桜の聖母学院小学校 5年
まだ覚えている、あの変なきん張感と悲しいふんい気を。一月十七日この日は、ぼくの曽祖母の命日だ。ぼくの家では、祖父と母が朝、たまに市場へ行く事がある。そのため、祖父と母が市場へ行く日の朝食の準備は、曽祖母がしてくれていた。
一月十七日その日も、祖父と母は市場へ行っていたので、曽祖母が朝食の準備の日だったが、ぼくは曽祖母が朝食の準備をできると思っていなかった。なぜなら、最近、曽祖母は体調がすぐれなかったからだ。しかし、曽祖母はベッドから出て朝食の準備をしていたのだった。ぼくは、とてもおどろき、とてもうれしかった。ぼくは、曽祖母のサポートをしようと、何をすればよいか聞き、手伝った。ぼくは、曽祖母の作る料理がとても好きだった。中でも特に、野菜炒めが好きだった。この野菜炒めは、肉がたっぷり入っていて、とてもおいしく、なぜか食べていると安心して落ち着く味がした。この日も、曽祖母と協力しながら野菜炒めを作った。曽祖母と一しょに作った野菜炒めは、今まで作ってもらってきた物の百倍いや千倍美味しかった。そして、その夜母が曽祖母に飲み物を届けに行き、母は青ざめた顔で祖父を曽祖母の部屋へつれて行った。それから、何やらあわただしくする母と祖父にぼくは、何となく気付いていたが、何かできるわけでもなく立ちつくしていた。数分後、親せきの人がどっとやって来て、救急車もやって来た、ぼくらは、自家用車で病院へ向かったが、曽祖母がまた息をする事はなかった。病院の一室にただよう、変なきん張感と悲しいふんいきに混乱し、気付いたら変な汗をかいていた。
まだ覚えている、なぜか安心して落ち着く野菜炒めの味を。そして、今のぼくには、なぜ野菜炒めを食べると安心し落ち着くのかが分かる。