西宮市立南甲子園小学校 3年
広しま出しんの父と、かん西出しんの母は、おこのみやきのことでいつもけんかをします。父のおこのみやきは、細く切ったキャベツの上にぶたややきそばをのせてやいたものです。母は、キャベツを小さく切って、ほかのぐとまぜてやいたものを、おこのみやきと言います。
休日になると、父がおこのみやきを作ってくれます。やきそばが入っていて、私は大すきです。でも母は、父の作ったおこのみやきを“広しまやき”とよんで、「おこのみやきじゃない!」と言います。父は、「かん西のも広しまのも、おこのみやきでええやんか!」と言いますが、母はぜったいにみとめません。
私は、父の作るおこのみやきがきらいなのかと母に聞いてみました。すると母が、ないしょでこんな話を聞かせてくれました。二人がけっこんする前、家にあそびにきた父が、母の家族ぜんいん分の広しまやきをホットプレートでやいてくれたそうです。あせだくになりながら、九まいもやいてくれた父を見て、この人とけっこんできたらいいなと、母は思ったそうです。そしてじつは、母は広しまやきの方がすきだということも教えてくれました。
父は母が作るおこのみやきがすきで、母は父が作るおこのみやきがすきで、私はどちらのおこのみやきも大すきです。母のないしょの話を聞いてから、私は気づいたことがあります。それは、二人がおこのみやきのことで言い合っていても、ニコニコしていることです。かん西のおこのみやきも、広しまのおこのみやきもりょうほう食べられる私はラッキーで、二人の子どもに生まれて本当によかったと思います。