• 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~  「海外プロジェクト探検隊」は、三菱商事が海外で展開しているさまざまなプロジェクトの現場を高校生たちが訪問し、現地の模様や肌で感じたことをリポートするシリーズ企画です。 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~

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vol.9夏休み タイ エネルギープロジェクト体験ツアー

全員で取り組んだテーマ(タイにおける三菱商事の事業&現地学生との交流会、タイの生活文化体験)

板垣 華蓮さん 京都産業大学附属高等学校1年 タイにおける三菱商事の事業 「信頼」の保証期間は終わらない 現地学生との交流会、タイの生活文化体験 本場タイで、微笑んでみた

「信頼」の保証期間は終わらない

村上さん、想いの熱さはタイの暑さ以上!! 村上さん、想いの熱さはタイの暑さ以上!!

「三菱商事が事業を行う上で最も重視していることは、長期的なお互いの信頼関係です。」タイの街を走り抜けるバスの中で、同行スタッフの一人である三菱商事の村上さんが語ってくれたこの言葉に、私はとても興味をもった。「長期的」とは一体どれくらいの時間を意味するのか?私が抱いたこの疑問に対して、村上さんは15年前に起きた出来事について話してくれた。

夢を乗せ、未来へと走り続けるいすゞのピックアップ車 夢を乗せ、未来へと走り続けるいすゞのピックアップ車

それは、1997年にタイを中心として始まったアジア通貨危機である。これによりタイの通貨価値は大幅に下落、打撃を受けた日本企業は次々にタイから撤退していった。しかし、三菱商事はタイの経済再生を信じ、タイの人々と共にこの苦境を乗越えることを決断した。その際に三菱商事が行ったことの1つが、TIS(Tri Petch Isuzu Sales)社に対する資金援助である。TIS社は、三菱商事の主要投資先の1つである自動車販売会社である。この会社で扱っているいすゞ自動車は、タイでは「ピックアップトラック」の代名詞として有名である。ピックアップトラックは車体の後部が荷台になっており、物や人を運搬する機会が多いタイでは大変重宝されている。この車がいかにタイ国民の生活に密着しているか、それはタイの自動車市場の約半分がこの車種で占められていることからも分かる。現在、TIS社が扱っている1tピックアップトラックはタイNo.2のシェアを誇り、商用車販売全体、及び大型トラックに至ってはシェアNo.1である。「15年前のアジア通貨危機の際に三菱商事がとった行動が、今でもタイの人々の記憶にしっかりと残っているのです。」村上さんのこの言葉に、TIS社がタイの多くの人々から支持されている理由がわかったような気がした。

遠くからでも分かる、この看板の存在感 遠くからでも分かる、この看板の存在感

信頼関係は、それを維持していく日々の努力によってはじめて長期的なものとなる。TIS社がここまでの大躍進を遂げることができたのも、そのような姿勢が評価された結果であると思う。また、昨年タイで起きた大水害では、三菱商事は大量の救援物資を提供したり、水害を受けた学校の改修を行ったりしたが、このような社会貢献活動も信頼関係をより強固なものにしていくことにつながる。

時が流れ、社会がどのように変わろうと、信頼関係の大切さは変わらない。車窓からふと見えた三菱のロゴマークが描かれた看板。目まぐるしく変わっていく景色の中にあって、私にはその姿がひときわ堂々として映った。

本場タイで、微笑んでみた

Suankulard Wittayalaischool流、歓迎の儀式 Suankulard Wittayalaischool流、歓迎の儀式

「微笑みの国、タイ」。私はこの言葉を呟く度に、今でもほっこりとした幸せな気持ちになる。タイを訪れて5日目、現地高校生との交流会が行われた。私は3年生のPpragonに学校を案内してもらった。まずは私の英語による自己紹介。事前に内容も考え、しっかりと準備してきたのに…想定外のことが起きてしまった。「KYOTO」が伝わらないのだ。おそらくタイでも有名な(と私は思っていた)都市なのに、私の発音がおかしかったのか、なかなか分かってもらえない。必死な私は、緊張もあって表情がますます硬くなってしまった。しかし、Ppragonは実に自然な笑顔で私を見つめながら、私の拙い英語を一生懸命に理解してくれようとした。そして、やっと「KYOTO」の意味が通じた時。「KATANA!」や「SAMURAI!」などの単語が、身振り手振りとともにPpragonの口から嬉しそうに飛び出してきた。「伝わった!」と感じた瞬間、私も思わず笑顔になった。

BIG SMILE! タイでの微笑み対決 BIG SMILE! タイでの微笑み対決

その後の会話(?)は、周りから見るとおかしな事ばかりだったと思うが、私たちの中では一気に盛り上がった。そして、私は何度も胸の前で手を合わせていた。タイでは挨拶や感謝の意味を表す際に、『ワイ』とよばれるこの動作をする習慣がある。「せっかくタイに来たのだから、異文化を肌で感じたい。」そう考えた私は、機会あるごとにタイの人々に対して『ワイ』と「コップクゥンカー(ありがとう)」を口にした。屋台のお姉さん、レジを打つ店員、バスの運転手…誰もが私に『ワイ』と「笑顔」を返してくれた。それがとても心地よく、最初は硬かった私の表情もだんだんと緩んできて、その度にもう少し何か話してみようと頑張った。そして、そのような私の様子を見た人たちにまた笑顔が溢れた。それはまさに「笑顔のリレー」だった。

タイではドナルドも「ワイ」 タイではドナルドも「ワイ」

伝えたいという思いがあれば、正しい文法や単語を知らなくても必ず相手に通じる。そこに笑顔があればなおさらだ。このようなリレーが世界中に広がっていったら、何と素晴らしいことだろうか。訪れた人をも笑顔にしてしまうタイ。その「微笑みの国」で受けたバトンを、今度は私も日本でしっかりとつないでいきたい。

 

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岩井 俊樹さん 早稲田大学高等学院2年 タイにおける三菱商事の事業 日本人とタイ人の協働による世界規模のビジネス 現地学生との交流会、タイの生活文化体験 微笑みの国、タイでのひと時

日本人とタイ人の協働による世界規模のビジネス

タイの渋滞は日本の渋滞よりすごい!! タイの渋滞は日本の渋滞よりすごい!!

