大学祭の始まり
1931年、神宮外苑競技場で開催された陸上大運動会の入り口の様子
今年で第69回を迎えた本学の大学祭(市ケ谷)は、第二次世界大戦後の1946年から続いてきた、全学的なイベントです。
戦前には主に「運動会」という名で大学祭が催されていました。古くは、1888(明治21)年11月、前身の東京法学校時代に北豊島郡(現北区)の飛鳥山で校長、講師や校友、学生ら400人以上が参加する大規模な秋季大運動会を開催した、という記録が残っています。
定期的に催されるようになったのは、大学令により正式な私立大学になってからのことです。当時、学生の間では、一致団結して大学を盛り上げようという機運が高まっていました。度重なる要望を受けて、1924(大正13)年、野球部が練習をしていた中野グラウンドで「第1回陸上大運動会」が開催されました。
運営に当たったのは部活動を統括する学友会で、競技には100メートル競走や円盤投げ、ハードルなどの他、ドジョウつかみ競走たばこ吸い競走など今では聞き慣れない種目も見られます。また、専門学校や中等学校など外部の学生が参加する競技もあり、昼食時には仮装行列がグラウンドを練り歩くなど、お祭りの要素が強いイベントでした。
第5回となる1928(昭和3)年からは、会場が神宮外苑競技場に変更され、一般の参観客も大勢詰めかけるようになります。この頃から「お祭り騒ぎ」と批判された内容が改められ、運動部の選手が主力となった「純然たるスポーツのための運動会」の要素が強くなっていきました。
1937年には会場を木月校地の中原グラウンドに移し、予算上の都合もあって、新入生歓迎会との隔年開催となります。映画上映や音楽演奏などが催された新入生歓迎会は、文化的なイベントのルーツといえます。また、木月校地内には予科(教養課程に相当)とその寮が置かれ、運動会の開催年には予科寮祭も開催されました。
戦争による中断を経て、最初に「大学祭」として開催されたのは1946年11月3日。戦後の荒廃からの学芸復興を目指した文化的なイベントとしてスタートしました。戦後しばらくは、「運動会」と「大学祭」の二本立てで開催されていたようです。
こうした歴史からは、先輩たちがスポーツや文化・芸術のイベントを通して互いの親睦を深め、交流を広げてきたことがうかがえます。現在三つのキャンパスごとに開催されている大学祭は、これからも自主的な学芸・文化活動の象徴として、受け継がれていくことでしょう。
(左)1925年、中野グラウンドで開催された第2回陸上大運動会の様子(右)木月校地で運動会と同時に開催された予科寮祭。3棟の寮にはデコレーションが施され、寮前の舞台では演芸が上演された
取材協力:法政大学史センター
出典:「HOSEI MUSEUM Vol.94」
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