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 早稲田大学では11月末より、本学教員を中心とする執筆陣による『早稲田大学ブックレット〈「震災後」に考える〉』を(株)早稲田大学出版部の尽力を得て刊行致します。

6月の出版物

三陸河北新報社 著
ともに生きた 伝えた 地域紙『石巻かほく』の1年

早稲田大学ブックレット 《震災後》に考える No.20
縦組み 160ページ(カラーグラビア込) 6月10日発売
早稲田大学出版部: ともに生きた 伝えた 地域紙『石巻かほく』の1年

 発行部数4万7000部、松島から牡鹿半島に連なる最大被災地にあって、がれきのただなかから、家庭に職場に生活情報を届けつづけたるコミュニティ新聞『石巻かほく』の悪戦苦闘を飾りなく記録した160ページ。地域の人々とともに恐怖と寒さと空腹に耐え、別離や喪失の悲しみに向き合い、小さな希望を紙面に載せて運び届けた人々の1年間。

目 次
第1章 現実と向き合う
 1 「3・11」当日
   大地の怒り、海の怒り 津波が来た! 長い夜
 2 何を伝えるのか
   ルポで伝えた現実 要望が大きかった安否情報
 3 記者の奮闘と苦悩
   安否不明の2人帰還 メディアセンターの支援 自らも被災者

第2章 ともに生きる
 1 避難所も兼ねる
   避難を呼び掛け 食料の確保
 2 「一人じゃない」
   家族が支え 援助の手 役割分担
 3 地域に寄り添う
   統一スローガン 復興の動きを後押し トップの姿勢

第3章 読者に届ける
 1 販売店の苦悩
   新聞の輸送力 個別配達までの道のり 配達の足と人手に苦労
 2 避難所、仮設住宅への配布
   スイッチが入る 長い列 流失店の奮起 新聞は配ってこそ
 3 システムの再構築
   仮復旧 事務所の改修
 4 地域メディアとの連携
   紙面をラジオで伝える 

第4章 多くの死と向き合う
 1 営業部員の焦り
   仕事がしたかった! 広告再開へ 広告主の励まし 求人も増える
 2 心に区切り
   耳を傾ける 義理堅さ 1カ面すべて訃報
 3 ペットも家族
   広告で探す 強い結び付き

第5章 記録し伝える−2つの写真集と写真展
 1 出版へのためらい
   望まれているのか 画像データの管理
 2 何が待たれていたのか
   再建への視点 思わぬ使われ方 映像の力 空撮が伝える記憶
 3 明るさを求めて
   元気になってもらう 思いが伝わる 全国に元気を

第6章 検証—復興とは何か
 1 脆かった情報社会
   携帯の不通 情報の断絶 人のネットワーク
 2 報道の集中と格差
   取材が遅れた半島部 大川小への取材集中 調査報道への回帰
 3 復興を後押しする—エリア外への発信
   石巻を大きな食卓に 石巻に来てもらう スポーツで元気を エリア外への配達