微笑みの国、タイは僕にとって刺激的な国だった。

同じアジアとはいえ、日本と約4500kmも離れた国の文化は面白いぐらい異なっている。日本人と違いタイ人は細かいことにとらわれず、笑顔と共に仕事をしていた。物を売る時も、道を歩いているときも、いつでも笑顔で話しかけてくる。そんな、人と接することを得意とするタイ人と、細かいことをしっかり成し遂げる日本人が一緒に仕事をすることでいい結果を生み出す要因となっているのでは、と感じた。

三菱商事は人々の生活に必要なものを供給している。日本の商社がタイの人々の生活を支えていることに正直びっくりした。三菱商事はいすゞと連携してピックアップトラックをタイの人々に供給している。タイの人々は、大きな荷物を運べてその上に人も乗れるという一石二鳥なトラックを望んでいるのだ。タイは日本と違い今も農業国で、突然の雨も多い国だ。そのようにその国のニーズにあったものを供給することで利益を得ている。細かいことに気を配る日本の企業だからこそできることであるということに誇らしさを感じた。

三菱商事は様々な協力を行っています 三菱商事は様々な協力を行っています

また驚いたこととして三菱グループ傘下に自動車会社があるにも関わらず、いすゞと提携していることだ。僕は今まで同じグループ内としか協力しないと思っていた。しかし商社はそういう概念にとらわれずビジネスを展開していくそうだ。タイはもうすでに先進国の仲間入りをしようとしている。そこで三菱商事はその発展に大きく貢献しているのだ。発展に必要なものは電力であり、その電力を作るのは発電所。その発電所の技術提供に一役買っているのが三菱商事というわけである。この日本の技術を提供していくことでタイと日本との信頼をより大きなものにした。東日本大震災において日本が電力不足に陥った今、タイは日本の三菱商事がタイに提供したガスタービンを二基、貸し出してくれたのだ。日本とタイには厚い信頼がある。それを作り出したのは泰国三菱商事であると僕は考える。

最後に川合さんをはじめとする泰国三菱商事の方々が自分達の仕事について熱く語られているのをみて、自分もそういう自分の仕事に誇りと責任をもてる大人になりたいと思った。

微笑みの国、タイでのひと時

タイの高校生と みんなテンション高い! タイの高校生と みんなテンション高い!

最初、現地学生との交流について正直緊張していた。しかし学校に到着し、バスを降りた途端、その緊張した心は一瞬にして期待に変わった。タイの高校生たちは手に花をもち、自分のパートナーになる人の名前を必死で呼んでいた。

その中でも特に目立ったのは僕のパートナー、ウィンだ。彼は日本が大好きらしく日本でホームステイをし、日本語を学んだと言う。彼はすぐさま僕をみつけ丁寧に日本語で自己紹介をした。そこで僕は気づいた。彼らは僕らが来るのを本当に楽しみにしてくれて対面を心待ちにしていたのだ。僕たち日本人はその歓迎に圧倒された。タイの人は本当に人との接し方がうまい。これがタイにおける三菱商事の事業につながってくるのだと実感した。彼に学校を案内してもらった後、一緒に食事をし、その後グラウンドにでてその高校伝統の絆をふかめる儀式?を僕らにやってくれた。それを見た僕は本当に感動した。タイが微笑みの国と呼ばれる理由がわかった。今も彼らとは連絡を取っている。

パートナー、ウィンと 楽しかった パートナー、ウィンと 楽しかった

またタイでとても不思議に感じたことがある。最終日に観光人向けのショッピングセンターに行ったが、そこは値段が高くタイ特有の物価の安さを感じることができなかった。そこで一緒に付き添ってくれたタイの警察のお姉さん*が地元の人が行く商店街に連れて行ってくれた。そこは僕らにとって夢のような場所であった。全ての商品が日本の半分の値段で売っているのだ。日本のショッピングセンターとは違い、個人経営の小さな店がたくさんならんでいて店員さんも店番をしながらご飯を食べたり、自由な感じでやっていてとてもタイらしく感じた。タイの不思議なところは平均年収がとても低い割に高級車が走っていたり、決して安くないスマートフォンを持っていたりすることだ。この疑問を泰MCの社長である古澤さんに聞いてみた。タイでは遺産相続が自由でお金持ちはずっとお金持ち、低所得の人はずっと低所得が続くらしい。そのため貧富の差が大きいらしい。スマートフォンなどは無理して買っている方も多いと聞いた。

タイ地元の商店街 雑多な雰囲気がとてもいい タイ地元の商店街 雑多な雰囲気がとてもいい

タイはとても不思議で面白い国であった。人々はみな親しみやすく日本とは違う点もある。僕は今回タイにいけてとてもよかったと思う。

*今回の探検隊ツアーではTV撮影を行ったため、撮影の様子を確認する目的で、タイの観光警察の方がツアーに付き添った。

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岩間 優さん 桜蔭高等学校3年 タイにおける三菱商事の事業 地球環境やインフラ事業を軸に価値創造の連鎖を広げる泰国三菱商事 現地学生との交流会、タイの生活文化体験 微笑みの国タイでの文化体験

地球環境やインフラ事業を軸に価値創造の連鎖を広げる泰国三菱商事

三菱商事の営業組織は新産業金融事業・エネルギー事業・金属・機械・化学品・生活産業の6つのグループに分かれている。そのなかでも主要なのが機械グループと化学品グループだという。機械グループはガス・石油・化学・製鉄などの大型プラントから、船舶、自動車、宇宙航空関連機器、鉱山機械、建設機械までの幅広い分野での機械の販売、金融、物流、事業投資などを担ってネットワークを広げている。また化学品グループは石油化学品、肥料などの汎用化学品や、合成樹脂、機能材料、電子材料、生活に密着した高機能材料・環境対応材料などの機能化学品、さらに食品素材、医・農業などのライフサイエンス分野において取引業務及び事業投資を行ってビジネスを展開し、泰国三菱商事の利益の約4割を占めている。

火力発電所の冷却システムの内部 火力発電所の冷却システムの内部

三菱商事の機能は、流通・金融・情報、そして新たに開発、組織など大きく事業を広げてきている。なかでも今最も力を入れているのは、地球環境・インフラ事業だという。地球温暖化防止やエネルギー安全保障に資する再生可能エネルギー事業、排出権事業、環境対応車の普及、大容量リチウムイオン電池製造事業、スマートコミュニティの開発など付加価値がついていく過程を組み合わせながら価値創造の連鎖をつくっている。次世代のエネルギー産業は成長産業としての期待値が高く、ひとつの価値がもうひとつの別の価値を生み出す好循環をもたらすのだということを知り、その着眼点と事業を推進していくバイタリティのすごさに私は驚きを感じた。

