智辯学園和歌山小学校 5年
単身ふ任をしている父が週末に帰ってきて月曜日の早朝にお仕事に行くので、私の家ではいつも日曜日の夜に母が父のためにおかずをまとめて作ります。煮物に焼き物、解凍して食べることの出来るおかずなど様々です。母はよく笑いながら週末になるとおせち料理を作っている見たいね。と言っています。私は台所からのおだしのいい匂いをかぎながらお勉強をしたり本を読んだりしています。
時々、母が「お味見する?。」と言って出来たてのおかずを小皿に入れて持ってきてくれます。どのおかずもやっぱり出来たてほやほやは最高です。そして最後にたきたてのご飯を冷凍のできるタッパーにつめるころになると、「おにぎり食べる?」と聞いてくれます。私は夕ご飯を十分に食べていますが、「おにぎり」というフレーズには負けてしまいます。お塩だけつけたおにぎりも好きですが、おしょう油を少しくぐらせて表面だけ焼いてくれた焼きおにぎりも大好きです。
母が全てのおかずをつめているのを見ながら、明日からまた父がいないと思うといつものことですが心が少しさみしくなります。出来た出来たとうれしそうにうれしそうにつめている母も私には少しさみしそうに見えます。私には母も愛犬のケリーもいるのですから一番さみしいのは父のはずです。そんなことも考えながらお味見用に入れてくれたおかずと、おにぎりをやっぱり美味しいなぁと思いながら食べています。
私にとって日曜日の夜はもう何年も同じですが今だに言葉にするのが難しい時間です。お台所から聞こえてくるお料理を作る音、おだしのいい匂いの中、また明日からがんばろうと思う時間です。いつかまた家族みんなで暮らせるようになったら私が父にたきたてのご飯で美味しいおにぎりを作ってあげようと思います。「私のおいしい記憶」は今も現在進行中です。