成田空港から飛行機で7時間半、私たちはジャカルタに到着した。その日早速訪問させていただいたのは、三菱商事ジャカルタオフィス駐在事務所だった。とても気さくな総代表の伊勢田さんや、社員の高橋さんたちとお会いし、インドネシアでの三菱商事の事業・活動についてお話を伺った。
インドネシアにおいて三菱商事は、最大の日本の貿易パートナーとなっており、経済成長を続けるインドネシアで、1919年より様々な事業を展開している。その分野も様々で、発電用の電力設備、石油・ガス・金属や石炭などのプロジェクトや、車の部品などを扱うメタルワングループ、そして自動車事業、甘味料などの化学品、さらにはローソンやユニクロといった生活産業など、あらゆる場所・場面で三菱商事はインドネシアの発展に協力する姿勢を見せている。
インドネシアでの三菱商事は上記のように行っている事業だけでも十分重要な役割を果たしているが、企業の社会的責任―「CSR」プロジェクトにも力を入れている。例えば、環境や生態保全のために、インドネシア熱帯林再生事業を展開し、西ジャワ州スカブミ県カドゥダンピット郡・地域住民のための植林並びにグデパングランゴ山国立公園において樹木の里親プログラムを実施している。また、オランウータンと熱帯雨林保護のため、現地のMOF(オランウータンと熱帯雨林の会)と協力体制のもとに保護活動を行っている。地震や津波、火山噴火などのインドネシアの国内災害の復興支援にも力を入れている。さらに、三菱商事は教育の面でもインドネシア人をサポートしている。大学進学支援活動や、奨学金の支給、椅子や遊具の寄付、日本との間での留学プログラム、そして、スクールバスの提供など、インドネシアの若者がよりよい環境のもとで教育を受けられるように支援している。これらに加え、インドネシア産業省と協力し、インドネシア中小企業の生産性向上支援やトレーニングも行っているそうだ。
今回のツアーで実際にいくつか三菱商事の事業の現場へと足を運び、五感でものを学んできた。また、社員の方々の思いを聞き、三菱商事という日本の商社が世界へ進出し活躍、貢献していることの背景には、社員の人々の強い意思や努力が隠されているように感じた。GDPの止まらない成長を見せる、NEXT11及びASEANの代表的存在としてG20にも参加しているインドネシア共和国。三菱商事がその発展を一部で支えているということがよくわかった。これからもこうした事業展開や現地の人々との触れ合い、協力・支援を続け、近い将来インドネシアが経済以外の面でも発展し、国民皆が幸せに暮らせること、さらにはインドネシアと日本がお互いに助け合えるような関係を築けることを切に願う。
訪問前は、三菱商事が具体的に何をしているのか分からなかったが、今回の訪問で疑問を解決する事が出来た。
三菱商事がインドネシアで行っている事業は、発電事業、石油・ガスプロジェクト、金属・石炭の天然資源、鉄鋼製品関連、自動車関連、生活産業など私たちの生活に欠かせない様々な事業を展開し、多くの雇用を生み出しインドネシアのインフラ発展に拍車をかけている。また、利益活動だけでなく、ジャワ島のグデ・パングランゴ山国立公園における樹木の里親プログラムの実施や、カリマンタン島のクタイ国立公園でオランウータンと熱帯雨林の保護などの環境・生活保全活動もしている。
プラザスナヤン・アトリウムで開催した東日本大震災の報道写真展は、多くの人に災害の怖さを伝えた。さらに、インドネシア国内の災害にもしっかり目を向け、地震や津波、噴火による被害者の為に復興支援の実施を行っている。また、大学へ奨学金の支給や留学の推進、椅子やスクールバスなどを提供。中小企業に対しては、自社製品の国内及び海外顧客への販売促進の為、都市の中小企業向けに営業・販売ツールとしてのウェブサイトとインターネット活用のトレーニングで支援をしている。このように様々な事業や支援活動を通じて信頼と身近な存在を手にしていると感じた。
三菱商事ジャカルタオフィス内の会議室に繋がる廊下を歩いていると、右手に見たことのある写真を見つけた。それは東日本大震災の津波の写真であった。写真展の開催で終わることなく、いつもたくさんの人の目に入る所に飾り、より多くの人に伝えようという信念とあの悲劇を忘れないようにしようという気持ちに、被災者の一人として嬉しく感激した。
