イベント<スマートライフ>スマートライフカンファレンス 2014年12月1日(月)~12月3日(水) よみうり大手町ホール [聴講者募集<参加無料>]

2015年1月8日

トータルなエネマネで自給自足型住宅へ

パネルディスカッション「住宅におけるエネルギー自給自足の向上に向けて」

【パネリスト】

辻本 圭助氏(経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課長)
「省エネと住宅性能向上がゼロエネの鍵」
塩 将一氏(積水化学工業株式会社住宅カンパニー (セキスイハイム)商品開発部 環境・快適住宅推進グループ グループ長)
「省エネ住宅から自給自足型住宅の実現へ」
長沢 雅人氏(三菱電機株式会社 HEMS 開発センター 副センター長)
「省エネ技術の進化でゼロエミッションを」
政井 マヤ氏(フリーキャスター)
「省エネ先進国 日本の未来に期待」

省エネと住宅性能向上がゼロエネの鍵

辻本 圭助氏(経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー対策課長)

辻本 圭助氏

辻本 圭助氏

 現在、家庭部門・産業部門における電気料金が2割程度上昇しています。これは化石燃料消費の増加や燃料価格の高騰などに起因しており、こうした影響で貿易収支赤字も拡大している状況にあります。

 その一方で家庭やオフィスの電力使用量が増加傾向にあるため、2013年の省エネ法改正で電力需要の平準化のためのピーク対策が盛り込まれ、電力需給を意識した省エネが求められるようになりました。従来のピークシフトだけでなく、使用エネルギーの転換、電力使用量の削減などを組み合わせた平準化が促進されるでしょう。これにより、国全体のエネルギー需給が安定し、化石燃料の輸入量削減、エネルギーコストの低減につながり、家計や企業の収支にも好影響が出ると予想されます。さらに、最新型の省エネ機器導入が進めば生産性も向上し、経済成長を促しながらエネルギー消費を下げていけると考えられます。

 そして、もう一つの対策として強化しているのが、住宅部分の省エネです。国が推進するトップランナー制度は、現時点で29品目の機器が対象となっておりますが、2000年当初と比較すると最新型の機器は約30%エネルギー効率が改善されています。しかしながら、住宅内にはエネルギーを消費せずにエネルギー損失を及ぼすものがあります。それが、窓や壁、床などの建材です。そこで昨年からこの建材における高性能化もトップランナー制度でカバーするべく取り組んでおります。例えば、断熱材は高性能グラスウールに、ガラスはLow−E複層ガラス、窓にはさらに樹脂サッシもプラスするなど、高性能建材の導入に際し、一定の基準を満たす場合には費用の補助も行っています。

 また、新築ビルにおいては今や省エネ基準適合率約9割となっていますが、新築の住宅ではまだ5割程度なため、現在国土交通省と連携し省エネ基準の段階的義務化を進めております。加えて、エネルギーの自立化が可能なZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実証事業やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及事業も促進。2030年にはZEHが新築住宅の平均になっていくことを目指し、取り組みを進めております。

省エネ住宅から自給自足型住宅の実現へ

塩 将一氏(積水化学工業株式会社住宅カンパニー (セキスイハイム)商品開発部 環境・快適住宅推進グループ グループ長)

塩 将一氏

塩 将一氏

 セキスイハイムは2003年から太陽光発電システムや高気密高断熱を実現した光熱費ゼロハイムの取り組みを行っており、現在80%以上の戸建て住宅に太陽光発電システムが導入されています。

 近年は、エネルギーを削減する省エネ住宅から、創エネも含めてトータルで考えるという方向に国の省エネ政策が変わってきているため、これに合わせた住宅展開を進めています。それがZEHの普及促進です。家庭内の消費電力量を上回る創エネを可能にすることで、トータルとしてエネルギー収支がゼロになる住まいと位置づけています。セキスイハイムでは現在、大容量の太陽光発電システム、定置型リチウムイオン蓄電池、コンサルティング型HEMSの3点セットを標準搭載したモデルを積極的に販売しております。その結果、昨年実績では弊社販売住宅の約6割がZEHという結果になっています。

