Society5.0で変わるあなたの暮らしと仕事 2017年12月2日(日)アクロス福岡

2018年1月31日

パネルディスカッション

 複数の疾患のある80代の男性は、これまで車で通院していたのが難しくなりましたが、長年診察を受けていたこの先生に続けて診てもらいたいという強い希望がありました。しかし、先生も往診をすることができず、はじめてオンライン診察を導入しました。最初は不安な様子でしたが、始めてみると画面を通して互いに顔を見ながら話すことで、診察室よりもむしろ距離が近いように感じる、これまでは言いにくかった相談もできるようになったといいます。
 また在宅医療の例もご紹介します。この方は退院後に自宅療養を選択した患者さんです。月に2回の医師訪問の間にいろんな症状変化があって、電話だけでは不安なのでもう少し回数を増やしてほしいという希望がありましたが、外来診療も抱えている先生はすぐに訪問回数を増やすことが難しい状況でした。そこで、オンライン診察をはじめました。オンライン診察ではビデオで患部を診るなど、電話だけでは伝わらなかったかた視覚情報が増えたことにより、早期に変化に気が付き適切な介入が実現したと医師は評価しています。また、頻度高くオンラインでコミュニケーションすることで、ご家族も大変安心感が増したとおっしゃっています。
 私たちは、このシステムを「三方良し」の仕組みとして普及させていきたいと考えています。患者さんにとっては、自分の体調を知り、いつもと変化があったときには、適時的確にかかりつけ医に伝えることができることで、自身の疾患への理解が深まり、予防や治療により積極的に取り組むことをサポートしたいと考えます。医師にとっては、患者の情報を経時的に取得し治療を継続する事ができることで、よりきめ細やかなケアと生産性向上の両立に繋がるものと考えます。社会にとっては、このような効果により、予防を含めた治療のアウトカムが上がり、結果として医療コストの適正化に繋がるものと考えています。このような“オンライン診療”という社会インフラを全国に、さらに世界に広めていきたいと思います。

松井  3時間待ちの3分医療などと言われることがあります。改善できるのでしょうか

園田  同じ待つにしても、自宅で待つのなら随分負担が軽いと言われています。また、これまではその”3分”の間に情報収集から解釈、判断、処方や指導までさまざまなことを行っていますが、YaDocでは診察前に情報収集と整理は行っていますので、患者さんへの説明や指導と言った部分に注力できることから、診療の密度が上がります。患者さんの参加によってさらに素晴らしい効果も見込まれます。

松井  5年後の暮らしはどう変わっているのでしょうか。

小笠原  メルカリはリサイクルをやりたかったのではなくて、山田進太郎氏は創業当時「社会からごみを減らす」と言っていたのが、社内で「社会から少しだけ無駄を減らす」という話になっていきました。シェアリングにも通じるのですが、昔からの考え方を思考停止して続けてしまって起こっている無駄が減って、暮らしやすくなると期待します。人口が減るのは現実問題として大きなインパクトがありますが、社会変化として無駄が減り、データサイエンティストたちの活躍によって住みやすくなると思います。

松井  高度成長時代は、たくさん造ってそれを消費してという時代だったと思うのですが。

小笠原  敗戦で民間転用するしかなかった技術があり、近隣の戦争と人口ボーナスということがあったためで、日本に何か特色があって勝てたのではなくて、たまたまという部分がすごく大きいと思う。本当に日本が成長するのは今からどう変えていくかだ、という気がします。

佐別当  家族との時間が増え、技術の進歩やシェアによって人のつながりがあって、より効率的な社会となるでしょう。私の妻は月に4回、自宅で料理教室をやっていて稼いでいます。色んな人が出入りするのを子どもも見ていますし、家族と過ごす時間も多くなります。一方で法律や条例の規制が多すぎて。自宅で料理屋ができればもっと近所の人たちも食べに来たりできるのにと思います。自己実現のライフスタイルを作りながらシェアサービスで地域や海外の人ともつながることができ、結果として自宅でできる仕事が増えていくと思います。

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