甘泉外国語中学は、市立中学・高校であるとは思えないほど、美しく近代的な教育設備を備えている学校である。図書館には日本の小説やエッセー、雑誌、漫画がずらりと並んでいて、日本の学校とよく似ているように思われた。
交流会では、学校代表に当たる外事部の女の子2人が僕らを案内してくれた。僕らは交流会に臨む際、彼女たちは日本語を少しだけ話せるのだろうと思っていたが、実際はすべて流ちょうな日本語での会話であったため、本当にびっくりした。僕たちも、意欲満点の彼女たちを見習わねばならないと思った。
彼女たちは、日本の文化や流行を熱心に学ぼうとしている。僕たち以上に、最新の日本のテレビドラマを数多く字幕なしで見て、勉強しているのだと教えてくれて、すごく驚かされた。
交流会場では、日本の折り紙に相当する中国伝統の「紙切り」を、教えてもらいながら挑戦した。彼女たちが丁寧な日本語で手取り足取り教えてくれたので、「喜喜」という文字の紙切りを上手に作ることができた。
また、ミニ卓球大会では、本場・中国の卓球部の女の子と対決した。彼女は想像以上に強く、男2人がかりで汗を流しながら対決に挑んだにもかかわらず、まったく太刀打ちできなかった! ここでは常に、笑いが満ちあふれていた。とても充実した、日中友好を深めることのできた交流会であったと思う。
楽しみにしていた交流会。甘泉外国語中学に着くと、私たちを女の子たちと先生が迎えてくれました。中国の高校生たちはどんな感じなのだろうか? どんな話をしたらいいのか考えながら、会場に入りました。
会場に入ると、歓迎の拍手がいっせいに会場いっぱいに鳴り響き、「熱烈歓迎」の文字が目に入りました。最初に、甘泉外国語中学校の校長先生のお話がありました。校長先生のお話は心に強く残りました。
「新世紀の世界平和を守り、両国をお互いに理解する相互理解によって2つの国を結び、中国と日本の懸け橋になってください」と言われました、私もそうなりたいと常々思っていました。1人ひとりが相手を思いやり理解する努力をすれば、きっと中国と日本の懸け橋になれると思います。
中国代表の学生のあいさつ、そして私たちの代表のあいさつが終わると、中国の民族舞踊がスタート。華やかでとてもかわいかったです。続いてフルートの独奏、二胡の独奏があり、とても上手でうっとりと聞いてしまいました。
学生たちの歌とエアロビクスも見せてもらいました。私たちは、中国語で自己紹介と「世界に一つだけの花」を歌いました。甘泉外国語中学校の生徒は日本語がとても上手でびっくりしました。卓球をしたり、切り絵をして楽しくすごした交流会でした。
中国の第二言語が日本語ということは知っていたが、そこまで上手ではないのだろうと思っていた。しかし、甘泉外国語中学校の人たちは、とても日本語のうまい人ばかりだった。正直、「日本人じゃないの?」などと思ってしまったほどだ。
学校での歓迎会では、僕らの自己紹介を中国語で行う場面があった。1つの語に対してイントネーションが3つも4つもある中国語は、非常に難しい。全然できないまま、本番に挑んでしまった……(うまい人はうまかったですが)。歌もそれほど練習はできていなかったが、何とか克服。
中国の伝統の1つ、「紙切り」。僕らはそれを体験することになった。動物から文字まで、さまざまな模様を作ることができる。隣に座ってアシスタントをしてくれた学生さんは、会った中で発音が一番日本人らしかった。練習すればここまで上手になるのか……と感動してしまった。
聞いた話、その人は日本に来たことがあるらしい。行った所は秋葉原。「『電車男』が好きな所ですよね?」などと聞かれて、笑ってしまった。日本の印象は「サムライ」「オタク」なのか……?
この学校へ来て一番驚いたのは、卓球をやったことのない人が多いことである。中国といえば卓球、というイメージが強いが、実際はそうでもなかったのだろうか……。親善卓球大会は、とても楽しかった。やったことのない人から上級者まで(全然勝てませんでした)、たくさんの人たちと交流することができた。
今後の日中交流は、こういうところから始まっていくのだろう。歓迎してくれた甘泉外国語中学校の方々には、とても感謝している。
日本語教育が盛んなことで有名な、甘泉外国語中学校。中国では、中学も高校も「中学校」と呼ぶそうだ。まずは、学校案内。とてもきれいで緑が豊かだが、日本の学校との決定的な違いは、すべての教室のドアと窓に鉄格子が付いていることだ。
びっくりして聞いてみたら、教室のコンピューターなどの盗難防止らしい。近代的な設備と鉄格子との違和感。ここに、中国の社会が象徴されているように感じた。
続いては、生徒たちとの交流会。生徒たちは皆とても日本語がうまくて驚いた。生徒による出し物がたくさんあり、民族舞踊、笛・二胡の独奏、日本語の歌、エアロビクスの披露など、とても面白かった。
その後は、私たち日本人高校生の出し物だ。最初に、1人ひとり、出発の10日前にもらったMDで練習してきた中国語の自己紹介をした。中国語は発音がすごく難しく、ちょっと上がったり下がったりするだけで、意味がまったく違うものになってしまう。
私はこの10日間、毎日このMDを聞き、ぶつぶつと中国語をつぶやきながら通学した。よし、練習の成果を発揮するぞ! 意気込んだものの、いざ人前に出るとガチガチ。しかし、中国の人たちがとても上手だと褒めてくれていたと後で聞き、とてもうれしかった。
次に、同じく10日前にCDをもらった、SMAPの「世界に一つだけの花」の中国語バージョンを披露。これもまた難しい。意味不明な言葉の羅列を覚えるのはとても大変で、まるでお経を唱えている気分。でも何とか成功を収め、出し物交換は終わった。
その後は、剪紙(せんし)という中国の伝統的な切り絵を、生徒たちと会話しながら体験した。私たちのお世話役は、同学年の高校2年生。「学校は楽しい?」と聞いたら、ちょっと困った顔をして「……タイヘンデス。デモ友ダチト遊ブ、楽シイ」と答えてくれた。高校生はどこに行っても同じなんだな、と感じた。
最後にみんなで卓球大会。中国人はみんな卓球がうまいと思っている皆さん、違うんですよ! 私も、みんなバシバシ打ってきて勝負にならないんじゃないか、と不安だったが、それは杞憂(きゆう)に終わった。
1人だけ、元卓球部のとても上手な女の子がいたが、それ以外はほとんど初心者。しかし、とても楽しい時間を過ごせた。言葉に多少の難があっても、変なミスをすればみんなで笑い、いいスマッシュを決めたらみんなで歓声を上げた。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、もう帰る時間。記念撮影をして、メールアドレスを交換した。「日本に来ることがあったら、絶対遊ぼうね!」。お互いの姿が見えなくなるまで、手を振り続けた。このような触れ合いが日中友好につながっていったらいいな、と思った。