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- 教員の視点 「上智大学の教員が現代を語る」
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政界の「スクープ」はなぜ週刊誌から? ——メディアの役割分担と政治的中立
(音 好宏 文学部 新聞学科 教授)昨年の政界をかきまわした2つの大きなスキャンダル、甘利明経済再生担当大臣が辞任した収賄疑惑と、舛添要一東京都知事が辞任に追い込まれた政治資金不正流用疑惑は、いずれも『週刊文春』のスクープが発端でした。同誌の取材力には定評が…
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トランプ氏当選であらためて考える 民主主義とメディアのあるべき姿
(前嶋 和弘 総合グローバル学部 教授)あの日私は、コメンテーターとして呼ばれたテレビの特別番組のスタジオで、鳥肌が立つような衝撃とともにトランプ候補の勝利宣言を聞くことになりました。トランプ氏が勝った理由については、アメリカ社会の閉塞感や国民のワシントンへの不満がそれほどまでに…
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「貧困」と「障害者」――社会的弱者にまつわる報道を巡る二つの出来事
(水島 宏明 文学部 新聞学科 教授)日本でメディアが「貧困」の問題を扱うことがいかに難しいか。それを象徴的に示す出来事が、この8月に起こりました。「子どもの貧困」の実情を訴えるために、勇気をもってNHKのニュース番組の取材に応じた女子高生が、その番組もろともネットメディアの中で…
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100年前のカフカの「問い」をいまを生きる日本人にぶつけたい
(ジョン・ウイリアムズ 外国語学部 英語学科 教授)先ごろ、イギリスのEU離脱をめぐる国民投票のニュースが世界を駆け巡りました。私の両親兄弟の中でも意見が分かれたようですから、まさに英国が二分されたわけです。私自身は投票結果にたいへん失望しましたが、むろんその当否を論じる立場にはありません…
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18歳選挙をきっかけに、日本の教育を変え、社会を変える
(田中 治彦 総合人間科学部 教授)7月の参議院議員選挙(衆参ダブルの可能性もありますが)から、初めて高校生ら18歳の若者たちが投票に参加することになります。長らく選挙権年齢の引き下げを主張してきた私としては、これが日本の政治のリフレッシュ・活性化につながることを、大いに期待しています…
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現代社会で求められる宗教の役割と スピリチュアル・ケアを考える新しい大学院
(島薗 進 大学院 実践宗教学研究科 教授)3・11東日本大震災から丸5年が経過したこの春、各メディアがひときわ力を入れた特集記事や番組を通して、私たちは改めてその爪痕の大きさを思い知らされました。奪われた多くの人命、破壊された町や村といった目に見える被害だけではなく、生き残った被災者たちが負った、目に見えない心の傷もまた甚大なものでした。上智大学は震災直後から、「グリーフケア研究所」が中心となって…
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政治の世界でも女性が活躍できる日本へ 安全保障論議の盛り上がりをバネに
(三浦 まり 法学部教授)年明け早々、台湾総統選挙で民進党の蔡英文氏が当選、初の女性総統が誕生しました(就任は5月)。韓国の朴槿恵大統領、今秋の米大統領選で有力候補とされるヒラリー・クリントン氏とともに、国勢を引っ張る女性リーダーたちに囲まれる形となった日本に目を戻してみると、国会の女性議員比率ですら衆議院ではわずかに9.5%、これは世界平均22%の半分にも届かず…
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父の創った国軍に立ち向かうアウンサンスーチー
(根本 敬 総合グローバル学部 教授)アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したミャンマー(ビルマ)の総選挙の結果は、形の上で民主化したあとも事実上の支配力を保持している軍部を、政治・行政・司法の場から完全に排除したいという、国民の思いを明確に示すものでした。そして、同じくNLDが大勝しながら、軍が無視して幻と化した25年前の選挙と異なり…
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サッカーの魅力を入り口にポルトガル語圏へ
(市之瀬 敦 外国語学部 ポルトガル語学科 教授)ワールドカップ(W杯)2018ロシア大会に向け、地区予選が早くも始まっています。新たに日本代表監督に就任したハリルホジッチ氏は、旧ユーゴスラビアの出身。同郷のオシム元日本代表監督も僕は好きでしたが、東欧系の指導者は日本のチームに合っているという印象を持っています。だから、今度の日本代表に、かなり期待しているのです…
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箱根山で危惧される水蒸気爆発 その予知につながる研究とは?
(木川田 喜一 理工学部 物質生命理工学科 准教授)箱根山で群発地震が続き、5月はじめに大涌谷周辺の噴火警戒レベルが2に引き上げられました。観光地だけに立ち入り規制の影響は甚大だと思いますが、状況はなお予断を許しません。その後も、桜島のかなり大規模な噴火や、一昨年に噴火して形を変えた小笠原・西之島周辺での異変が相次いで報じられ…
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「アラブの春」から4年目の中東と日本——チュニジアの銃撃事件から考える
(岩崎 えり奈 外国語学部 フランス語学科 教授)日本人観光客からも犠牲者が出た銃撃事件が起こったのは、チュニジアの首都、チュニスのバルドー博物館でした。元は宮殿で、国会議事堂のすぐ隣にあり、まわりは閑静な住宅街です。私も昨年秋に訪れたばかりです。これまで、チュニジアでもテロがなかったわけではありません…
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