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2013/11/05

専修大学の「学び」が変わる
学士課程教育に新たな風

 2014年4月、専修大学が大きな変化を遂げる。従来は教養科目・専門科目の二つの科目群から成っていた1~4年生のカリキュラムを、転換教育、導入教育および教養教育・専門教育の三層構造からなる四つの課程に再編成。学部の枠を超えた全学規模での改革は、専修大学の長い歴史の中でも極めてまれなことだ。その内容や改革に込められた思いを紹介する。

転換教育課程と導入教育課程が誕生

 大学の教育課程は、一般的に、学問の基礎を学び人間力を養う低年次生むけの「教養科目」と特定の分野を専門的に学ぶ「専門科目」とに分けられる。大学での学部段階の4年間は、大学院における修士課程や博士課程に対して「学士課程」と呼ばれるが、今回専修大学はこの部分を大きく改革した。

 では、その内容を見てみよう。主なポイントは五つ。まず一つ目は、大学での学び方を知るための「転換教育課程」を1年次に新たに設置したこと。ここでは、大学で学ぶ意義や大学の歴史、レポートの書き方などを教え、論理的思考力の涵養を図る「専修大学入門科目」を少人数制で実施し、学生が高校から大学生活へとスムーズに転換できるように導く。

 二つ目は、大学での学びの基礎を固める「導入教育課程」を同じく1年次に新たに設置したこと。専門分野へつながる専門入門ゼミやキャリア入門、基礎自然科学、外国語基礎科目群などの「専修大学基礎科目」を通して、大学や社会で求められる基礎力を養うことが目的だ。

 三つ目は、従来の教養科目を「教養教育課程」として再編し、科目を強化したこと。科目群を人文科学基礎関連科目・社会科学基礎関連科目・外国語系科目・自然科学系科目・保健体育系科目の五つの系統に分け、新科目も追加して、前述の基礎科目で興味を持った分野をより深く学べるようにした。専門科目とは異なる分野を学ぶことで、学生はより広い視点で研究に取り組めるようになるだろう。

 四つ目は、この教養教育課程と専門教育課程を結ぶ「融合科目」を設けること。複数の学問分野にまたがる学際科目や新領域の科目などが設置される。

 五つ目は、従来の「専門教育課程」の科目をさらに充実させたこと。科目配置も基礎から応用、発展的内容へと無理なくつながるよう工夫し、着実に専門性を高めていけるようになっている。

専修大学 新・学士課程教育 専修大学 新・学士課程教育<PDF>

4年間を通して社会に通用する能力を育む

 五つのポイントをざっと見渡すと、大学での学びが体系的・有機的に展開されていることに気づく。専修大学に入学すると、どの学部の学生もまず始めに入門科目と基礎科目を履修することになる。この授業で、大学で学ぶことの意義やその手法、自分の興味の方向性などを知り、その上で次のステップに進むのだ。

 次のステップでは、教養・専門の二つの教育課程が待っている。教養科目と専門科目は異なる性質の科目としてとらわれがちであるが、改革後はそれぞれの特色は残しつつ、有機的に連携。いずれも大学生として必須の広い視野と専門的知識を同時に伸ばしていくことができるようになる。

 一人ひとりの将来につながる学びへ──。専修大学の新しい学士課程教育が掲げるスローガンだ。この言葉からは、専修大学が学生の「その後」を見据えていることがよくわかる。大学での学びは卒業と同時に終わるが、その真価や成果が問われるのは社会に出てからだ。

 改革に携わった全学カリキュラム協議会委員の一人は、「今の学生は、私たちが学生だったころに比べてより厳しい競争社会を生き抜いていかなければならない。そのためには、学部や専攻にかかわらず、大学の4年間で社会に通用するだけの能力を身につける必要があります」と語る。

 大学での4年間を通して身につけるべきことは、特定の分野に対する知識だけではない。理解力や判断力、新しいことを学ぶ姿勢、問題を自ら解決する能力といった「人間力」を身につけることも重要なのだ。こうした考え方は、専修大学が21世紀ビジョンとして掲げる「社会知性の開発」とも共通している。

専修大学 新・学士課程教育 詳細 専修大学 新・学士課程教育 詳細<PDF>

専大史に残る、全学を上げての教育改革

 もう一つ注目したいのは、この改革が特定の学部だけでなく全学を通して実施されるという点だ。これは、学生数2万人という大規模な大学としては極めて異例だと言えるだろう。

 「専修大学は134年の歴史の中で幾度もの変革を遂げてきましたが、戦争や国策、災害などの外部要因によるものがほとんどでした。しかし今回の改革は、学生の将来を見据え、学内から湧き上がった声が全学に広がって実現したもの。こうした全学的な教育改革は、本学の歴史上でも同規模の大学の中でも、非常にまれなことだと思います」(全学カリキュラム協議会委員)

 新しい学士課程教育は、一部に籍を置く学生全員が対象だ。来春以降は、経済学部、法学部、文学部といった学部の枠を超えて、全学生が専修大学ならではの学士課程教育の基で新たな学びを体験することになる。もちろんこれまであった科目も引き続き設置されるので、良いところを残しながら新たな力を取り入れていく形になるだろう。また基礎科目と人文科学・社会科学系の教養科目、専門科目は学部・学科ごとに設置科目が異なるなど、専門分野との関連づけにも配慮が見られる。

 今回の改革で専修大学は、転換教育から導入教育へ、そして教養・専門教育へと進む一連の流れを明確にした。学びの段階を整理して、入学から卒業までの道筋がはっきりと見えるようにしたのだ。ここで学ぶ学生にとっては、学びの進化がさらに期待できる。

 「学生には、大学で学んだことが何につながるのか、その先に何があるのかを伝えていきたいのです。真面目に学んで、学ぶことの楽しさを知って、卒業後も自ら学んでいける人になってほしい。たとえ学部が違っても専修大学に入学した学生全員がそうなれるよう、今後も改革に取り組んでいきたいと思います」(全学カリキュラム協議会委員)

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