学部、社会学部、現代福祉学部、スポーツ健康学部の学生が学んでいます。

多摩キャンパスは、環境と人間の調和を目指した郊外型のキャンパスの先駆けとして、1984年に開設されました。「橋もトンネルもあるキャンパス」とメディアでも注目され、映画やテレビドラマ、コマーシャルの撮影にもたびたび利用されています。

右は社会学部棟、左は建設中の図書館・研究所棟

キャンパス開設10周年を記念して設置された「宇宙の風(Winds of Cosmos)」(左)16号館EGG DOME(右)

美しいキャンパスの象徴的な存在の一つが「法政Vブリッジ」です。総合棟側と経済学部棟は、谷あいの公道を隔てて立地しています。最短距離で結ぶ連絡橋の建設は、キャンパスの開発当初から計画されていましたが、さまざまな理由で建設が進みませんでした。

1996年12月にようやく着工し、1998年3月に完成したこの橋は、橋長109m、有効幅員5mのプレストレストコンクリート製斜張橋で、総合棟側の3棟をつなぐペデストリアンデッキを延長するかたちで架橋されました。ハープ型ケーブルとV形式主塔を有するモニュメント性のあるデザインです。名称は学内で公募され、V形式の主塔とVictoryの意味を合わせて「法政Vブリッジ」と名付けられました。
1999年3月には、同じく念願だった学生・教職員共用の文化厚生施設「EGG DOME(エッグドーム)」が完成します。サークル用BOXや各種練習室、多目的ホール、音楽練習室などがあり、主にサークルなど学生の自主的な活動に利用されています。多摩キャンパスでは公共下水道を利用していないため、汚水、雑配水はエッグドーム地下の汚水処理場で処理され、トイレ用水として再利用されています。

キャンパス内にはその他、社会学部棟にある「泉︱ 不戦の誓」(1986年3月、陶芸家・北一明氏の製作)、正門正面にあるステンレス製の「宇宙の風」(1995年3月、彫刻家・飯田善國氏の製作)、経済学部棟にある森不二雄氏(俳優の根上淳氏)の碑文を刻んだ「平和記念碑」(1996年3月)など、さまざまな記念モニュメントが建造され、キャンパスの顔として学生たちに愛されています。

完成からおよそ20年がたった「法政Vブリッジ」。これからも多摩キャンパスのシンボル的な存在として、学生たちを見守っていくことでしょう。

取材協力:法政大学史センター

(初出:広報誌『法政』2016年度1・2月号)