「第4次産業革命」が世界的な関心を集めています。それは大まかに言えば、Internet of Things(IoT)や人工知能(AI)などを駆使して生産効率を劇的に高める仕組みのことです。今のところドイツが国を挙げて取り組みを進め、世界を先導しており、日本でも動きが加速しています。実現すれば産業構造が激変し、産業界の在り方が一新されることは間違いありません。
その中で経済はどの様に動くのか、ビジネスはどの様に変わるのか、社会のルールは、国際関係は、あるいは地域の文化やコミュニケーションの在り方は…。変化はさまざまな領域に及び、その一つ一つに私たちは答えを出さなくてはならないのです。
京都産業大学はこの様な社会の変革を見据え、教育改革を一貫して行ってまいりました。2015年に迎えた創立50周年を機に、今日に至るまで新たな知の領域を創造してきました。19年度は国際関係、生命科学の両学部を新設し、経営学部を再編します。
改革を通して重視しているのが、知の交流です。外国語でのコミュニケーションの拠点として全学生が活用する「グローバルコモンズ」や、学生が“ともに学び合う空間”としての「ラーニングコモンズ」に加え、18年4月の情報理工学部の開設に合わせて、新たに学部横断型の「ファブスペース」を設置しました。電子工作に必要な最新機器を備えた空間で、次代を先取りする発想と交流の拠点を担います。
私たちは変革をリードする大学としての伝統を持っています。開学した1965年は、「象牙の塔」にこもることが大学教育の美徳とされたころでした。その中で「産業」を「むすびわざ」と読み解き、「学問と企業をむすぶ」ことを建学の理念としました。戦後に生まれた京都発の世界的企業のごとく、既成概念を打ち破るベンチャー精神を大切にしています。内外からさまざまな英知を集結させ、知の結び目を創り、オープンイノベーションの場となる「知のプラットホーム」を構築したい。全ての学部が一拠点に集まる総合大学だからこそ可能なチャレンジであり、常に新たな価値を創造し続けてきた私たちの使命だと思うのです。
時代を切り拓き、より豊かな社会を支え続けていける人材を「むすんで、うみだす。」ため、京都産業大学は改革を続けてまいります。
「むすんで、うみだす。」の拠点として、学部や専門の枠を超えてむすびつく“ワンキャンパス”
1989年、本学は日本の私立大学として初めて、生命科学に特化した工学部・生物工学科を開設。2010年には総合生命科学部を開設するなど、生命科学の拡大と進歩に対応してきました。しかし、その後も生命科学はさらに発展を続け、私たちの社会と密接かつ複雑に関連するようになっています。こうした状況に応えて新設するのが、「先端生命科学科」と「産業生命科学科」の2学科から成る生命科学部です。
先端生命科学科では、本学がこれまでも強みとしてきた実験科学的アプローチを重点として、分子や細胞から環境や生態に至るまでの幅広いレベルで生命のしくみを学びます。生命科学の知識と技術を通して社会に貢献する人材を育成します。
産業生命科学科では、社会科学的アプローチによる生命科学の新しい学びに重点を置いています。このため、文系科目中心の入試制度を新設します。生命科学と社会のむすびつきを見つけ出し、表現し、伝えることができる人材を育成します。
実験科学系と社会科学系の両輪をもつ生命科学部は、実験をしたい、とことん掘り下げたい、最先端を伝え分かち合いたい、世の中の役に立てたい、そういう意欲のあるみなさん、新しい学びに挑戦したいみなさんのご入学を心待ちにしています。
実験科学系と社会科学系の両輪をもつ生命科学部
生命科学部
佐藤 賢一教授(就任予定)
今、さまざまな問題がグローバルな視点なしには解決できなくなっています。今後、時代の可能性を掴み、自らが思い描く生活を送るには、人生を取り巻く環境、すなわち「現代世界システム」に関する知識が必要です。
そうした次代の要請に応え、新設の国際関係学部では、国家・国際機関・多国籍企業・大学・世帯・個人などの相互的な関係性を、「政治」「経済」「共生」の三つの観点から学びます。
1、2年生で討論・プレゼンテーションに必要な英語力や、批判的思考を養います。ステップを踏んで基礎を固めながら、英語だけで行う講義、実践科目の履修を進めます。必修の「海外フィールド・リサーチ」では、アジア3か国と英語圏4か国の中から滞在先を選び、3週間の現地研修を行います。具体的な課題を見つけ、自分の関心を掘り下げる機会です。「国際キャリア開発リサーチ」の授業では、NGOや企業でのインターンシップを体験。学んだ知識を、現場に出て実践的なスキルに高めます。
理論と実践が融合された4年間のカリキュラムで、将来をはっきり見通す力がつくことでしょう。人生を切り拓くための幅広い学びが、国際関係学部にはあります。
グローバルな視点で課題を解決する学びを展開する国際関係学部
国際関係学部
マコーマック ノア ヨシナガ教授(就任予定)
情報理工学部の開設に合わせて、2018年4月「ファブスペース」がオープンしました。ものづくりや電子工作を通して、技術力や発想力、デザイン力を養成できる学びの場です。電子工作に利用する電子パーツ類や基板加工機、3Dプリンタやレーザーカッターなどのデジタルファブリケーション機器など、最先端の機器類を備えた理想的な空間となっています。授業やゼミはもちろん、その他課外活動でも利用することができ、簡単なスマホスタンドから、複雑な電子デバイスやアクセサリまで、さまざまなものを自由に製作することが可能です。製作物を動かすためのプログラミングや電子制御まで試せることも大きな特長で、製作を進めながらIoTやロボットの仕組みについての理解も深まります。
技術の応用・開発を通じて、学生の教育・研究の充実を図る場として活用される
「Benesse マナビジョン」資料請求画面にジャンプします。(別ウィンドウで開きます)
※「Benesse マナビジョン」は、(株)ベネッセコーポレーションが管理・運営するインターネットサイトです。提供する情報・内容などの著作権は、(株)ベネッセコーポレーション、および原著作者に帰属します。