• 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~  「海外プロジェクト探検隊」は、三菱商事が海外で展開しているさまざまなプロジェクトの現場を高校生たちが訪問し、現地の模様や肌で感じたことをリポートするシリーズ企画です。 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~

<< 体験リポートバックナンバートップへ戻る

vol.7 夏休み香港・華南 インフラプロジェクト体験ツアー

深圳住宅開発

鳥居 哲弥(18歳) 東京都立国際高等学校3年
山本 直人(16歳) 私立聖光学院高等学校2年
山本 直人

中国の巨大な住宅市場

 総資産約1兆5000億円、売り上げは8000億円となり、今や中国随一の不動産会社となった大企業「万科(ばんか)」。ツアー3日目にその万科を訪問した。モダンでさっぱりとしたデザインの社内、そこで案内役の方が僕たちを迎えて下さった。

世界有数の不動産企業、万科世界有数の不動産企業、万科
 万科は1984年に国営企業として設立され、その4年後に株式会社となり、1991年にA株式市場で上場を果たした。2007年度に売った住宅は5万件と、世界でもトップの数字である。そして、2014年までには約1兆5000億円の売り上げを目指しているという。顧客の満足度は89%と高い水準を誇っている。

 しかし、これほどの大企業でありながら、中国国内全体でのシェアは2.1%ほど。中国市場がいかに巨大なものなのか、それをこの数字から思い知らされた。
 三菱商事はこの万科にダイキンのエアコンを専売的に納入している。ちなみに、日本メーカーの設備があるだけで、ビルや住宅は約2割増しの価格で売れるという。この話を聞き、日本企業の高い技術力を誇らしく思えた。

 説明の後は、最新の住宅機能を展示したショールームに案内された。展示品はどれもユニバーサルデザインをコンセプトに作られている。段差を少なくした床、使いやすさを考えて設計されたキッチン、障害者やお年寄りのために手すりが付けられた風呂やトイレ、採光のための窓、さらにはメンテナンスがしやすいようにデザインされた水道の配管などなど。これらは、日本ではよく知られた機能ばかりである。
 今や中国でも生活のゆとりができて、消費者がそういった「付加価値」を求めるようになった。また、そのような新しいテクノロジーに対応し得る企業も現れてきた。

無数に立ち並ぶ白い住宅無数に立ち並ぶ白い住宅
 日本を追い越す勢いで成長を続ける中国。その中国における住宅機能の発展に、技術を持った日本の企業はどう対応し、中国市場に参入するのか、そこに最も興味を引かれた。

 ショールームを後にし、僕たちは万科が実際に住宅を建てている「第五園」という場所に行った。44万平方メートルの巨大な地域に6期に分けて約5000戸の住宅を建設する計画がなされている。現在は3期までは完成しており、数戸を残してほぼすべて完売しているというほどの人気ぶりだ。4~5期は今建設中で、6期はまだ計画の段階だそうだ。

 「第五園」の中をモデルハウスまで車で案内してもらう。約150平方メートルで2、3階建て、地下室付きの豪華なコンドミニアムである。外観はとても奇麗で、まるでドラマや映画のセットの中にいるようだ。中に入ると広いリビングがあり、ソファーやキッチンが置かれている。ここにも万科の住宅の特徴を見ることが出来る。中国では内装がつかない家が一般的であったが、顧客のニーズに対応して内装付きの部屋を売り出したのだという。

 屋上に出てみると、整然と白い壁の住宅が並び、一定の幅で道路が通る計画都市「第五園」が一望できた。視界いっぱいの建物すべてを万科が建設したものだと考えると、その巨大さに改めて驚く。
 日本と同水準、あるいはそれを超える技術を見せる万科。その力強い企業が持つ影響力を肌で感じた。

▲ ページのトップへ戻る

[広告] 企画・制作 読売新聞社広告局