時代が進み町が変わろうと、企業が人を思う気持ちはいつまでも変わらず、その気持ちに私たちの生活が支えられている。私たちはそのありがたみを忘れてはならない。
成田国際空港から飛行機で7時間半かけてジャカルタ空港に降り立ったのが、つい昨日のことに思える。ジャカルタ空港に降り立ってまず感じたこと、「あれ?意外に涼しいんだな……。」インドネシアは、南の国だから暑いと思っている人が多いかもしれないが、8月のインドネシアは日本のそれよりも涼しいくらいだ。乾季だからか、カラッとした暑さであり、最高気温も30度ちょっとぐらい。8月は、晴天が続き、温度もあまり高く上がらないそうなので、過ごしやすいベストシーズンともいえるのだろう。
私たち探検隊はジャカルタに到着後、まずジャカルタ三菱商事を訪れた。ジャカルタ三菱商事の事務所は、高層ビルの中にあり、ビルの入り口で行われる厳重な手荷物検査の後、ビルの中に入れた。「ここを拠点に、インドネシアで行われている様々な事業を展開しているのだ!」という実感が自然に湧いてきた。
ジャカルタ三菱商事を訪問して、現地の総責任者伊勢田純一総代表にお会いすることができた。オフィスや伊勢田総代表の執務室を拝見させていただいた後、伊勢田総代表の御自宅で夕食を御馳走になった。御自宅は高層ビルの中にあるのだが、どうもこの高層ビルが現地で働いておられる三菱商事社員さんの社宅になっているらしい。広いフロア、部屋の中もゆったりとした広いスペースであり、三菱商事の現地で働いておられる社員さんたちへの配慮がありありと感じさせるものがあった。
さて、ここでジャカルタ三菱商事の事業内容を簡単に説明しておこうと思う。ジャカルタ三菱商事は、発電、石油、・ガスプロジェクトなどインドネシアのインフラ整備に強く関わっており、技術者を現地に派遣して、日本独自の技術をインドネシアの人々に教えている。また、自動車産業、小売業など三菱商事が現地の人々、関連企業と結託して実行に移しているプロジェクトも多数ある。
三菱商事が行っている事業は、インドネシアに結果的に安定した社会基盤をもたらすような事業がほとんどである。ただこれらの事業は、日本に理解がある現地の人々の協力があってこそ社会貢献ができると言っても過言ではない。自分が生まれ育った国「日本」の会社が、現地の「ブランド」向上の為に尽くしているということは、本当に素晴らしいと思う。私も将来は、「三菱商事」のような会社で働いてみたい。
首都ジャカルタにある三菱商事ジャカルタオフィスにてインドネシアにおける多くのお話を伺いました。
ほんの一部を拾いあげてみても、インドネシアで三菱商事の関連する会社は48社、何と8万人の人が働いており、6Billion(2012年実績・日本円で6千億円)のお金を注ぎ込み、エネルギー(石油ガスプロジェクト・発電プロジェクト)、金属、化学品、インフラ・機械、生活産業(小売事業・繊維・農水産・資材)と多岐にわたっています。そして、国営電力会社PLNの全発電容量の35%を供給、ユニクロの進出に出資、自動車販売14万8千台等々、大きな実績を持っています。
しかも、これだけ多くの事業活動をしているにもかかわらず日本から現地に入っている邦人の派遣社員は94人です。
この人数でこれだけのことをやってのけるには現地の企業や人々の信頼を得て、多くの分野で名実ともに力を合わせていなければあり得ない実績です。熱帯雨林再生事業の植林、東日本大震災報道写真展、教育奨学金制度、中小企業への生産向上支援、ヌンタワイ沖地震・津波などの災害復興支援など、三菱商事が行った長年のCSRプロジェクト(国際貢献事業)による努力の賜物です。日本の企業である三菱商事がインドネシアで多くの現地企業と関わり、大きな事業を発展させて国際貢献も実現していることを誇りに思います。
インドネシアだけの取材でしたが、三菱商事は更に多くの国々でも同様の活動を行っており、今後も世界に活躍の場を広げていくことを確信しました。それは私が夢見る侵略や押しつけでない友好的な形で世界が本当の意味でひとつになることを実現する大きな足跡になっていることを実感しました。
