• 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~  「海外プロジェクト探検隊」は、三菱商事が海外で展開しているさまざまなプロジェクトの現場を高校生たちが訪問し、現地の模様や肌で感じたことをリポートするシリーズ企画です。 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~

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vol.1夏休み ブルネイ LNGプロジェクト体験ツアー

ウル・トゥンブロン国立公園

保戸塚 弘明 学習院高等科3年/猪俣 貴寛 学習院高等科1年
保戸塚 弘明 保戸塚 弘明
猪俣 貴寛 猪俣 貴寛

ブルネイは約5765平方km、三重県程度の広さの小国であるが、その国土の80%は熱帯林と湿地林からなる。今回の取材で訪れたウル・トゥンブロン国立公園はブルネイの国を大きく二つに分けたうちの東側、トゥンブロン県にある広大な熱帯雨林の国立公園で、首都バンダルスリブガワンからボートを乗り継いで2時間ほどのところにある。

バンダルスリブガワン市街地からトゥンブロン県カンポンバンカーまでは大型のモーターボートで、両側にマングローブの生い茂る、土の色ににごった川や海湾を、途中マレーシア国境も通り抜けて移動する。元「マクファーム」職員の澤田さんはブルネイに来て30年近くにもなる、いわば「ブルネイ通」で、この国立公園見学の際も案内していただいた。

澤田さんによるとマングローブとは特定の植物名を指すわけではないらしく、熱帯地方の海岸線・河口に生育する植物群落の総称だそうで、主にメヒルギ、オヒルギ、ニッパヤシなどから成るという。豊かな生態系を持ち、薪、建材、そして防潮林などさまざまな面で地元の人たちには欠かせない存在として共生してきたそうだ。近年、エビ養殖場の開発などにより減少が進んでいるらしい。

川をのぼる

川をボートで遡る気持ちよさ 川をボートで遡る気持ちよさ

トゥンブロン県・カンポンバンカーの町からバスで10分ほど森へ入っていくとボート乗り場に着く。そこのテラスで紅茶と伝統的なマレー菓子を出していただいたが、これがうまい。ブルネイでは、BLNG(ブルネイLNG社)の会議室でも水上集落で訪問した家でも、とにかくお菓子を出されることが多い。主なものは甘い米を使ったちまき類や、マレー風蒸しパン、マレー風煉り菓子など。ここではバナナの揚げたものを食べたが、中のバナナの甘みと衣の油の香ばしさが合って思いの他おいしい。

お茶を飲みながら澤田さんの野生動植物についての説明を聞いていると、リスのような小動物が外の物置の上に登っているのが見える。市街地から少し奥へ入っただけでも野生の生き物が頻繁に姿を見せるのだ。

一息ついたのちにボートに乗り、国立公園の入り口へ向かって川をのぼる。レガッタに使うくらいの4人乗り小型ボートで、船尾にモーターがついている。いよいよ出発だ。河口のマングローブ林と比べて、ここ上流の水ははるかに澄んでいた。いざ船が動き出すと、緑が両岸に茂る川を、風を受けて遡る気持ちよさ!左右に流れる熱帯林、正面からの風の涼しさ、思わず何度も「すげえ」と口にしたのを覚えている。それにしても船頭をしてくれた少年の棒さばきのうまさには感服した。川が浅くなると長い棒でもって水底を突いて船を推し進めるという仕事をこなすのだが、まだ中学生くらいの彼には達人の風格が漂っていた。

ボルネオの森

キャノピーウォークの吊り橋からジャングルを望む キャノピーウォークの吊り橋からジャングルを望む

ボートを降り、奥地に入ると本格的に緑が深くなってくる。この公園には1200段の階段があり、今回はそれを登って上を目指した。階段を上がるのはしんどいが、先導してくれる国立公園の職員が指差して説明してくれる植物が面白い。蛸の足のような根を持つ木や、野生ショウガ、地元の人が紙ヤスリ代わりに使う葉の植物など、日本で見られない熱帯植物の宝庫というようなところであった。

階段は木製で、舗装がしてあり歩きやすい。聞くところによると、海外からのエコツアーの観光客も非常に多いそうだ。登りきったところには景色を見るためのキャノピーウォークがあって、これが相当な高さである。

一面に広がるボルネオの森 一面に広がるボルネオの森

てっぺんまで登ると、そこからの眺めは、ボルネオの深い森を360度一望できる素晴らしいものだった。遠くに濃い緑の山々が連なり、眼下には幹の高い木々が見える。本当に、オランウータンでも出てきそうな熱帯の密林が広がっているのだ。また、どちらがより良いというわけではないが日本の森とボルネオの森とでは木々の緑の「濃さ」において、ボルネオのほうがだいぶ濃いことがわかる。この森に赤い夕陽が沈む様子はさぞ迫力があって美しいだろう。