発電事情に合わせて三菱商事は事業投資をしている 発電事情に合わせて三菱商事は事業投資をしている

近年では、単体経営から複数の企業の集団を経済的な観点からひとつの組織体としてみる連結経営に移行しつつあり、取引形態の多様化、関係分野・産業の多岐化、国内外の事業投資先との協業など取り組むべき事項が多くなっているそうだ。タイで多様な事業を展開するために、例えば自動車分野では国産化政策をうまくリードする形で事業を展開し、さらに必要な販売金融やアフターサービスも顧客のニーズに応じて機能を提供していきながら、いろいろなところに投資してリターンを取っている。従来の商社のあり方とは違う幅広い価値を生み出す取り組みに、これまで私が抱いていた商社のイメージとは全く別の印象を受けた。時代や環境の変化に寄り添って商社があるべき姿が変化していることを知り、この柔軟で機動的な姿勢こそが三菱商事の強さなのだと感じた。

微笑みの国タイでの文化体験

街のいたるところに国王・国王妃の写真が掲示されている 街のいたるところに国王・国王妃の写真が掲示されている

バンコクの市内は混沌としているというのが私の第一印象だった。たとえば新しいビルがあるすぐ隣には古びた建物があり新旧が混在している様子で、市内は交通量も多く街には活気があった。街のいたるところに国王や国王妃の写真があり、また金色に彩られた寺院も多く目に付いた。小乗仏教の僧にも出会い、人々のあいさつでは手を合わせるなど宗教が生活に密着していることを感じ、国民の宗教心の強さを知った。

屋台では色鮮やかな熱帯果実や食品が並んでいる 屋台では色鮮やかな熱帯果実や食品が並んでいる

食べ物については、香辛料が使われたものが多く独特な風味があり、魚介類が豊富だった。日本企業がある地域には、日本の食材も売っていて日本食の店もみられた。大型ショッピングモールもにぎやかである一方、道路沿いの屋台でタイの伝統料理などを食している人たちも大勢いた。

現地高校での生徒との交流のときには、朝礼で国旗を掲げ礼拝することが習わしになっているという話を聞いた。「タイの学生が一番大切にしているものは何か?」という私たち日本人からの質問にほとんどの人が「両親」と答えた。それは仏陀の教えを受け継いだ小乗仏教の影響が強いからではないかと私は思った。「休日は家族で過ごすことが多い」ということからも家族を大切にする気持ちをうかがい知ることができた。

民族衣装で歓迎してくれた現地の高校生と 民族衣装で歓迎してくれた現地の高校生と

日本のアニメが好きだという学生も多かったのには驚いた。私が持参したお土産のけん玉にも興味津々で、日本の文化に興味を持ってくれたことはうれしかった。特に私が書いた書道には皆関心を抱いてくれた。そして、私がタイ料理が好物であることを伝えるととても喜んでもらえた。

互いの国のよいところを見つけあうことで親睦を深めることができた。将来の夢を語り合いながら、同世代共通の思いを共有することができたのは何よりの収穫であった。別れのときも皆、笑顔で送ってくれて『微笑みの国タイ』を実感することができた。

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住吉 瑞基さん 青雲学園青雲高等学校1年 タイにおける三菱商事の事業 世界のビジネスの中で活躍する泰国三菱商事 現地学生との交流会、タイの生活文化体験 “微笑みの国”タイの現地高校生と交流して

世界のビジネスの中で活躍する泰国三菱商事

首都バンコクの都市化には目を見張った 首都バンコクの都市化には目を見張った

成田空港から飛行機で飛ぶこと約7時間。僕達探検隊のメンバー10人は、タイのスワンナプーム空港に到着した。成田空港にも劣らない程の巨大な空港や、高層ビルが立ち並ぶタイのその都市化した姿に驚いたというのが、僕のタイについての第1印象だった。

その日の夕方、ホテルで泰国三菱商事副社長の川合史彦さんからお話しをいただいた。三菱商事の組織の仕組みから、三菱商事が世界的にどのように事業を展開しているのかというのを説明して下さった。

タイ三菱商事に勤める坂口さんからの説明 タイ三菱商事に勤める坂口さんからの説明

三菱商事はかつて「ラーメンからロケットまで」といわれていた程、多面的な事業を手掛けており、今も様々な面で活躍している企業だ。世界に約90ヶ所もの拠点を持ち、特にその中で成長著しいアジアには拠点が多くある。また三菱商事の組織は様々な部門やグループに分かれている。その中で今最も力を入れているものの一つが、地球環境・インフラ事業開発部門というところだ。ここでは新エネルギーの可能性を探求している部門であり、三菱商事が現在、エネルギー系の事業を最も盛んに手掛けていることを表しているだろう。

タイで走る車はほとんどが日本車だ タイで走る車はほとんどが日本車だ

そして今回の訪問地タイでも、多くの事業展開を行っていた。それはエネルギー事業のみならず、様々なタイプの事業を扱っている。例えば、今タイで最も利益を上げているという自動車産業だ。タイで走る自動車の半分はピックアップトラックだという。なぜトラックがそんなに売れるかというと、農業国のタイでは作物の運搬と家族を乗車させるための大型車の需要が高いからだ。三菱商事はここでいすゞと協力して自動車事業を手掛けている。またこれからはタイの水質汚濁の課題を抱える上下水道などのインフラ分野にも注目しているという。ツアーを通し、三菱商事がいかに地元のことを考え、様々な角度から事業展開をしているのかがよく理解できた。

泰国三菱商事は、人々の生活の本当に身近なところから国の重要部に至るまで関係していた。三菱商事がタイだけではなく、世界中多くの国々の発展に貢献してくれることを切に願っている。

“微笑みの国”タイの現地高校生と交流して

タイ現地校のみんなとの1枚 タイ現地校のみんなとの1枚

ツアー第5日目の8月3日、タイの名門校「スアンクラーブプ・ウィッタヤライ・スクール」を訪れて現地校の高校生と交流をした。タイが“微笑みの国”といわれている訳は、現地の高校生と交流してみてすぐにわかった。

まずは最初の歓迎だ。タイでは4連休の真ん中だというのに、数多くの高校生が温かな拍手で僕達を迎えてくれた。そんなタイの高校生は、とにかく明るくて陽気!とても接しやすくて英語でのコミュニケーションも苦にはならなかった。僕が交流した高校生のビュー君という子は、同じ高校1年生だったのに、英語がとにかくペラペラでとても驚いてしまった。

