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複雑化する課題をとらえ 福祉のフロンティアを切り開く
(藤井 賢一郎 総合人間科学部 社会福祉学科 准教授)今、日本の社会福祉が大きく変化しています。かつての福祉は、夫が外で働き、妻が家で育児や介護を担当する、といった家族のあり方を前提にしていました。しかし、ライフスタイルの多様化などにともなって、対象とする範囲も従来の福祉の枠組みでは、とらえきれなくなっています…
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条文をどう解釈し、解決の道を探るか。それを自分で考えるのが法律学の魅力
(伊藤 雄司 法学部 法律学科 教授)社会の変化や時代の要請を踏まえて、新たに作られたり、見直されたりする法律。それを学び、研究することは、社会の仕組みの理解にもつながります。例えば、私が専門とする会社法の分野では、10年ほど前に、法制度上の大きな改革がなされ、M&A(企業の買収・合併)に関する規制が緩和されるなど…
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不確かな時代の行き先を示す 堅固な羅針盤を手に入れる
(片山 はるひ 神学部 神学科 教授)神学部ではさまざまな視点からキリスト教に関する文化や倫理なども学ぶことができます。なかでも私が専門としているのが、キリスト教文学です。キリスト教文学というと狭いジャンルのように思われるかもしれませんが、取り扱う作品は多種多様。というのも、古今東西の文学作品の多くは、聖書をその源泉としているからです…
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ポルトガル語圏の魅力を掘り下げ、他の人とは異なる視点を手に入れる
(矢澤 達宏 外国語学部 ポルトガル語学科 教授)私の研究テーマの一つはアフリカの政治・政治史で、特にアンゴラやモザンビークといったポルトガル語圏5ヵ国を中心に研究しています。多くのアフリカ諸国では、形式上民主的な政治体制がとられていますが、実際は選挙で不正があったり、特定の候補に投票させるような誘導力…
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電気を「見えるもの」として扱い 例えば未来の鉄道に貢献する
(宮武 昌史 理工学部 機能創造理工学科 教授)大学というのは、ただ漠然と講義を受けているだけでは、専門性を身につけることは難しい所だと思います。面白いと思えるものを発見し、取捨選択をしながら、自分に合った知識を吸収していく。そんなプロセスが、とても大切ではないでしょうか…
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どんなお化粧をしてきましたか?そんな問いから、人間が見えてくる
(黒川 由紀子 総合人間科学部 心理学科 教授)「高齢者の心理」と聞いても、若い皆さんには縁遠く感じられるかもしれません。しかし、幼少期、青年期、壮年期を生きてきた方々は、あらゆる世代の心を経験してきた、いわば「人生の先駆者」。かかわりをもつことで、生きる指針のヒントを吸収できる。そこに、高齢者の心理を研究する魅力があると思います…
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さまざまな分野の研究、課題解決にデータ・サイエンスが貢献する
(林 等 理工学部 情報理工学科 准教授)「IoT」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「Internet of Things」の略語で、日本語では「モノのインターネット」などと訳されています。この仕組みのポイントは、あらゆるモノをインターネットに接続し、相互に情報をやりとりさせながら、遠隔にあるモノの状態を把握したり、制御したりできること。身近なところでは…
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さまざまな分野で世界をリードする ドイツの視点から日本、世界を眺める
(ライノルト・オプヒュルス鹿島 外国語学部 ドイツ語学科 教授)日本とドイツの現代文化について、思想、文学から大衆文化まで幅広く研究を行っています。なかでも力を入れているものの一つが、授業でも取り上げている、現代ドイツ映画の研究です。ドイツ映画全般の歴史や特徴はもちろん、個別の作品を詳しく分析することで、ドイツの社会や文化について考えていきます…
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患者と看護師の「ストレス」を理解し時代に求められるケアを追求する