近年東南アジアで経済成長が著しい国、インドネシア。インドネシアはかつての日本の植民地であり、終戦後インドネシアの独立戦争に大きく貢献したことから、インドネシアは親日派の人が世界トップクラスである。
そんな歴史的にも日本と深い関係にあるインドネシアに、三菱商事は1998年のアジア通貨危機、2009年のリーマンショックという苦境を乗り越え、現在インドネシアの首都ジャカルタだけでなく、地方のスマトラ島、バリ島、ボルネオ島などインドネシア全体に事業を拡大している。
三菱商事は、発電・石油ガス・石炭金属など様々な分野でインドネシアの経済成長を支えている。特に交通インフラ・生活産業などにおいては、インドネシアの生活になくてはならないものである。三菱商事はインドネシアの日々の生活にとって、必要不可欠な存在となっている。
またインドネシアの人々は主に作物・物資の輸送のために、商用車の需要が増えている。三菱商事の自動車事業は、エンジンの国産化・タイ生産車両の輸入から更なるインドネシアでの自動車市場の拡大を試みている。思い出してみるとインドネシアの街並みを走っているのはほとんど日本車だった。ツアー3日目に訪れた三菱自動車のショールームでは、また次買いたいと思わせる雰囲気づくりをモットーに、お客様に修理・点検のアフターサービスの充実やお客様の不安を小さいうちに解決するために、コールセンターの充実など様々な工夫が施されている。このことからお客様の信頼を勝ち取るために、耐久性・メンテナンスの容易さが重要な要素であると感じた。安心・安全というイメージを持ってもらうために、常に信頼を売っていた。
一方世界では森林伐採、マングローブ減少という自国の経済成長のために環境に負荷をかけている。三菱商事はインドネシアでの社会貢献として、国立公園の植林・希少植物種の保全に努めている。環境・生態保全活動以外にも教育・奨学金や震災支援などの社会貢献も行っている。三菱商事が掲げるインドネシア熱帯林再生事業は全てが利益を本命とした、インドネシアでの事業ではない。そんな三菱商事という企業の偉大さにただただ圧倒された。三菱商事の強さを垣間見たような気がした。
1970年代の日本経済によく似ていると言われているインドネシア共和国。その国は今、とてつもない勢いで発展している。街には多くの外資系企業のオフィスや高級ブランド店が立ち並ぶ。経済成長率は6%を超え、今やASEANの大国の地位を占めている。この成長ぶりに目をつけたのが三菱商事である。発電事業、鉄鋼製品、化学品、自動車、コンビニ、衣料品店など様々な分野に投資している。また日本とインドネシアの輸出入のうち1.6%を三菱商事が担っており、金額に直すと64億$にもなる。この取引額はおそらくインドネシアでは最大だ。
ではなぜ、社会構造も文化も何もかもが違うこの国で発展を遂げることができたのか。それは「地元に馴染むことができたから」だそうだ。インドネシアという国では「つながり」を重視するという文化があり、普段の付き合いがあるかどうかで物の値段や待遇などが大きく違う。これは商売だけの話ではなく警察や役所でも同じであるそうだ。そのため複数回、それも長期に亘りこの国で勤務している人も多いという。中には3回で15年間という人もいるそうだ。またインドネシア語が堪能で文化を知り尽くしている社員が多く、まさに「インドネシアのスペシャリスト集団」である。
もちろんそれだけではない。取引量を増やすためには、そもそも国自体が発展しなければならない。そのために三菱商事は社会インフラの整備を支援している。自動車産業や、発電事業は自社の利益のみならず、社会の利益にもなっているのだ。
今までは商社というとただモノを右から左に流すだけの商売だというイメージがあったが、今回の取材を通して大きく変わった。その国の生活に溶け込み、その国の発展に貢献する。ただものを輸出入するだけではなく、製造段階から全てサポートする。こうしたことの積み重ねの結果が、最終的には商社の利益にもつながっている。インドネシア三菱の取り組み方に、国の発展と共に会社を成長させていこうという意気込みを感じた。