3日目はアユタヤ遺跡を観光 3日目はアユタヤ遺跡を観光

それから自己紹介を行って後、学校内の博物館や学校の施設などを案内してくれた。学校内には多くのトロフィーが飾られており、その受賞内容はスポーツから勉学において、本当に多岐にわたっていた。また、彼らは言語も多く学ばないといけないそうだ。タイの学生は文武両道をしっかりこなしているのがよくわかった。

学校内には多くのトロフィーが飾られており、その受賞内容はスポーツから勉学において、本当に多岐にわたっていた。また、彼らは言語も多く学ばないといけないそうだ。タイの学生は文武両道をしっかりこなしているのがよくわかった。

今回タイの高校生と交流してみて、改めて日本の学生との違いを実感した。彼らはとにかく何でも学ぼうという意識が高くいゆえ、非常に教養にあふれていた。僕達日本の学生もこういう意識が必要ではないだろうか。日本の1人の学生として、そのような実感を得ることができ、本当に貴重な体験となった。

発見の多かったタイの生活文化

寺院に並ぶ仏像の数々 寺院に並ぶ仏像の数々

今回はタイ文化に触れる機会が多くあり、発見もたくさんあった。

まず、身の回りが日本製のものに溢れていたのが第一だ。ビルの看板には日本企業が名を連ね、コンビニはほぼセブン7イレブン、街中を走る車は大抵が日本車。お店に陳列されている商品にいたっては、和菓子や日本の漫画などがあり、かなり日本文化が浸透していた。

そして何より“タイ”を感じたのが…もちろん食事!初め始めはどんなに辛いものが来るのだろうと覚悟していたのだが、全部が全部辛いというわけではなく、とても美味しいものばかりだった。また現地の人々と話しをしてみたり、アユタヤなどの遺跡を観光したりすることで、様々な角度からタイ文化を体験することができた。

タイの国民性は、比較的ゆったりして大雑把な感じであったと思う。街中を歩く人や多くのタイの人々と接してみてそう思った。そんな中で、改めて日本との文化の違いを発見し、日本文化を見直すことができたのも大きい。「他を見て己を知る」ことを実感した5日半だったと思う。

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樋口 陸矢さん 湘南学院高等学校1年 タイにおける三菱商事の事業 タイにおける三菱商事の事業 現地学生との交流会、タイの生活文化体験 現地学生との交流会、泰の生活文化体験

タイにおける三菱商事の事業

タイ三菱商事本社で、プロジェクトについて説明していただいた タイ三菱商事本社で、プロジェクトについて説明していただいた

近年、経済発展目覚ましいタイ王国。そのタイ王国において、1782年から現在まで続くラッタナーコーシン王朝の首都府バンコクに現地法人を置き、私たちの住んでいる日本を、あらゆる事業で結んでいる企業がある。それが、今回の海外プロジェクト探検隊にも協賛している三菱商事という企業だ。

タイにおける三菱商事の役割は多岐にわたる。食糧や生活産業、交通インフラ、そしてエネルギー産業などの生活に必要不可欠な分野においてもだが、化学品や自動車、服飾などの生活を豊かにする分野においても、いまや重要な役割を果たす日本の企業である。

現地法人も2拠点あり、泰国三菱商事と泰MC商事株式会社がある。その二つの現地法人の他にもタイ国内の投資先は約100社、そのうち出向者を派遣するなど主要な投資先は42社もある。こうした投資先を通じて雇用を生み出し、その従業員の総数は約10000人以上にもなる。

ワンノイ火力発電所内部、内部は非常に高温であった ワンノイ火力発電所内部、内部は非常に高温であった

そして、先ほど記述した様にタイでの三菱商事は、現在経済発展を遂げている最中のタイで最も重要な電力を確保する為の、発電所の建設において実績がある。

今回、私たちは、火力発電所と太陽光発電所の二つの異なる発電方法を行っている発電所を見学させていただいた。二日目のマプタプット火力発電所、三日目のワンノイ火力発電所、そして、四日目に見学させていただいた世界最大規模を誇るロッブリー太陽光発電所だ。

ワンノイ火力発電所で説明をしていただいた、その説明には未来を感じた ワンノイ火力発電所で説明をしていただいた、その説明には未来を感じた

この三つの発電所で共通して感じられたことは、電力事業におけるタイ国内での三菱商事の影響力である。タイにおいて三菱商事が手掛けた発電所は1970年代から現在に至るまで全発電量の40%ほどを発電している。一つの企業が手掛けた発電所がここまでタイにおいて影響を及ぼしていることに、私は非常に驚きを感じた。そこで働いている従業員の方たちの顔は、これからのタイの経済発展を支え続けるだろう希望に溢れていた。

このように、タイの産業の重要なパートナーとしてともに、過去から現在に至るまで歩んできた。そして、これからもタイが経済発展を続けていく上で過去の存在では終わらない企業、それが三菱商事という企業だ。

現地学生との交流会、泰の生活文化体験

経済発展を遂げるタイの街並み 建設途中の建物も多い 経済発展を遂げるタイの街並み 建設途中の建物も多い
【タイの生活文化体験】

7月30日、タイにおいて雨季にあたる季節の夕方、私たちはスワンナプーム国際空港に到着した。「じめじめと湿気があり気温もかなり高いので、日本と比べものにならないくらいの暑さだ」それが、私がタイに降り立ってから初めて感じた事だった。

日本との生活文化の違いは多岐にわたっている。タイの街の中は非常に活気に満ち、色彩に溢れ、いたる所に屋台があり、健康的な顔色をした人たちがその街の中で自由に生活していた。

こうした街の様子もそうだが、なによりもタイの国民性と日本の国民性が、想定しているよりも遥かに違いがある。私たち日本人は真面目に仕事をとこなすが、屋台で働いていたタイの人は仕事の最中に別の場所に出かけていたり、職場で他の事をしていたりといった事が多かった。

しかし、私はそうした国民性は非常に良いものだと感じた。なぜなら時間にきつく縛られず自由に、しかしやるべきことはやるというのは東南アジアの気候や自然と非常にマッチし、なんとも言えない、楽園のような素晴らしい雰囲気を醸しだしていたからだ。

戦争で破壊された石仏が鎮座するアユタヤ遺跡 戦争で破壊された石仏が鎮座するアユタヤ遺跡
【現地学生との交流会】

5日目の昼ごろ、1882年に設立され、何人もの首相を輩出したことがある名門の中高一貫教育の男子校、スワンクラーブ・ウィッタヤライ・スクールの生徒たちとの交流会を行った。