(塚本 尚子 総合人間科学部 看護学科 教授)看護の現場では、「人間を理解する」ことが欠かせません。私の研究は、主に「ストレス」の側面から、患者、そして看護師自身への理解を深めていこうとするものです。まず、患者が感じているストレス。程度の差こそあれ、人は誰しも病気になります。このような不条理な状況に直面したとき、それとどう向き合い…
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「予防原則」という新たなアプローチで地球的課題を解き明かす
(堀口 健夫 法学部 地球環境法学科 教授)「地球温暖化」や「マグロ漁獲規制」など、国境を越えた環境保護や資源管理の問題を日々のニュースで見聞きする機会も多いと思います。私の研究テーマが、まさにそれです。国際法の観点からこれらの問題にアプローチし、解決に向けたルールや制度、さらに新たな枠組みについて考える。この研究が…
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連動する世界の諸問題に経済の視点から処方箋を提供する
(蓬田 守弘 経済学部 経済学科 教授)貿易というと、日本の自動車メーカーが海外に車を輸出するように、より優れた技術や高い生産性を有する国がそうでない国へ製品を販売する─ ─そんな連想をするかもしれません。しかし経済学では、別の見方も求められます…
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遺伝子に潜む“偶然”を見出し進化の道筋に光を当てる
(川口 眞理 理工学部 物質生命理工学科 助教)魚類が誕生したのは今からおよそ4億年前。進化の過程でさまざまに枝分かれし、その種類は確認されているだけで2万5000種に及んでいます。種の多さに比例して、生き残りをかけた繁殖戦略もさまざま。例えばマンボウは、子育てにはまったくかかわらない代わりに、数億個もの卵を産み落として稚魚の生存数を確保しています…
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360日の試行錯誤と5日の閃きが新しい発見をもたらす
(平野 哲文 理工学部 機能創造理工学科 教授)肉眼では見ることのできない極微な世界。そこでは、いったい何が起こっているのでしょうか?それを研究する「素粒子物理学」が、私の専門分野です。原子、原子核、陽子、中性子。高校生のみなさんも、授業で一度は「モノを細かくしていくと、どこまで小さくなるのか?」という勉強をしたことがあると思います…
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小説という「冒険」を通して人生の疑問に対する答えを見つける
(赤羽 研三 文学部フランス文学科教授)中世まで、ヨーロッパの人々には「こうすれば正しい」という明確な価値体系がありました。しかし、近代に入るとその価値はゆらぎ始め、人々はしだいに疑問を抱くようになります。「本当は何が正しいことなのか、自分はいったい何を求めているのか」。そうした「個人」を探求するための表現として発展していったのが「小説」です…
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さまざまな角度から 問いを投げかけて 世の中の声なき声に光を当てる
(渡辺 久哲 文学部新聞学科教授)メディアが示す数字には、時に人々の行動を変えてしまうほど強い力があります。もし社会的に影響力のある全国紙で「増税に7割が賛成」という記事が掲載されたらどうでしょう。読者の脳裏には7割の数字が焼き付き、「そんなに賛成がいるはずがない」と頭の中で情報を修正してもなお、最初に見た7割という数字を意識して行動してしまいます…
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作品の背景や言葉を丁寧に読み解き 物事の本質を突き詰めていく
(福井 辰彦 文学部国文学科准教授)上智大学国文学科の特色のひとつは、古典文学、近代文学、国語学、漢文学の各分野を、総合的に学べる点です。私はそのうち漢文学を担当しています。日本の言葉や文学を本質的に理解するには、その背景にある漢文学の視点を欠かすことはできません…
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小説にひそむ"家族のレトリック"を読み解けば物語はがらりと変わる
(永富 友海 文学部英文学科教授)"novel"という英単語に、「新しい」という意味があることをご存じでしょうか。イギリス小説は18世紀に始まった新しいジャンルの文学です。続く19世紀といえば、ヴィクトリア朝が世界で植民地支配を広げ、イギリスが最盛期を迎えた時代。右肩上がりの社会情勢を反映し、小説の世界でも多様なチャレンジが行われ、盛り上がりました…
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"常識"にとらわれず グローバルかつローカルに 世界を見据える
