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2013/02/04

父母・保護者の立場から学生と大学を支援
54年の伝統を誇る「育友会」

 専修大学には、大学の持続的な発展や学生の育成を支援している組織がいくつかある。その一つが、一部学部の全学生の父母・保護者からなる「専修大学育友会」だ。成り立ちや活動内容について、平成24年度会長の渡邊 信氏と、教員の立場から活動に携わる同会主任教授の庄 菊博 法学部教授に話を聞いた。

全国の父母・保護者と大学を結ぶ架け橋に

 専修大学育友会は、在学生の父母・保護者からの「大学と父母・保護者を結ぶ会がほしい」という声を受け、昭和33年に設立された。主な活動目的は、父母・保護者の立場から大学の発展と学生の成長をサポートすることや、父母・保護者同士の親睦を図ること。現在、神田キャンパスにある本部のほか全国に67支部があり、会員数は約1万7000人にものぼる。

 「この会員数は、大学の父母・保護者の会としては日本有数の規模だと思います。各支部でさまざまな行事を主体的に行うなど独自性が高いのも特徴で、大学の協力を得ながらも、父母・保護者や教職員の思いが直接的に活動に表れる、いわば草の根から湧き上がっている会と言えるでしょう」(渡邊会長)

 その“草の根”を象徴しているのが、毎年夏期休暇中に各支部の主催で開催されている「支部懇談会」だ。父母・保護者同士の交流の場としてはもちろん、大学や学生の近況がわかる場としても人気が高く、各会場には大学の教職員が出張。大学の近況、学業や学生生活の様子、就職などについて説明するほか、単位修得状況や海外留学、資格試験といった個々の相談に応えるため、父母・保護者との個人面談も行っている。

 育友会の主任教授を務める庄教授も、毎年この懇談会に出張する一人。最近は就職や心の病に関する相談も増えているそうで、「離れて暮らすお子さんのことが気にかかるのは当然ですから、できる限りきめ細かくお応えできるよう心がけています」と語る。面談だけで解決できない場合は、父母・保護者からの相談事項を一旦大学に持ち帰り、担当部署から連絡が行くようシステム化されている。この育友会では、本部や支部の役員とともに教職員も、父母・保護者と大学を結ぶ架け橋の役割を担っているのだ。

就職懇談会や独自の奨励賞制度も実施

 父母・保護者を対象とした「就職懇談会」も活動の大きな柱となっている。

 企業の人事担当者を招いた講演、就職内定者やOB・OGによる体験談、大学の就職担当者による指導方針や支援体制の紹介などが中心で、年に1回東京で開催されている。

 「就職に関するアドバイスや登壇者との質疑応答もあり、父母・保護者の方々が学生を連れて参加することもあります。開催地は東京ですが、地方在住の会員にもしっかりと情報が伝わるよう、毎夏開催の支部懇談会でDVDを上映したり、大学の就職担当者を派遣していただいたりしています」(渡邊会長)

 そのほか独自の奨励賞制度も設けており、昨年度は全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)で初出場・初優勝を成し遂げたサッカー部などに奨励賞を授与。また、育友会が図書購入を助成する「育友文庫」を図書館に設けているほか、サークルや学生主催行事への費用援助、会報「育友」の発行、奨学生制度なども実施している。

 平成20年には育友会創立50周年を記念して作家の志茂田景樹氏に執筆を依頼し、専修大学の創立者4人の軌跡を描いた青春歴史小説「蒼翼の獅子たち」(河出書房新社)を刊行。平成22年には大学創立130周年を記念して、明治期に神田キャンパスの正門であった「黒門」を100年ぶりに復元した。現在は校歌・応援歌集のDVDを製作中で、来年度の新入生の父母・保護者に配布する予定だという。

 平成23年3月に起きた東日本大震災の際には、被災した学生が学業を継続できるようにと育友会震災救済支援金を拠出。現在もなお各種会合では募金箱を準備して、被災した学生の経済援助に努めている。大学と学生のためにという目的のもと、全国の父母・保護者が一体となって活動する──。この一体感こそが、専修大学育友会の大きな魅力と言えるだろう。

学生たちの笑顔が原動力に

 多くの年間行事や独自の制度を実施し、支援を必要とする学生がいれば迅速に対応する。こうした活動には苦労も伴うはずだが、何が原動力になっているのだろうか。渡邊会長は「学生の喜ぶ顔が見られること。それが私たちにとって最大の喜びです」と言う。

 「例えば育友会では、学生が出場するスポーツの試合などにみんなで応援に行くこともあります。学生が声援に応えて笑顔を見せてくれたときはやはり喜びを感じますし、活躍する姿から勇気をもらうことも少なくありません。また、学生や会員との交流も大きな楽しみになっています」(渡邊会長)

 「父母・保護者の方々には、ぜひ育友会の活動を楽しんでいただきたいですね。育友会の会員は専修大学の卒業生でなくとも、卒業生からなる校友会や大学とともに『オール専修』の一員です。私も父母・保護者の皆さんと一緒に、大学や学生を支え続けていきたいと思います」(庄教授)

 設立から54年に及ぶ歴史の中で、育友会は創立者の理念や学生支援の方針を守り伝え、大学との絆を育んできた。これまでの活動や思いを次の代へと引き継ぐことは、自分の子ども、すなわち次の世代を育てる親としての喜びにも重なる。育友会で活動するうちに専修大学の歴史や建学の精神を知り、大学に思いを寄せるようになった父母・保護者も多い。

 「私たち父母・保護者にとって専修大学は第二の母校です。社会に報恩奉仕するという建学の精神は、現代社会においても非常に大切なもの。育友会は、この理念を体現している専修大学とその学生を、今後も支援し続けていきたいと思います」(渡邊会長)

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