この学校の生徒たちは非常に素直で真面目で、私たち日本人に対しての興味がもの凄くあって、日本での学校生活や伝統芸能、アニメ文化などについて質問された。そしてスクールホール内で自己紹介も兼ねた、自分の普段の生活のスピーチを行なったのだが、事前に用意したメモを失くしてしまい、言いたいことが言えなかったことが今でも非常に残念だったと思っている。

ウイッタヤライにて、案内を務めてくれたアーム君と ウイッタヤライにて、案内を務めてくれたアーム君と

そのあと、学校内にある博物館や、普段生徒たちが遊んだり学んだりしている施設を私との交流を担当したアーム君に案内してもらった。やはり伝統のある学校なだけあって、メダルや学校長の肖像画、今まで使用してきた機材、静かな雰囲気を放つ建物などには歴史を感じることができた。

そして、交流の最後にはスワンクラーブ・ウィッタヤライ伝統の力強い掛け声で見送ってもらった。彼らは非常に親しみやすく、別れの時は非常に辛かった。

私は今でも、この普段の生活では知り合えなかったであろうタイの学生との出会いを大切にしている。交流を担当してもらった生徒の方たちとはSNSで交流を行っている。これからも、タイにいる大事な友人として、私はずっと交流していきたいと思う。

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宮裡 弘樹さん 慶應義塾志木高等学校3年 タイにおける三菱商事の事業 タイの著しい経済成長を支える 現地学生との交流会、タイの生活文化体験 「タイ」から感じたこと

タイの著しい経済成長を支える

タイ三菱商事のロビー タイ三菱商事のロビー

タイは日本から約4500km南西に位置し、国土面積は日本の約1.4倍の約51万4000km²。現在、東南アジア経済の中核となる国の一つであり著しい経済成長を遂げている。

そんな「発展し続ける国」タイに三菱商事は1955年に進出して以降、事業を拡大し成長を続けている。

タイに於いて三菱商事は新エネルギー・電力、物流、金属、自動車、化学品、繊維、資材、農水産と幅広い事業展開をしている。また、タイを含め三菱商事全体では、特に近年、地球環境・インフラ事業開発部門とビジネスサービス部門の新たに2つの部門を作り今後成長する事業として注力して取り組んでいる。今回、私たちが訪問させて頂いた発電所も地球環境・インフラ事業開発部門に関係している。

このビルの24~26階にオフィスを構えている このビルの24~26階にオフィスを構えている

またASEANは、2015年にASEAN経済共同体(ASEAN Economic Community)を実現し、域内関税の撤廃と投資や人の移動の自由化などを達成することを決めている。そこで三菱商事は生産拠点をどこで持てばいいのか、ASEANの加盟国それぞれの特徴などを捉えた上での取り組みを考えている。それにはASEANが発展していく上で重要になってくる、インフラ関係や電力なども含まれる。またトレーディングの部分では、非常に貿易が容易になるということもあり、そのような所に注力する施策を取っている。これから、ASEAN経済共同体の実現やタイの発展のために三菱商事が果たす役割はますます重要になっていくだろう。

泰国三菱商事の副社長である川合さんが話された中で印象的な言葉がある。「利益を本位とした事業展開をしているのではなく、日本社会や世界にとって必要であるから我々はこのような仕事をしている」。この言葉から社会に貢献する為に働くといった信念を感じ、強く感銘を受けた。人々の生活をより豊かで便利で快適にするために奔走する三菱商事の熱い思いの一端に触れることができた気がした。

「タイ」から感じたこと

路上に立ち並ぶ屋台の数々 路上に立ち並ぶ屋台の数々

成田国際空港を飛び立ち、およそ6時間半。私たちはタイのバンコクにあるスワンナプーム空港に到着した。入国審査を終えると、そこには笑顔で迎えるタイ人。看板の写真までも笑顔である。さすが“微笑みの国タイ”である。バスの車窓からの眺めは私が異国の地にいることを実感させてくれた。巨大な看板、大量の車・バイク、軒を連ねる屋台の数々……見たもの全てが私の胸を高鳴らせた。

朝のバンコクは車やバイク、バスが溢れている。日本のように鉄道網が発達していないタイでは自家用車やバスなどで通勤・通学するのが一般的なのである。私はバスの中からではあるがバンコクに住む人々の日常生活を垣間見た気がした。

木の根に取り込まれた顔だけの仏像がとても印象的である 木の根に取り込まれた顔だけの仏像がとても印象的である

ツアー3日目、私たちはアユタヤに向かった。

バンコクから北におよそ80km。チャオプラヤ川とその支流に囲まれた中州にアユタヤがある。建都されてからビルマ軍の攻撃によって破壊されるまでの417年間アユタヤ王朝の都としてタイの中心であり続けた都市である。2011年10月にタイを襲った洪水では大きな被害を受け被り、今でも随所に洪水の跡が残っていた。ここで見た遺跡の数々は同じ仏教であっても日本とは大きく異なる、タイでの仏教の在り方や仏教信仰の強さを改めて感じさせられた。

青空にはためくタイの国旗 青空にはためくタイの国旗

ツアー5日目、バンコクにあるSuankulard Wittayalai Schoolと交流会があった。この学校はタイでも有数の名門校であり、タイの要人を数多く輩出している。

私は自分から積極的に話そうとするが、なかなか上手に話せない。タイの学生は私の拙い英語から必死に意味を汲み取ろうとしてくれた。自分の思うように喋ることができないもどかしさから語学力の必要性を痛感したが、その一方で言葉以上に「伝える」という思いがコミュニケーションを図る上では最も重要であると感じた。

今回のプロジェクトでは、タイのことのみならず日本のことも改めて考える良い機会となった。また将来再びタイを訪れ、現在よりもっと進化した「タイ」を見てみたいと思った。

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宗田 千奈さん 富山県立高岡高等学校2年 タイにおける三菱商事の事業 三菱商事から見る、地球の今と“本当の”繋がり 現地学生との交流会、タイの生活文化体験 国境を越えて見えた 日本の姿、自分の姿

三菱商事から見る、地球の今と“本当の”繋がり

泰国三菱商事を訪問 入り口の様子 泰国三菱商事を訪問 入り口の様子

三菱商事の事業の説明を聞いたとき、ただ一言、すごいと感じた。グローバルな視点、幅広い活動。そこに地球の今を見た気がした。

三菱商事はコーポレート部門等3つの部門と、6つの営業グループに分かれている。機械グループについての説明の中で、タイと日本の違いについて感じたことがある。このグループは幅広い機械の販売や事業投資を行っている。自動車ももちろん例外ではない。その自動車だが、日本ではあまり売れない荷台付きトラックがタイではよく売れている。理由の1つは農業国であるタイにおいて荷物も家族も運べる車が便利であること、二つ目はスコールにあってもすぐに服を乾かすことが可能なことだ。その国の仕事や気候を知り、そこから人々のニーズを感じ取ることの重要性を知った。

地球環境・インフラ事業開発部門は新しい部門で、インフラ分野における事業や関連する取引を核として、持続可能な社会の実現に取り組む。この部門の成り立ちも、人口増加や資源の枯渇、地球温暖化への懸念といった時代の変化に伴って起きる地球規模のニーズへの対応ではないかと考えた。

タイにおける三菱商事の取り組みを取材! タイにおける三菱商事の取り組みを取材!

