大谷大学は、鎌倉時代の仏教者・親鸞の思想に基づいた教育・研究を推進する大学です。自分の利益ではなく、他者の利益を求める「利他」の精神を大切にする人物を育てます。
2018年4月には、社会学部、教育学部を新設し、文学部と合わせた3学部体制に生まれ変わりました。これにより、本学の精神をさらにわかりやすく示し、教育活動の中で展開することができます。社会学部は、第一学年から具体的に地域に入って連携、活性化に取り組んでいます。調査やデータ管理、IT活用で必要になる情報系のスキルも重視した文理融合型の学部です。教育学部は、小学校・幼稚園教諭、保育士の資格取得を目指せます。文学部は、仏教・社会・歴史・文学など幅広い分野の基礎を固め思索する本学の教育の基盤となる学部です。いずれの学部でも他者に尽くす、他者を豊かにするという考え方は共通しており、仏教思想を学ぶ「人間学」の授業が初年次は必修となっています。
3学部体制の新たな本学を象徴するメッセージが「Be Real」です。二つの「実」、目の前の「現実」と、仏教で言う真理の姿「真実」という意味を込め、真実を求めながら現実に立ち向かう姿勢を表しています。さらに、学びの中で得られる知性は他者に寄りそうものであることから、「寄りそう知性」というサブフレーズを付け加えました。
メッセージ決定にあたっては、教職員からアイデアを募り有志で議論を重ねました。その過程で、大学の求めるものや目指す姿を改めて理解、共有できたのは非常に大きな成果です。学生たちにも浸透し、このメッセージを大切にしてくれることを願っています。
高校生の皆さんにとって、大学は学制上のおそらく最後の教育機関です。成績と照らし合わせて選ぶのではなく、一度ゆっくり自分の将来を考えてみてください。5年後、10年後、自分はどんな人間になりたいのか、どんな形で社会と関わりたいのか。たとえば、困っている子に寄りそえるような教員になりたい、過疎地域や福祉の分野で弱者に寄りそえる人になりたいなど、本学の理念に共感できるのであれば、ぜひ学びを通してそれを実践してください。競い合い、争い合い、勝ち上がることが人生の目標と考えられがちな今日、本当に世の中で必要とされているのはどのような人間なのか提示していくのは、仏教系大学としての責任でもあります。本学で学んだことに自信と誇りを持って卒業してもらえるような教育を展開していきたいと考えています。
学生の主体的で多様な学びを実現する新教室棟「慶聞館(きょうもんかん)」2018年4月にグランドオープン
音楽室や理科室、図工室など、小学校現場さながらの環境で学ぶことができる大谷大学に魅力を感じて入学を決めました。地元から京都に出て一人暮らしをする際、「ずっと習ってきたピアノの練習ができないのかな…」とさみしく感じていたのですが、ピアノのレッスン室の数が多く、いつでも練習できる環境が整っており、施設や設備面の充実に満足しています。授業では、教育理論から模擬授業・模擬保育といった実践的な学びまで、幅広い学修が用意されています。空き時間には、小学校や附属幼稚園のボランティアに参加することができるなど、現場にふれる機会もたくさん設けられています。
現在、採用試験に向けた勉強や面接練習では、教職支援センターがとても役立っています。アドバイザーの先生たちに悩みを聞いてもらえたり、時に厳しく指導をしてもらえたりします。加えて大谷大学では、独自の「人間学」の授業が必修です。「人とは何か」「人はなぜ生きるのか」ということを考えながら、新しい思考法・知識が得られるので、教員を目指す私にとって、人間としての幅を広げてくれるいい機会となっています。
同じ志をもった仲間と切磋琢磨しながら、子どもの可能性をたくさん引き出せる教員を目指し、学び続けていきたいと思います。
授業以外でも自由に個人練習ができる
文学部 教育・心理学科 4年
足立 夕桂さん
私は、京都市北区の山間地域にある中川学区でのフィールドワークに一年次から参加しています。聞き取り調査、地域清掃、サロン活動の三つを柱に中川地区で暮らす人々との交流を進めてきました。その中でも特に力を入れたのがサロン活動です。「学生と地域のみなさんが一緒に楽しみ、交流できる場」をコンセプトに、さまざまな企画を考案しました。春は写真立て作り、夏にはすいか割り、秋はハロウィンパーティー、冬にはクリスマスパーティーを開き、住民のみなさんに喜んでいただくことができました。
当初は、相手の話を聞くことの難しさや、地域のニーズに合った企画を考えることに大変苦労しました。でも、活動中に「いつも楽しいです、ありがとう」という言葉をかけてもらい、「今まで続けてきて本当に良かった」と、このプロジェクトの素晴らしさを実感しました。
また、大学入学までは、引っ込み思案で、人と話すことが得意ではなかったのですが、この活動以降、相手の話を聞き、自分の意見をきちんと伝えることができるようになりました。友人からも「お前、変わったな」と言われるようになり、自身の成長も感じています。
地域の人々との交流が成長につながる
文学部 社会学科 4年
小梶 洋平さん
小説、エッセイ、詩などを読んだり書いたりするのが大好きな人。在学中に小説や詩を創作するのに必要な技術・知識・集中力を身につけたい人。将来はライターや編集者など文章に関わる仕事をしたい人…。
大谷大学では、このような希望を持つ学生に向けての独自の学びとして、作家や新聞記者、雑誌編集者などを講師に招き、実際の仕事についてレクチャーを行う「文藝塾講義」と、小説の創作を目指し、表現力や構成力を磨く「文藝塾実践演習」の2科目を用意しました。
そしてこのカリキュラムの基点となるのが、今春新設された「文藝塾」です。講義や演習の聴講者でなくても、原則として自由に利用できます。書くこと、読むことが好きな学生の意欲を刺激する新しい拠点に、注目が集まっています。
慶聞館1階の開放的な空間の文藝塾
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