YOLスペシャルインタビュー 上智人が語る日本、そして世界

30歳以下の若者が集うY7サミットに参加

エミール・イルマズさん
理工学専攻グリーンサイエンス・エンジニアリング領域(博士前期課程1年)

エミール・イルマズさん 理工学専攻グリーンサイエンス・エンジニアリング領域(博士前期課程1年)

 5月、伊勢志摩で開かれたG7サミットに先立ち、4月30日から5月3日にかけてY7サミットが東京で開催されました。Y7では先進7カ国からG7の議題に精通した30歳以下の若者が国際問題について話し合い、解決への共通見解をG7首脳陣に提言しました。大学院理工学専攻グリーンサイエンス・エンジニアリング領域で学ぶ留学生のエミール・イルマズさんは、トルコ出身のオブザーバーとして参加しました。

 会議では、主に国際安全保障について多くの意見を求められました。イルマズさんは「トルコが、隣国シリアから多くの難民を受け入れることによって生じる問題に焦点を当てるのではなく、共存により深みを増す自国の文化に価値を見出したい」と語りました。テロをイスラム教や中東諸国と強く関連付ける意見を受けた際には、「そのような解釈はあてはまらず、知識や教養の不足こそがテロの根源であり、教育が問題解決への鍵ではないか」と述べたところ、参加者間で活発な議論が交わされたそうです。

 トルコ北西部のイズミットという町で生まれ育ったイルマズさんは、1999年に地元を襲った大地震により隣の大都市イスタンブールに家族全員で移り住むことを余儀なくされました。その経験もあり、日本の震災は他人事とは思えないといいます。

 根っからの親日家であるイルマズさんは、自国で初めて口にした和食や、本で読んだ日本の歴史や文化に魅了され、いつか必ず日本を訪れたいと願っていたところ、大学3年の時に半年間日本に交換留学する機会を得ました。日本の一番の魅力は、成熟した文化と最先端の技術の共存だと話します。

 大学卒業後は、エンジニアとして地元の米国車メーカーに就職。知識を高める必要性を痛感し、その場を日本に求めて留学フェアに参加しました。その時に手に取った上智大学のパンフレットがきっかけとなり、機能創造理工学科の鈴木隆教授に送った一通のメールが、上智で学ぶ機会につながりました。

 現在は、エネルギー効率が飛躍的に高いディーゼルエンジンの開発に携わっています。複数の日本車メーカー協力のもと、他大学とも共同で行われる一大プロジェクトに大変やりがいを感じていると目を輝かせていました。

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