また印象的だったのは化学品グループ・機能化学品本部の説明だ。この部が行う取引、事業投資の一つに合成樹脂がある。合成樹脂は、まさに私が一年かけて学校で取り組んでいる課題研究のテーマだ。今学習していることが世界の役に立つ大きな知識に成り得る。それはとても意欲の湧くことだった。

エネルギーについても話を伺った。タイは67%を天然ガス、20%を石炭による発電でまかなっている。これに加えて、電力自体を隣国のラオスから、また天然ガスなどの資源はミャンマーなどから輸入している。ここには資源はあるがそれを消費する経済力がない隣国と、逆に経済発展に必要な資源を輸入したいタイ両国のメリットが成り立つ。この仕組みは効率的で面白いと思った。

だが私は、互いのメリットが成り立つだけが国家間の良い繋がりではないとも思う。日本で東日本大震災が起こったとき、タイは日本に無償でガスタービン2機を貸与した。またタイの洪水の際には、日本から義援金や食料などの支援がなされた。どちらにも確実なメリットは約束されない。だがメリット・デメリットを超えた人間の思いやりにこそ、本当の意味での繋がりが存在するのではないかと思った。

国境を越えて見えた 日本の姿、自分の姿

タイの高校生 とても面白くて優しい! タイの高校生 とても面白くて優しい!

最終日には現地の高校を訪れた。タイの学生たちはとても明るくて面白い!私のペアのミッキーは、日本のマンガが人気で自分も好きだと話してくれた。また私が剣道部に所属していることを話すと、とても驚いていた。それは女性が刀を持っているのを見たことがないという理由からだった。その後案内をしてもらった一階の博物館には、学校やタイの歴史に関する展示物があった。私はこんなにも大きな博物館があること、そして生徒がそれを他国の人に説明出来ることは自国に対する誇りの表れであり、素晴らしいと感じた。日本人も見習うべき部分である。

よく渋滞が起こる 日本車が多く見られた よく渋滞が起こる 日本車が多く見られた

また私はこの日、大きな衝撃を受けた。それはタイの学生との圧倒的な英語のレベルの差だ。タイの学生は本当に英語が上手だった。日本の学生としてショックであり、同時に良い刺激ともなった。学校で学んでいる英語をただの知識にするか、生きた言葉にするかは自分次第であると痛感した。

屋台にはおいしそうなフルーツがたくさん! 屋台にはおいしそうなフルーツがたくさん!

タイに到着して感じたのは“漠然とした違和感”である。多くの看板や屋台、頻発する大渋滞には日本と似ているけれど異国なのだと感じさせるものがあった。道路ではよくバイクが走っていて、制服を着て乗っている女の子や三人乗りをしている人もいた。そして怖かったのは、そんなバイクやトラックが猛スピードで走る道路を横断歩道なしで渡ったことだ。人が横断していてもスピードを落としてはくれない。だが車が止まってくれることを当然と思ったり、何も考えず信号機に安全を任せたりする日本人の姿は、外国人にどう映るのだろうかと考えさせられた。歩道には屋台が多くあり、パイナップルやパパイヤなどのフルーツやタイらしいモチーフの雑貨が売られていた。

タイで見たもの、食べたもの、感じたこと。その全てが新鮮だった。しかし最も驚くことは自分が17年間生きてきた日本までもが新鮮に見えたことだ。外から新しい視点でとらえる。そうして自分の世界を広げていくべきだと思った。

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室賀 元伸さん 桐光学園高等学校2年 タイにおける三菱商事の事業 タイで感じた三菱商事のたくましさ 現地学生との交流会、タイの生活文化体験 「発展中」の熱気を全身で感じた6日間

タイで感じた三菱商事のたくましさ

バンコク市 一瞬、東名高速を走っているかと思ってしまった バンコク市 一瞬、東名高速を走っているかと思ってしまった

朝8時、頭上20メートルにはモノレールみたいで、しかし日本では見たことない車両が広告でいっぱいの電車。地上では、通勤車やバスで交通渋滞。その間をバイクタクシーで通学する少女。この「ただいま発展中」の熱気を帯びたバンコク市内のオフィス街に、泰国三菱商事はある。

◎泰国三菱商事の組織

泰国三菱商事はコーポレートスタッフ部門、地球環境・インフラ事業開発部門、ビジネスサービス部門と新産業金通事業グループ、エネルギー事業グループ、金属グループ、機械グループ、化学品グループ、生活産業グループの6グループに分かれている。今回、自分は機械グループについて取り上げる。

農業国であるタイでは、車体の後ろ半分が荷台になっているピックアップトラック型が、なんとタイ全体のシェア50%を占めている。そして、機械グループの投資先であるISUZUは、その中で大きなシェアを獲得している。

たった五日間ではあったが、見た限り、たしかに車体の後半部分が荷台となっている車は半数以上だった。ただ、荷台で人が寝ているのには笑ってしまった。雨季のタイにおいて、荷台にいたら、濡れないのか?と思ったが、「タイ人は濡れてもあまり気にならない」そうです(笑)

使われなくなったビルが完全に放置されている 異様な光景だった 使われなくなったビルが完全に放置されている 異様な光景だった
◎三菱商事として

「企業の目的として、いかなる場合でも利益は追求しないといけない」。三菱商事の川合さんのその一言に、一瞬固まった。今まで色々な企業の方の話を聞いてきたが、自分から「利益の追求」と言うのをここまではっきり聞いたのは初めてだった。そして、二年前に大河ドラマに出てきたどこまでも泥臭い男、岩崎弥太郎が見えた気がした。しかし、不思議にもその言葉の響きに汚さを感じなかった。