商社といえば、どんなジャンルでもオールマイティにこなす一流企業、そんな印象を持たれがちであるが、これでは商社を語るには少し物足りない。
商社を語る上で欠かせないのが、バリューチェーンという考え方だ。バリューチェーンとは、製品やサービスを顧客に提供する際、調達・開発・製造・販売・サービスといったそれぞれの業務を一連の連鎖的活動としてとらえ、その活動によって顧客に対して最終的な“価値”が生まれるとするものだ。三菱商事は、投資をした会社の運営を補助し、経済面のみならず、従業員の育成、環境保護、地域の活性化といった様々の面で貢献している。
インドネシアでは1919年に事業を開始し、国内最大規模日本商社としてこれまでに約60億ドルにも上るお金を注ぎ込んでいる。48社の投資先があり、全ての従業員を合計するとのべ約80,000人を超える。また、現在三菱商事はインドネシアの総貿易額の1.6%に携わる。
このように商社の仕事は多種多様であるが、実際にインドネシアで働く魅力とは何なのだろうか。その問いに、KTB社に勤める瀬戸さんは「現地の方々と密着して仕事をすることで、そこで勤務しなければ決して見えてこないような現状を把握し、生じた問題をすぐに解決することができる。また人材豊かで活気のあふれた現地での仕事を通して、お客様の生の声や、従業員たちの成長を見届けることができるので、オフィスワークでは得られないような達成感を生む」と答えてくださった。そんな瀬戸さんは、少し怖いけれど頼れる上司だと、現地従業員のモナさんが嬉しそうに教えてくれたことは内緒にしておこう。
「日本の技術を駆使して、現地の手で、現地の暮らしをよくする手助けをする」。
これは、私が実際にインドネシアに足を踏み入れ、現地で働く方々の様子を見て学んだ、彼らが働く上での共通したセオリーである。自分の携わる仕事の規模は関係なく、どんな仕事でも尽力する。そのセオリーを貫き、輝きに満ちた目で誇りを持って自分の仕事をこなす姿勢はとても印象的だった。彼らの担う仕事は実際に世界を支えていくような仕事であり、私はその職業と仕事への向き合い方に強く魅力を感じた。
日本の超有名企業であり、高校生の僕でも名前を知っている三菱商事という会社のインドネシアにおける存在とはどのようなものなのか。きっとインドネシアと日本の間で輸出や輸入をしているだろうくらいに思っていたが、実際に訪れて話を聞いてみると、想像をはるかに超えた存在感があることが分かった。
三菱商事は今から100年近く前にインドネシアに進出し、現在8万人の雇用に関係する等、インドネシアの経済に非常に深く関わっている。また、展開する事業は、エネルギー、金属、化学品、インフラ、機械、生活産業等多くの分野に渡っている。
これら多くの事業の中から、今回の海外プロジェクト探検隊では、地熱発電施設、コンビニのローソン、三菱車の販売と生産拠点をそれぞれ訪問した。さらに三菱商事ジャカルタ駐在事務所を訪れ、駐在事務所で働く三菱商事の皆さんからいろいろなお話を直接聞くことができた。社員の方から話を聞いてびっくりしたのは、三菱商事に勤める人たちは英語ができて当たり前で、さらに英語以外の言語が話せるということだ。実際に事務所でインドネシア語をとても流暢に話しているところを見て、こうした努力が進出した先の地域に根差した活動をするうえで必要なのだろうなと感じた。
今まで僕は英語ができれば世界中の人々とコミュニケーションをとることができると考えていたが、より深く相手を理解するために僕も将来英語だけでなく、相手の国の言語も理解するように努めようと思った。
物の輸出入で利益をあげていると思っていた日本の商社、三菱商事は、実は進出した国の経済の発展にも大きく貢献している。今回訪問したインドネシアでも地熱発電でクリーンな電力を供給し、地域の人々はローソンで便利に買い物ができ、安全で高い品質の三菱車を運転することができる。高校生の僕たちはまだ自分たちの将来を具体的にイメージできていないが、三菱商事の仕事を見て、触れて、他の国の人々に役に立つ仕事の素晴らしさを知ることができ、とても有意義な体験ができたと思う。