豊島区立駒込小学校 3年
「今日は、のっぺだ!」 具には、さといも、人じん、ホタテ、とり肉、ごぼう、れんこんがはいります。おつゆがある「のっぺいじる」ではありません。おつゆは、はいっていません。のっぺは新がたの地元料理です。母は新がたのしゅっしんです。ぼくは、のっぺが好きなので、母に「のっぺ、作ってよ」とたのみます。母は「明日ね」と言います。下ごしらえがたいへんなので、二回言うと作ってくれます。お正月に新がたに行きます。行ったとき、かならず、祖母に「のっぺ、作ってよ」と言おうとするけど、「のっぺ、っ・・・」くらいで、祖母は、台所に立って用意をしてくれます。ほししいたけを水にいれます。少し、お砂とうをいれると、早くもどるよ、と祖母が言っていました。さといもの皮をむき始めると、「あやちゃん、手伝わんかね。」と祖母が言うと、母がしぶしぶ立ちあがります。そのあと二人で、ごちゃごちゃ言いながら、人じんの皮をむいたり、ごぼうの皮をこそげおとしたりします。しばらくするとぷーんとおしょうゆのにおいがしてきます。でき上がったら、祖父に「なじらね」と、祖母が言うと、「あいよ」といって台所で味見をします。祖母ののっぺはとり肉はいれません。さけです。そして、ぼくがわったぎんなんもはいっています。のっぺを食べるときは、みんなで感そうをいいながら、食べます。
母と祖母の、のっぺのちがいは、とり肉か、さけか、と、味のこさです。祖母のは、味がこくて、野さいに味がしみていて、おいしいです。母のは、とり肉をいれてあります。味は、うすいけれど、それぞれの野さいの味がわかって、やさしい味で、おいしいです。
母のおいしい、のと、祖母のおいしい、のとは、くらべられません。