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青少年を性暴力から守るために

「サイバーセキュリティ月間」での取り組み

「青少年の安心安全」を重要課題とするエンターテインメントプラットフォームのTikTokでは、政府が定める「サイバーセキュリティ月間(2月1日~3月18日)」の一環として、性暴力防止啓発セミナーを開催。グルーミング(手なずけ)による自画撮り被害の実態と対策に関して認知を広めるため、人気TikTokクリエイターを招き、専門家による講習会が行われました。

性暴力防止に関する講習会

性暴力(オンライングルーミング)防止啓発セミナー

講師:内田 絵梨さん
NPO法人ぱっぷす 相談主任

「性的同意」を侵害し続ける性的画像

私たち「NPO法人ぱっぷす」は、性的搾取やデジタル性暴力に関する相談に対応する団体です。相談者の望む解決を支援するほか、この問題を社会に広く伝え、社会課題の解決を求めて活動しています。今日はその一環として、高い発信力を持つ皆さんに、デジタル技術を用いた性暴力とグルーミングについてお話したいと思います。
まず、大前提として知ってほしいのは、自分の体をどうするかを決めても良いのは「自分」だけということです。これを「体の自己決定」といい、人によって「バウンダリー(自分と他者との境界線)」は違います。そして、自分の体は自分のものなのだから「性的同意」が必要であり、たとえ恋人同士であっても「今はイヤだ」と思ったなら、それは尊重されるべき権利だということです。
では、性的な画像の場合はどうでしょうか。仮に撮影に同意したとしても、一度相手にわたった写真や動画は、自分の同意なくいつでも相手に見られる状態になってしまいます。拡散すれば、性的同意は侵害され続け、もうコントロールはできません。これをデジタル性暴力と呼びます。今、こうした被害がSNSなどを通じて未成年の間で急増しています。

巧妙に被害者に近づくグルーミングとは

誰しも簡単に性的な画像を送るわけではありません。加害者の多くは、手なずけを意味するグルーミングという手法で近づいてきます。いい人を装い、ターゲットを思いやるような言葉をかけて信頼を得て、関係性を支配した上で「送ってくれないかな」などとお願いをしてきます。断りづらい心理を巧みに利用し、本人の意志で送ったように見せかけるのです。加害者には大人だけでなく未成年者もいて、ゲーム感覚だったり、バレなければいいと考えていたり、加害意識に乏しい。それで、被害者が自業自得だと自分を責めてしまうケースも多いのですが、これは明らかに性暴力であり、犯罪です。
こうしたデジタル性暴力をなくすために大切なのは、被害者が自分の権利を主張し、被害を表面化させることです。同時に、権利を主張していい、相談していい、これは犯罪なのだと誰もが理解する社会を作っていくことです。声を上げることで、多くの人の未来が守られます。伝えることに長けた皆さんの力で、この問題が広く認知され、理解されることを願っています。

講習会に参加して

性暴力防止のため、TikTokクリエイターと考える

参加者

被害の実態を正しく理解し、
ともに啓発を

  • TikTokクリエイター

    岡野 タケシさん

  • (おかの・たけし)弁護士。TikTokでは「大人から子どもまで法律が100倍楽しくなる」をコンセプトにショート動画を投稿する。フォロワー数は約60万人。メディア出演も多い。

石谷
TikTokでは以前から「性的な画像は送らないで」と注意喚起を行ってきましたが、加害者が送らせるように巧妙に関係性を築いてくる実態があります。信頼できる相手だと思っていても、それが被害につながる可能性があるため、今回はグルーミング(*)をテーマに講習会を開催しました。
神堂
デジタル性暴力は学校教育でも踏み込みづらいテーマだと聞きました。今日のように専門家から正しい知識を得て、私たちが広く発信していくことはすごく大事だと感じます。
みいるか
私のフォロワーは若い世代が多く、よく相談も受けています。どうお返事するべきか悩んでいましたが、専門の相談窓口につなげるなど、対応の仕方が学べてとても良かったです。
岡野
未成年に性的な自撮り画像を送らせるのは、刑事罰の対象となる犯罪行為です。逮捕もされます。また、こうした画像を一度送ってしまうと、拡散され続け、取り返しがつきません。加害者も被害者も、人生が大きく変わってしまう。こうした事の顛末をしっかり周知していくこともとても重要だと思います。

*グルーミングとは、「手なずけ」という意味で、子どもに接近して信頼を得ることで、罪悪感や孤立感、羞恥心などを利用して関係性をコントロールすること。

  • TikTokクリエイター

    神堂 きょうかさん

  • (しんどう・きょうか)タレント、インフルエンサー。TikTokではコメディー系の日常あるあるや、食べ物や化粧品などの検証動画で人気を集める。フォロワー数は約160万人。

リテラシーを高め、
安心安全に利用する

  • TikTokクリエイター

    みいるかさん

  • イルカ好きのゆるふわイラストレーター。フォロワー数は約50万人。昨年、『TikTok Awards Japan 2022』で、“Popular Creator of the Year”を受賞し、今回の「#大切なひとを守ろう」ステッカーを制作。

神堂
TikTokはいろいろな安心安全対策機能があるので、直接的に被害を見聞きしたことはないのですが、そうした機能をうまくすり抜けるやり取りをして、ほかの場所に誘導するというのは目にしたことがあります。
岡野
結局、リアルでもデジタルでも、人の集まる場所には悪いことを考える人が一定数いるということですよね。まず、そのことを自覚して、現実を知ることも大切かなと。その点で、こうした啓発活動はすごく有効だと思っています。
石谷
TikTokには未成年者向けの安心安全対策機能もありますので、そうした機能が広く伝わればと考えています。皆さんのような親近感のあるクリエイターの方から言ってもらえると、メッセージも届きやすいので。
みいるか
そうですね。私は、いつものイラストやぬいぐるみを使って伝えていきたいです。
神堂
今回は悪い出会いのお話でしたけど、私はTikTokを通じて本当に良い出会いに恵まれたんですよね。だから、より快適で楽しい場所になるよう、協力していきたいです。
みいるか
TikTokはものすごく影響力のあるツール。今回の問題が多くの方に理解されるといいなと思いますし、またこのような講習会の機会を作ってほしいです。
岡野
まだまだTikTokさんができることはあると思っています。期待しています。
石谷
ありがとうございます。我々も引き続き、安心安全対策を強化し、啓発活動も継続してまいります。
  • TikTok Japan
    Content Ecosystem
    Operation Manager

    石谷 祐真

  • (いしたに・ゆうま)北京外国語大学卒業後、日本に帰国。2018年より現職。TikTok運営チームにてエンターテインメント、スポーツ及びセーフティ活動全般に携わる。

TikTokの安心安全対策機能

ペアレンタルコントロール機能

TikTokは13歳未満の児童の利用は不可。13歳以上の未成年者が利用する場合、保護者が自身のアカウントと連携させることで、子どものアカウントの公開範囲を設定するなど安全性に関わる要素を管理できるようになっている。

DM機能

1対1でのダイレクトメッセージ(DM)のやり取りは犯罪に巻き込まれる可能性もあるため、TikTok内DM機能は16歳以上のユーザーしか利用できない。また、DMではすべての人が画像や動画は送信できないようになっている。

啓発動画はこちらから

ばんちょーさん

@banchoes

矯正ちゃんさん

@kyouseichan

まゆゴンさん

@mayugon_gon

りかべるさん

@rika__bell