• 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~  「海外プロジェクト探検隊」は、三菱商事が海外で展開しているさまざまなプロジェクトの現場を高校生たちが訪問し、現地の模様や肌で感じたことをリポートするシリーズ企画です。 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~

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vol.10夏休み インドネシア社会インフラプロジェクト体験ツアー

KTB KRM自動車産業

佐々木 香菜江さん 盛岡南高等学校3年 インドネシアの車の裏には沢山の“笑顔”があった

人口2億4千万人、国の東西の距離がアメリカに匹敵するといわれているインドネシアの仕事や足を支えているのが“自動車”である。

どこに居るかわかるかな? どこに居るかわかるかな?

今回の自動車事業の訪問で私は、「日本の車とインドネシアの車の違い」「エコカーの進展具合」「インドネシアでのこれからの自動車事業」の3点を重点に置き訪問した。

初めに訪れたKRMは、1973年に設立し、中・大型トラックやアウトランダースポーツなどを中心に、全ての製造工程の中の溶接・塗装・組み立ての3つを担っている組み立て工場である。3つの製造ラインから年間12万台(昨年度)が作られており1937人(2013年8月)が働いている。

テスト走行をしてくださった、運転手さんは陽気だった! テスト走行をしてくださった、運転手さんは陽気だった!

工場内を見学して直ぐ「日本の車とインドネシアの車の違い」を見つけた。それは、車体とタイヤの隙間幅だ。インドネシアの道路は凸凹の道路が多く、雨が降るとすぐ冠水してしまう為、凸凹道を走行しても車体とタイヤがぶつからないよう、浸水しても水に浸からないよう、日本の車体に比べタイヤの隙間が広い。また、インドネシアの人は規定量を超える物を乗せて走行する為、車軸が強く丈夫な車であることがインドネシアと日本の違いであった。

工場の合言葉は「安全は私から」 工場の合言葉は「安全は私から」
遠いお客さんの所にも伺います! 遠いお客さんの所にも伺います!

工場見学が終わり工場の方とお話しする時間があった。その中で私が「インドネシアでのエコカーの実情を教えてください」と伺うと、KRMの副社長の方が「現在インドネシア政府からは工場の廃水などの環境規制や車への排気ガスの規制もあるが、日本より厳しくない。また、電気自動車やハイブリッドの様な車を製造し販売しても、価格が高くて買える人があまり居ないというのがインドネシアの実情です」と複雑な表情で語ってくれた。私は衝撃を受けた。海外の自動車に対し無知であった私は勝手に日本と変わらないと考えていたが、全くそうではなかった。

今回の訪問で、日本のエコカーが一番進んでいる事がわかり誇りに思ったが、それ以前にインドネシアでエコカーが普及して欲しいと思った。近い将来エコカーが普及するよう、三菱自動車が先陣を切ってインドネシアの人々の意識改革をやって欲しいと思った。

誰に当たるか分かりませんよ!~コールセンターの様子~ 誰に当たるか分かりませんよ!~コールセンターの様子~

次に訪れたKTBは、1970年に設立し卸売りを行っている中心部である。輸入・販売代理だけでなく販売員の研修施設やコールセンター、ディーラーの見本となるショールームなどがある。その中でも一番驚き感動したのがコールセンターだ。日本のコールセンターはお客様がお店に電話するが、KTBでは新車を買った人や修理した人をランダムに選びお客様に電話をしてアンケートを取るシステムであった。三菱自動車が常に発展し続ける要因だと感じた。

現在、様々な課題があるが、その中でも「工場の拡張、車種を増やす、乗用車を安くする」事はこれからの事業の鍵を握っている。

KTBやKRMの従業員の方が楽しそうに仕事をしている姿が印象的であった。お客様も従業員の方も笑顔にする自動車であるからこそ、需要が絶えず日本だけでなく世界で活躍できていると感じたプロジェクトであった。

 

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吉本 竜さん 江戸川学園取手高等学校2年 インドネシアの今日を作る車メーカーの素顔

国づくりに貢献する車をほぼ手作業で組み立てる 国づくりに貢献する車をほぼ手作業で組み立てる

僕達はツアー三日目に三菱車を販売するKTB社と三菱車を製造するKRM社を見学した。KTB社は1970年、KRM社は1973年に設立され、インドネシアの自動車の普及に大きく貢献している会社だ。

最初に訪れたKRM社の工場を見学して気がついたことは、想像していた以上に手作業による作業工程が多いということだった。なぜ自動化が進んでいないのか?その理由を尋ねたところ、若い人の多いこの国の雇用の機会を増やす為というのが理由の一つだそうだ。ニートという言葉をよく聞く日本、また色々な物を海外で生産、あるいは自動化する日本。片や若者に雇用の機会を与え、手作業でモノ作りをする若い国、インドネシア。ちょっと見ただけでも僕達はうかうかしてはいられない、そんな気持ちにさせられる工場見学だった。

身振り手振りでしっかり車の良さを伝えている 身振り手振りでしっかり車の良さを伝えている

次に見せてもらったのはインドネシアにおける三菱車の販売の拠点、KTB社だ。最初に案内してもらったのは、モデル・ショールームという、インドネシア国内の三菱車のショールームの模範、基準となる所だ。ショールーム内は木目やステンレスを基調とし、大きな窓が天井まで伸びる空間はとても高級感あふれるものだった。また、子供用の広場やハンドルとシートの付いたテレビゲームも備えるなど、お客さんに楽しんでもらえる工夫がされていた。中でも僕が最も驚いたのは、納車の時にお客さんが新車に乗る自分の姿を見ることができる大きな鏡が壁に設置してあることだった。こうした鏡が置いてあるのは三菱だけだそうで、高価な買い物をした時のお客さんの気持ちになって用意された、とても素晴らしいアイデアだと思った。

ちょっとした配慮が客と会社を繋げている ちょっとした配慮が客と会社を繋げている

次に僕達は同じKTBの中にある修理工場とコールセンターを見学させてもらった。コールセンターでは三菱車を購入したお客さんにこちらから電話をかけて、車を買った時の店員の対応や車の調子を聞き、それらをデータ化、グラフ化して社内にフィードバックしている。派手な仕事ではないが、こういった小さな努力の積み重ねがインドネシアにおける三菱車の人気の秘密であるような気がした。

2人共いい人で、僕らは終始笑っていた 2人共いい人で、僕らは終始笑っていた
これなら仕事がはかどりそうだ! これなら仕事がはかどりそうだ!

最後にKTBの社員食堂でお昼ご飯を食べたが、ここでは僕達海外プロジェクト探検隊一人につきKTB社員二人についてもらい(一人は日本語が話せる人)、一緒に食事をした。とても明るくて親切な人たちで、きっと会社で働くことが楽しいのだろうなと思った。社員の駐車場の建物の屋上には、バスケットボールやテニスのコートがあり、社員が使えるようだった。きれいな食堂やテニスコートなど社員を大事にしているからこそ社員も会社のために頑張るのだと思う。若い人の雇用を考え、お客さんの気持ちを一生懸命考えて、社員のことを大事にしているKTB、KRMという会社は、これからもインドネシアの自動車産業を引っ張っていく大事な役割を担う会社であると、高校生の自分にもそんなことを感じさせてくれる見学だった。

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