(赤堀 雅幸 総合グローバル学部総合グローバル学科教授)国際関係論、地域研究という2つの専門を並行して学ぶ総合グローバル学科の狙いは、世界を大局的に見据えながら、地域を知り、地に足の着いた思考をできるようにすることです。今後、多様化の進む世界で、例えば文化の異なる人と仕事を進めていくためには、語学力や異文化についての知識、国家間の関係を俯瞰する力ももちろん重要でしょう…
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「当たり前」を疑うことが社会や自分の成り立ちを知ることにつながる
(芳賀 学 総合人間科学部社会学科教授)例えば現代新宗教。多くの人はそれを自分とは関係ない、特別な存在と思っているかもしれません。しかし、宗教とは広い意味で「何かを信じ、そこに生きる意味や価値を見出すこと」──。そう考えれば…
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異文化間の接触場面におけるさまざまな問題をひも解く
(リサ・フェアブラザー 外国語学部英語学科准教授)皆さんは、友人を映画に誘うとき、どんなふうに声をかけますか?まずは「今度の週末、空いてる?」などと、相手に予定が入っていないことを確認してから、「実は見たい映画があるんだけど、一緒にどうかな」と…
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インターネット上の膨大なデータがマーケティングを変える
(新井範子 経済学部経営学科教授)いま、あらゆる商品やサービスのつくられ方が大きく変わってきている——。インターネットマーケティングの分野で研究をしていると、そうしたことを実感します。理由の一つには、送り手と受け手の関係がフラットになってきていることが挙げられるでしょう…
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一生の強みとして使えるレベルまでロシア語の力を磨き上げる
(ラティシェワ・スベトラーナ 外国語学部ロシア語学科准教授)いわば「絶対音感」を備えているように、ロシア語をはっきりと聞き取ることができる──。カリキュラムで目指しているのは、例えばそのような力を学生たちに修得してもらうことです。…
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実践的なスペイン語力と言葉の背後にある思想を身につけ新しい視点を手に入れる
(アントニオ・ルイズ・ティノコ 外国語学部イスパニア語学科 教授)外国語学部では、各学科の専攻言語と、言語や言語圏に関わる専門テーマを学習します。2年生までは専攻言語を徹底して訓練。単に語学を学ぶだけでなく、講読の授業では南米の神話を取り上げるなど、スペイン語圏の思想に触れたり、現地の情報を得られるよう工夫しています…
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自分とはどんな物語なのか?それを探る手がかりは文学の中にある
(佐藤朋之 文学部ドイツ文学科 教授)いつの世にも、その時代だからこそ生まれた「物語」があります。18世紀から19世紀にかけてのドイツでは、「ロマンチック」という概念を掲げた作家が多く登場しました。彼らの特徴は、均衡や調和を重視する「古典主義」に対して、神秘的なものへの憧れをテーマとしていたことです。…
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参加型、体験型の授業などによって新たな自分を発見する
(田中治彦 総合人間科学部 教授)「この村の学校はお金がなくて困っています。あなたの寄付があれば、もっと子どもたちに教材や道具を買ってあげられます。どうか学校のために寄付してください。アイコ ナカムラ」もし、あなたが開発途上国でこんな看板を見つけたら、寄付するでしょうか?…
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400年前からいまの課題を解決するためのヒントを抽出
(川村信三 文学部 教授)いわゆる「織豊政権」から江戸時代にかけての16・17世紀という時代は、ヨーロッパから渡来した宣教師がキリスト教を日本にもたらし、大きな影響を及ぼしました。私が扱っている研究テーマの中心は、この「キリシタン史」です。 その背景には、もちろんキリスト教の歴史、そしてヨーロッパの歴史がありますし、さらには、受け入れる側である日本社会の歴史があります…
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グローバルな環境で専門性を磨きながら英語で意見を発信する術を学ぶ
