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シンポジウム「東日本大震災に伴う電力不足対策に関する緊急提言」開催
化学工学会主催、理工学術院・松方教授、中垣准教授らが報告

理工学術院・松方正彦教授

理工学術院・中垣隆雄准教授

 早稲田大学国際会議場井深大記念ホールで4月18日、シンポジウム「東日本大震災に伴う電力不足対策に関する緊急提言—計画停電を最小限に食い止めるために—」(化学工学会主催)が行われました。

 化学工学会は3月28日、早稲田大学理工学術院の松方正彦教授(先進理工)、中垣隆雄准教授(創造理工)らが執筆者に加わり、今夏に懸念されている電力供給不足を大規模な計画停電を伴わずに乗り越える方策について検討した緊急提言(http://www.scej.org/content/view/1202/11/)を発表。シンポジウムでは提言作成に関わった執筆者らが、節電対策の法的・技術的な問題点を挙げ、今後の具体的な対応策を報告しました。

 松方教授は今回の企画趣旨や概要を説明し、電力需要の上がる6月が差し迫っており、「規制の撤廃、技術的対策、安全確保を速やかに行わなければ、間に合わない」とし、「電力不足は今年の夏だけでなく、これからもずっと続くことを前提にした対策が必要。節電できないことに対するペナルティよりも節電へのインセンティブを導入する方法をとるべきだ」などと訴えました。

 中垣准教授は「今夏および数年間の電力供給の見込み」と題して、原子力・火力・水力など各発電所の稼働状況を説明。現状の原子力発電を維持し、火力発電を全復旧、水力発電をフル稼働させるなど電力の供給能力を総動員すれば、数字上は6000万kWの供給が可能となるが、燃料費によって電気料金が押し上げられてCO2排出量も増加し、しかも長期間固定されることになるなど、厳しい見通しを示しました。

シンポジウム参加者と講演テーマ

開催挨拶中尾真一氏(工学院大学)
「シンポジウムの企画趣旨・概要」松方正彦氏(早稲田大学)
「今夏および数年間の電力供給見込み」中垣隆雄氏(早稲田大学)
「今夏の電力不足に向けての対策提言」古山通久氏(九州大学)
「近未来のエネルギー需給構造のシナリオ分析に向けて」菊池康紀氏(東京大学)
「エネルギー対策ロードマップの考え方」梶川裕矢氏(東京大学)
総括質疑司会:福島康裕 (台湾 成功大学)
まとめ加藤之貴氏(東京工業大学)

「電力不足対策に係わる緊急提言」シンポジウム開催(4月18日)のお知らせ

公益社団法人化学工学会のページ

(2011年4月19日)