 しかしながら、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の動向や系統への逆潮流の問題を考えると、今後は、電力を売るのではなく、創った電気を家庭内で消費していく自給自足型の生活が重要になると考えています。自給自足型にすれば、電力の節約になるのはもちろん、系統への負荷を抑制することができます。

 その実現のためには、太陽光発電で創った電気の有効活用に欠かせない蓄電池をセットで導入することが求められます。具体的には、昼間に発電した余剰電力を蓄電池に貯め、夜間に使用することで、売電しなくても電気を無駄なく自家消費することができます。

 今後、太陽光発電の余剰電力を貯めて、自家消費したほうが経済効果は上がると予想しており、固定価格買取制度が終了しても、有効に活用することが可能です。

エネルギー自給自足を目指すセキスイハイムの新しいスマートハウス「VtoHeim」

 また業界で初めて電気自動車とPV(太陽光発電)を電力会社の電力と系統連系し、定置型蓄電池と同じように電気自動車を使えるようにした最新のスマートハイム「VtoHeim(ブイトゥハイム)」を一部地域を除いた全国で販売を開始しています。

 エネルギーの最適化を図り、環境性と経済性と安全性を追求した自給自足型住宅の普及に、セキスイハイムは今後も取り組んでいきたいと思います。

省エネ技術の進化でゼロエミッションを

長沢 雅人氏(三菱電機株式会社 HEMS 開発センター 副センター長)

長沢 雅人氏

長沢 雅人氏

 三菱電機のHEMSが目指したのは、省エネと快適の両立です。エネルギーの見える化だけではなく、自動的に節電運転ができ、節電効果を誰もが実感できる製品となっています。

 今や家電製品はネット接続が進んでいる時代。そんな中、弊社のHEMSは業界最多の14機種の機器と無線LANで接続、連携操作を可能にしました。

 また、V2H(ヴィークルトゥホーム)に不可欠なEV用パワーコンディショナにおいては、世界初の電力需給制御システムを搭載。これにより、従来不可能であったPVと系統電力、EVの3種類の電力を混ぜて使用することができ、それぞれの電力を家庭内で無駄なく活用いただけます。さらに、新開発のシームレス充放電技術や自立運転時PV連携技術の採用により、世界で初めて停電時でも安定した電力使用を実現しました。

HEMSでEV用パワーコンディショナの運転状況を確認

 これらを駆使したPV・EV連携HEMSによる実証実験では、住宅の中の家電機器が発電量内で通常使用できるという結果を得ています。

 2世帯住宅においても、1週間連続で悪天候が続くことなどがない限り生活できるという結果を得ています。

 本システムは、電力使用量のみならずEV用パワーコンディショナの使用状況も見える化することで、EVの充電確認も容易に。空調換気システムとの連動によってサニタリー空間の熱エネルギーを制御し、部屋の温度差を軽減することも配慮しています。しかも、ファミリーカレンダー機能を使えば家族のスケジュールに合わせた機器の自動運転もできるなど、みんなが楽しく省エネに参加できるよう多彩な工夫を凝らしています。

省エネ先進国 日本の未来に期待

コーディネーター:政井 マヤ氏(フリーキャスター)

政井 マヤ氏

政井 マヤ氏

 これからは電気を上手に創る、貯める、売るという選択も可能になっていく。HEMSにクラウドや太陽光パネル、蓄電池、EVなどがつながることでスマートライフという未来がより鮮明に見えてきました。さらにエネルギーを自給自足できる住宅も。ますます快適、安全、安心な暮らしが作られていくんですね。エネルギーを軸に技術、サービス、インフラがめまぐるしい進化を遂げ、それらを一体化したシステムが日本の成長戦略として進められようとしています。日本の先進性を実感し、ますます未来が楽しみになってきました。

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