(小阪みちる 国際教養学部 助教)私がマクロ経済、特に国際金融を研究していきたいと考えるようになったのは、大学3年生のとき、アジア通貨危機について書かれた研究書を読んだことがきっかけでした。例えばある貿易会社が、海外市場や為替の動向を見ながら何をどれだけ輸入するかを決める…
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作り手の意図」をしっかり認識することがメディア・リテラシーの習得につながる
(碓井広義 文学部新聞学科 教授)「今こうして行っている授業の様子を映像で伝えようと思えば、最低3つのシーンを撮ればいい」。メディア論や映像制作が専門の私は、学生たちによくこんな話をします。具体的には、まず講義をしている私のカット、次に教室全体、そして授業を受けている学生のカットです…
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生活する上で誰もが関わりをもつ法について理解を深める
(永野仁美 法学部法律学科 准教授)私が担当している「社会保障法」は、誰もが知らないうちに関係をもつ、とても身近な法律です。病気になれば医療保険を利用して医療サービスを受け、子どもがいれば児童手当をもらい、歳をとれば年金を受け取る。その仕組みを定めているのが、社会保障法です…
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日本語、日本の文学・思想を新しい読み方で分析し 「思考」と「感覚」を同時に鍛える
(小林 幸夫 文学部国文学科 教授)私たちが日々使っている日本語と、日本語で書かれた文学や思想、そして日本文学に大きな影響を与えた中国の文学と思想、これらを国文学科で総合的に学ぶ意義はどこにあるのでしょうか…
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理論と現実の接点に身を置きながら「不思議なパズル」を解く喜び
(中里 透 経済学部経済学科 准教授)最近、「アベノミクス」が内外の注目を集めています。バブル崩壊後、日本は長期にわたる経済の低迷とデフレ(持続的な物価の下落)に苦しんできましたが、大胆な金融緩和と機動的な財政出動、それに民間投資を引きだす成長戦略によって、「デフレ脱却」が実現できるのではないかとの期待感がその背景にあるようです…
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初めて直面する課題を解決に導く文学を繙く経験が、その土台をつくる
(小林 章夫 文学部英文学科 教授)皆さんは英文学、とくに「詩」というと、どんなイメージを思い浮かべますか。おそらく、恋愛を題材とした作品などが多いのではないでしょうか。しかし私の講義で主に取り上げる18世紀の詩は、そうしたものではなく「風刺」がほとんど。他者への悪口、社会に対する憤り…
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「適応と抵抗の言語」フランス語の視点から政治と宗教を考える
(伊達 聖伸 外国語学部フランス語学科 准教授)フランスの公立学校では、イスラム教徒の女性が身に着けているスカーフやヴェールは外さなければなりません。その理由として持ち出されるのが「ライシテ」です。日本語に訳すなら、政教分離、非宗教性、世俗主義などの言葉が浮かびますが、フランスの長い歴史に根差しているだけあって翻訳は必ずしも容易ではありません…
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現代社会でも重要な「問いを問う」力。哲学的思考が新たな価値観をひらく
(寺田 俊郎 文学部哲学科 教授)あらゆる物事を自由に“問う”ことができる。これが哲学の大きな特徴の一つです。例えば皆さんは、「友情とは何か」という問いを真剣に考えたことがあるでしょうか。一見分かりきったことのように思えるこうした問題も、実は哲学の重要なテーマ…
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社会福祉、それは社会を変革する原動力でもある
(大塚 晃 総合人間科学部社会福祉学科 教授)社会福祉−。皆さんはこの言葉から、いったい何を連想するでしょうか。ボランティアやNPO活動、社会福祉士などの資格…。いずれも社会福祉を支える重要な要素に違いありません。では、もう一つ忘れてはならないこの分野の基盤とは何でしょうか。それは、制度や政策にもとづく仕組みです…
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これまでとは異なる新たな視点で世界を見つめるツールを手に入れる
(子安 昭子 外国語学部ポルトガル語学科 准教授)2014年のサッカー・ワールドカップ、16年の夏季オリンピックなど、ブラジルでは今後数年間、国際的なビッグイベントが目白押しです。その背景には、いったい何があるのでしょうか?例えばそれを探ることも、ポルトガル語学科で取り組むべき研究の一つといえるでしょう…