バブル崩壊後、日本のGDPは500兆にとどまり続け、昨年にはとうとう中国に抜かれた。一方で、三菱商事は経済環境に負けることなく資源の部門で利益をあげ続けている。これに対する川合さんのコメントは、「我々は、日本に必要だから資源を確保している。だからこそ、そこに利益が生まれる。」であった。これが、三菱商事の姿勢なのかと思ったと同時に「事業を通じた、物心ともに豊かな社会の実現」を掲げた三菱商事の三綱領の一つ、「所期奉公」が頭に浮かんだ。理念に基づく姿勢を貫き通し、時代のニーズを見極め、利益を追求していく。三菱商事の活躍する舞台は想像以上にシビアで、綺麗事だけで理解できない。だが汚くはない。その神髄にある、三菱商事が築きあげてきたプライドを感じた。

「発展中」の熱気を全身で感じた6日間

童顔が多く、キラキラした瞳が印象的だった 童顔が多く、キラキラした瞳が印象的だった

梅雨明けの成田から6時間。到着したバンコクは雨季真っ盛り。だが、今回のツアーで受けた刺激が、湿気なんか吹き飛ばしてくれた。

◎現地学生に聞いてみた!5questions!

今回のツアーで最も楽しみにしていたことの一つが、高校生との交流会だ。将来タイを背負って行く自分と同世代の高校生との交流で、タイ人の価値観や自分の考えとどれくらい違いがあるのか、知りたかった。

そこで、高校生にだから聞ける質問を考えてきた。

Q1 一日の勉強時間はどれくらい?
    -ウィークデイは3-4時間、土日は8-10時間かな。
Q2 日本では受験英語と実用英語と概念が二分化されているけど、タイはどんな感じなの?
    -そんな概念初めて聞いたよ。学校の英語の授業は、とにかく話すよ。
Q3 (あなたの学校では)塾には、どれくらいの人が通っているの?
    -7割は通っているよ。タイの教育制度は余り良くないからね。
Q4 貴方たちにとって国王、仏教とは?
    -とにかく絶対的。
Q5 海外留学はしてみたい?
    -もちろん!

念願のアユタヤ遺跡 世界史の資料集で一目ぼれした仏像と 念願のアユタヤ遺跡 世界史の資料集で一目ぼれした仏像と
◎発展の底にあるもの

寺、寺、寺。今回、バスでの移動時間は述べ10時間、車窓風景は五分に一度寺院を映した。

国王、国王、国王。この国では、とにかく国王は絶対的な存在だった。発電所でもスーパーでも国王の写真。

何故こんなに寺院、国王ばっかりなのか。泰国三菱商事の川合さんによると、「タイの一般家庭の家計簿には、『喜捨』というポジションが確立されている」というのだ。そこまで宗教観が生活に浸透している。だから、寺院も多いのだ。日本の天皇陛下も国民から熱い支持を受けているが、人々の日常生活に関わることは少ない。一方、タイの国王は、街中の写真やメディアを通じて人々の日常生活に浸透している。文化の違いを実感した。

公然と昼寝しだす猫 これがタイなのだと思う 公然と昼寝しだす猫 これがタイなのだと思う

タイは独自の信心深さを持ち成長しようとしている。それを象徴するエピソードが、泰国三菱商事の古澤さんから聞いた、「タイの工場で生産している他国企業の製品について、模倣被害や著作権侵害などが生じた例は非常に少ない。これは盗みを禁じる仏教思想が影響しているのではないか」という話や、バンコク市内の寺院でトイレ掃除をしていたおばあちゃんに日給を尋ねた時、「お金なんかもらってはいけない。これは私が仏様にできることだから。」笑いながらさらりと返されたことだ。

向上心・野心が欠けているのか。いや、そうではない。そこには、誰も否定できない「タイ文化の精神」があるのだと思った。そして、それを理解し、心から尊重できる姿勢を身につけなければならないと痛感した。

今この時も成長をつづけているタイ。その背景には彼らが守り続けてきた宗教観、国王への敬意が、息づいている。

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毛利 遥さん 青森県立青森南高等学校2年 タイにおける三菱商事の事業 様々なビジネスを行う泰国三菱商事 現地学生との交流会、タイの生活文化体験 大らかな人たちが集う微笑みの国

様々なビジネスを行う泰国三菱商事

ホテルの一室で三菱商事の説明を受けた ホテルの一室で三菱商事の説明を受けた

三菱商事は、私が思っていたよりずっと大きな会社だ。人種などたくさんの相違点があるタイでの事業は大変なのではないかと思っていたが、タイの人は優しい人が多く、あまりガツガツしておらず日本人と合う、とのことだった。

タイの三菱商事では6つの営業グループに分かれており、グループによって取引先や投資先が異なる。三菱商事は当初、資源や原料の海外からの輸入代理店業や、海外のネットワークを駆使した製品の販売代理業を中心としていた。そして、より多くのビジネス拡大を狙い、サービスの提供をするようになり、ビジネスの一連の流れ(『バリューチェーン』と呼ばれる)をカバーするようになった。話を聞いたところ、様々なビジネスを経てきたようだ。

私が特に興味を持ったのは、『バリューチェーン』だ。三菱商事以外でも聞くことがあるこの形態で私が感銘を受けたのは、販売などの情報を他の会社へ提供するだけでなく、その流れの中にある会社への投資も行っているという点だ。このようなことができるのはよほど効率が良いのだなと思った。

おもに電力事情の説明を受けた おもに電力事情の説明を受けた

今の三菱商事は、『トレーディング型ビジネス』と呼ばれる販売の仲介や、『事業投資型ビジネス』と呼ばれる他の会社に投資するという仕事を中心にしている。そのこともあって、事業投資先の会社はたくさん存在する。

しかし、ここまでスムーズに来たわけではない。巨大ゆえに意志の決定が遅くなる、といった様々な問題を抱えてきたと聞いた。変わっていく社会や経済に対応しながら事業を拡大するのは、良いことばかりではないようだ。しかしその流れの中で三菱商事という会社は、総合商社としてここまで大きな会社になり人々の生活を支えている。わたしはそのことに素直にすごいと感じた。

ここまで三菱商事という会社について深く考えることはなかったが、実際に現地で働く方の話を聞いて、とても勉強になった。これからも人々の生活を支えていってほしいと思った。

大らかな人たちが集う微笑みの国

タイの町並み 日本車がいっぱい! タイの町並み 日本車がいっぱい!

