• 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~  「海外プロジェクト探検隊」は、三菱商事が海外で展開しているさまざまなプロジェクトの現場を高校生たちが訪問し、現地の模様や肌で感じたことをリポートするシリーズ企画です。 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~

<< 体験リポートバックナンバートップへ戻る

vol.9夏休み タイ エネルギープロジェクト体験ツアー

日本とタイの電力事情比較

住吉 瑞基さん 青雲学園青雲高等学校1年 日本とタイでは電力事情がどう変わるのか? 日本とタイ。双方とも非常に友好的な間柄で知られている国ではあるが、今まで両国の電力事情がどう違うのかなどということは考えてみたこともなかった。だが今回のツアーでいろいろと調査してみた・・・続きを読む>>
若松 恵加さん 横浜雙葉高等学校2年 日本とタイ、それぞれの電力事情 東日本大震災の影響で福島原子力発電所の稼働が停止。これにより、不足する電力を補い安定的に供給するため、計画停電を余儀なくされた。我家でも1日数時間の事ではあったが、電力の供給が・・・続きを読む>>
バスから見えたタイ三菱商社 ここで日本とタイの電力事情比較についてのお話を伺った バスから見えたタイ三菱商社 ここで日本とタイの電力事情比較についてのお話を伺った

東日本大震災の影響で福島原子力発電所の稼働が停止。これにより、不足する電力を補い安定的に供給するため、計画停電を余儀なくされた。我家でも1日数時間の事ではあったが、電力の供給が停止する時間帯があり、我々がいかに電力に依存して生活しているのかを考えさせられる好機となった。そして地震から1年以上たった今、日本のエネルギー政策は大きく見直されようとしている。そんな折、タイのエネルギー政策について勉強する機会を頂いた。

ロッブリ―の太陽光発電所 とにかく広い!! ロッブリ―の太陽光発電所 とにかく広い!!

日本は世界でも有数のエネルギー消費国である。「資源の博物館」とも言われる日本だが、エネルギーの大半を輸入に頼っており、自給率は2割程度だ。石油危機を契機に脱石油を図り、電源の多様化に取り組んできて、近年では安全性やCO削減を追求し、原子力発電の一層の開発が話題となっていた。現在日本は、水力、原子力、石炭焚き火力、ガス焚き火力、石油焚き火力などをほぼバランスよく利用している。このように、大きな懸けに出ず、リスクを分散させようとするやり方はいかにも日本らしい。

それに対してタイは、ガス焚き火力に依存しており、その割合は全体の70パーセントを占めるという。しかし最近では、石炭焚き火力や水力の割合を増やしたり、原子力の導入を検討したり、もっとバランスよく利用しようとする動きも出てきている。

2日目に訪問したマプタプット石炭焚き火力発電所 2日目に訪問したマプタプット石炭焚き火力発電所

それぞれの発電方法にはメリットデメリットがあり、それぞれの国の状況に応じた発電方法を考えていくべきだと思う。例えば、タイは日照時間も長く、広大で平坦な土地も多いことから、太陽光発電に適しており、この発電方法で心配される洪水や落雷による被害も、浸水を防ぐよう海抜を考えて作ったり、落雷防止のために多くの避雷針を設置したりするなどの工夫で対策を講じている。太陽光発電のメリットは環境によいこと、デメリットはパネル1枚の値段が高いことだ。ロッブリーの太陽光発電所では建設費用が全部で250億円ほどかかっている。しかし多少コスト面で問題はあってもタイの気候・風土に適し、地球環境に優しいという利点から三菱商事はこの太陽光発電の取組みを行っている。では日本はどうだろうか。日本はタイより土地は狭いし、日射量も多くない。環境に優しいのに変わりはないが、日本で太陽光発電を沢山活用させるのは効率が悪く無理があると思う。このような気候・風土の違いからも今後推進されていくエネルギーは日本とタイでは違ってくるだろう。

3日目に訪問したワンノイガス焚き火力発電所 3日目に訪問したワンノイガス焚き火力発電所

日本の人口は約1億2800万人。そしてタイの人口はその半分の約6700万人である。発電設備容量を見てみると、日本が280GWであるのに対し、タイはその9分の1のわずか31GWと、大きな差がある。1人あたりの消費量で見ても、日本は世界第6位、タイは世界第20位であった。比較すると、日本がどれだけ贅沢に電力を使用していて、無駄が多いかが伺える。資源は限りあるものであるから、無駄を省き、消費電力の削減に努めることが必要だろう。

また、日本が東日本大震災の影響で電力が不足する中、タイ政府は12万2000KWのガスタービンを2つ日本に無償で貸し出したという。このタービンは約24万世帯分の電力を補っており今現在も私達の安定した生活を支えている。このように、他国の協力のもと今私達が不自由なく生活できているということを忘れず、より一層消費電力の削減に努めていく事が肝要であろう。

▲ ページのトップへ戻る

[広告] 企画・制作 読売新聞社広告局