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文化とは博物館に保存されているものではなく今生きている私たち自身が文化そのものなのです。
(エレーナ・ガジェゴ 外国語学部イスパニア語学科 准教授)私は、明治、大正、昭和の日本の文芸作品をスペイン語に翻訳し、お互いの文化を比較する研究をしています。これまでに、武者小路実篤の『友情』、森?外の『高瀬舟』『山椒大夫』『最後の一句』などの作品をスペイン語に翻訳してきました…
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人類の「未知」を明らかにしていくそれが大学という場所
(岡田 隆 総合人間科学部心理学科 教授)人間の頭の中をバラバラに解体しても、どこにも「こころ」というモノはありません。しかし、なんだかフワフワしたような存在ではなく、心はすべて脳の働きに対応している、すなわち「脳の働きが心である」と仮定すると、例えば私の主な研究分野である「記憶する」や「学習する」といった行動の前後で、脳にはなんらかの変化が起こっているはずです…
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19世紀フランスの激変を背景に文学の歴史を変えたボードレール
(吉村 和明 文学部 フランス文学科 教授)フランスの韻文詩には、一行の音節の数をそろえるとか、ある定式に従って韻をふむとかといった、非常に厳格なルールがあります。そのルールを破って形式にとらわれない自由で斬新な散文詩を書き、それ以降の作家に道を拓いたボードレールは、事実上散文詩の創始者といっていいでしょう…
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思考のツールでもある言葉の奥にある「謎」を追求する
(高橋 亮介 外国語学部 ドイツ語学科 准教授)私の専門は言語学で、特に語彙の意味と使われ方の関係を体系的に研究する語彙意味論が中心。この分野に対する関心のおおもとをたどっていくと、中学校の英語の授業で抱いた素朴な疑問を思い出します。「私は彼の宿題を手伝った」を「I helped his homework.」と訳したのですが、結果は間違い…
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常識を疑うことから、社会学は始まる
(田渕 六郎 総合人間科学部 社会学科 教授)社会で起きている物事に対し、「常識」とは違う視点から考える。これが社会学の特徴だと思います。私の専門である家族を例に取ると、「家族とはこういうものだ」という「常識」を私たちは持ちがちです。家族を社会学的に考察するためには、そうした「常識」を疑うこと、問い直すことが求められます…
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自ら思考を徹底して検証することで得られる「知的なタフさ」
(澁谷 智治 理工学部 情報理工学科 准教授)皆さんは周囲が騒がしい雑踏のなかで話の内容を正しく相手に伝えたいとき、どうするでしょうか。例えば大きな声で話をする。シンプルですが、そんな工夫をするでしょう。実は、携帯電話やインターネットで使われるデジタル信号の世界でも、情報を正しく伝えるため、さまざまな工夫がなされています…
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矛盾・退屈を恐れない、ゲーテの言葉にはあらゆる事象に通ずる真理がある
(髙橋 明彦 文学部 ドイツ文学科 教授)ゲーテの作品には「どうすれば人生を気持ちよく生きられるのか」という問いにつながるヒントが散りばめられているので、難しく読むのではなく、そうしたエッセンスを感じながら作品を楽しむことを目指しています。伝統的なドイツ文学研究の場では、ゲーテは教養主義的なイメージをもたれることもありますが、最近は少し見方が変わってきました…
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暮らしの環境を守るために何を変えていくべきか
(筑紫 圭一 法学部 地球環境法学科 准教授)環境を十分に保護するには、どのような法理論や法制度が必要なのか。私が担当している「生活環境法」の講義で扱う内容でいいますと、例えば「廃棄物処理法」という住民の生活環境を守るための法規制があります。しかし、業者のずさんな管理によって汚染物質が漏れ出し、健康が脅かされてしまう…
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時代が求めてるのは家族の「強み」を見極め引き出す看護