日本から飛行機で約6時間半のところにあるタイ。雨季ということもあって、日本とさほど気候に違いはなく、街の雰囲気からはあたたかな印象を受けた。タイは今経済が急成長しているということもあり、首都バンコクにはたくさんの高層ビルが建っていて驚いた。見上げていて首が痛くなるほどだった。

タイの街を見ていて特に感じたのは、タイの人々は笑顔が魅力的だということだ。皆とてもにこにこしていて、さすが「微笑みの国」だなあと思った。自分もつられて笑顔になるほど、タイの人々はあたたかかった。ほかにも、アユタヤ遺跡やバンコク市内を観光し、日本にはない独特の雰囲気をもった寺院や町並みを肌で感じることができた。観光した寺院はとても綺麗で、これからも大切にしていってほしいと感じた。

タイの高校の校内 独特の雰囲気がある タイの高校の校内 独特の雰囲気がある

現地学生との交流は最終日だった。スアンクラーブ・ウィッタヤライ・スクールの学生たちと交流した。着いてまず思ったのが、敷地がとにかく広い!校舎は大きく、湿度が高く暑い気候のせいか、壁がないところがあり、とても開放的だった。

交流会は、私たちの自己紹介を兼ねるプレゼンから始まった。英語のプレゼンは思っていた以上に緊張した。しかし、皆私のプレゼンに反応を示してくれていたので嬉しかった。そのあと、校内を案内してもらった。学校の中に博物館があり、学校の歴史が見て取れた。もちろん説明も全て英語なので聞き取れるか心配だったが、丁寧に説明してくれたので、全部とはいかないものの大まかには理解することができた。ほかにも、案内してくれた高校生と授業のコマ数や始まる時間が私の学校と一緒だということが会話をしていてわかり、離れているのに面白いなと思った。最後に、現地の高校生たちは、私たちを囲んで円陣を組みエールを叫ぶという、伝統の儀式を見せてくれた。私たちを仲間だといってくれ、とても嬉しかった。

タイの街を見たこと、現地の人と交流できたことは、とても刺激になった。自分自身で見たり、聞いたり、感じたりしたことをこれから生活するうえでも大切にしていきたいと思った。

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若松 恵加さん 横浜雙葉高等学校2年 タイにおける三菱商事の事業 三菱商事、共存共栄の精神で 現地学生との交流会、タイの生活文化体験 異文化をもつ高校生との出会い

三菱商事、共存共栄の精神で

タイ三菱商事入口!! タイ三菱商事入口!!

「就職人気ナンバー1」と言われる三菱商事は、海外でどのような事業を展開し、どう活躍しているのだろう。そんな思いを胸に、私はバンコクの中心地にある三菱商事のビルに足を踏み入れた。まず、大きな事業の一つは、今回私達に与えられたテーマでもある電力発電事業だ。電力発電事業においては、タイの約4割の電力は三菱商事が納入したプラントから供給されている。火力発電も然ることながら、三菱商事はタイで世界最大級の太陽光発電所の建設に携わっている。東南アジア諸国の中で最も豊かな国であるタイは、地域のリーダーとしての自負から、再生可能エネルギーの利用に踏み出そうとしていた。その思いを汲んで、三菱商事は時機を失することなく、タイでの太陽光発電所建設に踏み切った。このように三菱商事は、総合商社として培ってきたプロジェクト管理能力や、商社の財産とも言える人的・情報ネットワークを駆使して、パートナーの意思を尊重しつつ、それぞれの事業にあった様々な電力発電事業を展開している。利益を追求するだけでなく、現地の人と手と手を取り合いともに歩んで発展していこうとする姿勢に感動した。

これがいすゞのピックアップトラック!? これがいすゞのピックアップトラック!?

またもう一つのタイでの大きな事業は、自動車関連事業だ。タイでは、いすゞが現地生産しているピックアップトラックの販売事業に力を入れている。タイは農業国であるため、日本では滅多に見ることのない、肥料・作物などを載せるための荷台がついたこの車が、自動車販売の半分を占めている。また、タイでは天然ゴム資源も豊かであるため、タイヤ工場に関わる事業にも従事している。このように、三菱商事はそれぞれの国の特色を生かした事業を展開している。

三菱商事は地球環境の保護などにも力を注ぎ、社会に大きく貢献している。タイにおいては、マングローブの再生の為の植樹、そして昨年洪水により被害を受けた学校の修復などにも積極的に取り組んでいるのだ。

異文化をもつ高校生との出会い

タイの高校生と♪みんなノリがよくて楽しかった!! タイの高校生と♪みんなノリがよくて楽しかった!!

期待と不安を胸に、タイの男子校スアンクラーブ・ウィッタヤライ・スクールの敷地に入ると、いきなりペアの男の子に「Kei~」と自分の名前を呼ばれ、「My name is Pai. Are you Kei?」と流暢な英語で自己紹介された。私も慌てて「Yes. Please call me Kei.」となんとか答える。応接室で軽食を頂き、次は英語での自己紹介プレゼンテーション。しかしほかの探検隊メンバーがプレゼンしている時も、彼はお構いなしに私に英語でバンバン話しかけてきて、正直仲間のプレゼンを聞くどころではなかった。

学校を案内してくれたパイとプレゼント交換!手作りのピカチュウをもらった! 学校を案内してくれたパイとプレゼント交換!手作りのピカチュウをもらった!

私はタイの学生が非常に積極的で友好的であること、また、英語の能力が高いことに驚かされた。彼と私はバスケをやっているという共通点があり、日本のバスケの漫画の話題などで盛り上がった。時に彼の英語が理解できないこともあり、自分の英語能力の低さが不甲斐なく、もどかしかった。しかし、日本語とタイ語という全く別の母国語をもつ私達も、世界の共通語である英語を使う事、またそのつたない英語力を補う相手とコミュニケートしたいという一途な思いを持つ事で、相手の思いを十分理解することができた。英語力も然ることながら、相手を知りたいという強い気持ちこそが私達と世界の人々を繋ぐ架け橋となるのではないだろうか。

タイの食事への不安 杞憂??

タイでの食事の様子! タイでの食事の様子!

出発前、唯一私を不安にさせていたものは、辛いイメージの強いタイの食事だった。日本では出された食事は残さずに食するのが基本である。そのため様々なタイ料理にも挑戦し、きちんと完食しようと身構えていたが、タイでは出された料理を必ずしも完食しなければいけないという風習はないらしく、私の不安は杞憂に終わった。日本ではスーパーでもレストランでも基本的に安全が保証されている物しか扱われていないが、タイでは扱われている物がすべて安全とは限らない。そのため、食するか否かの判断は個人に委ねられているのだろう。ここに日本とタイの食に対する意識の違いを感じた。

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