(山崎 あけみ 総合人間科学部 看護学科 准教授)長い間、看護の対象は主として患者本人だけに限られてきました。しかし、いま患者とその家族を一体としてケアする「家族看護学」の視点と実践が重要性を増しています。なぜでしょうか?誰かが病気になれば、当然その家族が受ける影響も無視できません。一方、家族の状況や言動もまた、患者の健康回復に大きく影響します…
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おとぎ話を理論的に読み解くことで「クリティカル・シンキング」を身につける
(小川 公代 外国語学部 英語学科 准教授)授業のひとつで、英語で書かれた物語を理論的に(精神分析理論、ジェンダー理論、批判理論を使って)分析していく、ということを行っています。誰も がその内容を知っていて、欧米でもさまざまな研究がなされているおとぎ話は、英語で物語を批評することに慣れたり、その分析手法を身につけたりするのに、とても適した素材なんです。例えばグリム兄弟の「赤ずきん」…
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誰もいない教室で生徒の顔を思い出す、そんな教師の行為の中に教育の原理があるのです
(奈須 正裕 総合人間科学部 教育学科 教授)私は上智大学に就任する前、国立教育政策研究所という文部科学省の直轄研究所に勤務し、そこで教育現場の具体的な事例を通して理論化する仕事をしていました。 例えば、小学校の45分間の授業を分析し、教師がひとつの質問をする背後にどんな思考過程や専門的知識構造があるのか、また一人の子どもの思考や感情はどう変化するのかなどをピックアップして…
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「祟り」と呼ばれるものの多くは、社会全体の不安を抑える物語として生まれた
(北條 勝貴 文学部 史学科 准教授)一般に祟(たた)りというと、近世の怪談や、近年のホラーブームの影響で、恐怖の対象としてのみ紹介されていますが、元々は、何か人間にとって説明がつかない天候不順や災害、疫病などが発現したときに生まれてきたものだと考えられます…
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「平和」とは戦争だけでなく貧困や差別、環境破壊のない世界
(小山 英之 神学部 神学科 准教授)私は「平和学」や「民族関係論」という科目を中心に授業を担当しています。「平和」とは、単に「戦争がない」状態を指すだけではありません。一人ひとりの人間が大切にされて、自然環境との調和の中に生きていくこと。つまり平和学とは、貧困や社会的差別、民族紛争、環境問題など幅広い領域にわたる学問 といえます…
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見えない世界を見えるようにするそこから新しい科学が誕生する
(南部 伸孝 理工学部 物質生命理工学科 教授)目に見えないミクロの化学現象を、あたかも目に見えるようにシミュレーションする。私たちの研究室では「環境」「生命」「物質」の各フィールドで、高度なコンピュータ計算を用いた独自の仮想実験に取り組んでいます。例えば温室効果ガスの一つといわれ、排気ガスなどに含まれるN2O(亜酸化窒素)…
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大きな力を秘めた隣国・ロシアの企業研究を通じ政治・経済の動向をつかむ
(安達 祐子 外国語学部 ロシア語学科 准教授)目覚ましい経済発展を見せるBRICs諸国の一角として、世界から注目を集めるロシア。しかし日本人にとってはまだ遠い国のようで、2008年に内 閣府が実施した調査でも、「ロシア人に親しみを感じる」とする人の割合はわずか13%にすぎません…
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「会計情報」のグローバル化が加速する今 次は情報を使う技術が焦点となる
(西澤 茂 経済学部 経営学科 教授)私の専門分野である「財務会計」で扱う書類はいわば“企業経営の成績表”です。儲かったのか、損したのかを示す。あるいは負債や資産の内容など、企業外部の利害関係者(株主・投資家・税務当局など)に業績を伝えることを目的としています…
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私たちにはさまざまな国際貢献への道がある
(江藤 淳一 法学部 国際関係法学科 教授)最近、南シナ海をめぐる紛争のことが新聞やテレビでよく報道されています。これは中国とベトナム、フィリピンなどのアセアン諸国との紛争であり、日本はその直接の当事者ではありません。しかし、この海域は日本にとってきわめて重要な海運航路であり、この海域の平和と安定は日本にとって死活問題です…
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