ここでしばし泳いで楽しむ ここでしばし泳いで楽しむ

キャノピーウォークを降りて昼食をとりながら一休みした後に、周囲に植物のツルが垂れているような、まさしくジャングルの川でひとしきり泳いだ。1200段を登って汗をかいた後だったので爽快(そうかい)だ。ボートに備えつけの救命胴衣を借りて浮かんでみたが、ただ水に浮かんでいるだけでも気持ちよく、時間の流れがずいぶん緩やかになったような気がした。

遠い昔からあったのだろう、このボルネオの大森林の風景は絶対に絶やしてはならないものだと思うし、今まで悠久の長い年月をかけてこの地に息づいてきたのだから、これからも末永くこの緑を残していくことが人類の責務であろう。

(文責・1年猪俣)

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平山 雄大千葉県立佐原高等学校2年/五十嵐 光嗣千葉県立佐原高等学校2年
平山 雄大 平山 雄大
五十嵐 光嗣 五十嵐 光嗣
最初に乗った船

現地滞在3日目の8月12日は、ウル・トゥンブロン国立公園を見学させていただきました。この国立公園は、マレーシアの中にある飛び地にあります。ホテルそばの船乗り場からチャーター船で約50分。テンブロンというところで船を降り、続いてボートに乗り換えてさらに40分ほど川をさかのぼり向かいます。この国立公園は、ブルネイが豊富な鉱産資源によって森林資源に依存することなく発展してきたために、今もなお原生状態のマングローブ林が保たれています。

窓から見える水上集落 窓から見える水上集落

それでは船に乗って実際に出発してみましょう。こちらの船内はベンチのようになっていて快適です。窓の外には、世界最大の水上集落が見えています。この水上集落は翌日うかがうということで、楽しみになってきます。船はあまり揺れずに川の両岸が市街地だった首都中心部を抜けて、両岸がマングローブ林になってきました。

僕は今回ブルネイにうかがうまでマングローブという名前の植物があるものだと思っていましたが、本日案内してくださり、昨日の交流会を開いてくださったブルネイ日本友好協会の澤田紘さんのお話によると「熱帯・亜熱帯地方の海岸線や河口域に繁茂する植物群の総称」だそうです。

澤田さんは、マクファームの飯島さんの先輩でマクファームをオープンさせ、その後の運営に最近まで当たられた、植物・動物のスペシャリストなので頼りになります。

ルネイ・マレーシア国境事務所 ブルネイ・マレーシア国境事務所

ちょっと朝早く起きたのと、昨日の交流会がみんな名残惜しくなかなか帰らず、時間を延長してしまったので夜更かしになり、船のゆれが心地よく眠くなってきました。いつの間にか寝てしまったようで気がついたら船は泊まっていました。おかしいな、いくらなんでもまだ手元の時計を見ても20分しかたっていません。キョロキョロしていると僕が目を覚ましたと気づかれた澤田さんがここからマレーシアを通るからその届けを出しに行っているところだと教えてくれました。

なるほど、飛び地なのでブルネイ内の移動でも通行許可が要るようです。実際にはパスポートチェックも無くほとんど実感はありませんが、よその国を通っていかないと飛び地には行くことはできません。ちょっと日本ではない光景なので奇妙な感じがします。安心したところでもう一眠りしてしまい次に目が覚めたのはテンブロンにつく直前、船の汽笛にびっくりして飛び起きたときでした。ちょうどホテルにいて夢の中でも寝ていたので、一瞬縁起でもないですが火事になったかと思いました。狭い船の中で寝ていたのにいきなり飛び上がったため、みんなに笑われてしまいました。

ボートの様子 ボートの様子

さて、テンブロンからバスで15分ほど移動してバタンドゥリというところに向かい、モーターボ-トでさらに上流に向かいます。このボートはお尻にエンジンが付いているので漕がなくていいのですが、この日は川の水が少なく、時々船頭さんが船を降り、押して岩場を乗り越えていきます。このボートは小さいので3艘(そう)に分かれて出発です。

僕たちのボートは最初に出発したのですが、岩場を乗り越えるのに手間取り、いつの間にか後から来たボートに追い越されてしまいました。日本の船頭さんなら抜かれた方も追い越しをかけようとするのでしょうが、この国立公園では時間がゆっくりと流れているので、そんなことを気にする人はいません。

国立公園の地図 国立公園の地図

ボートの後ろの席には石橋記者が乗っていらしたので、マクファームのところでちょっとお伝えしましたとおり、質問タイムにしようと機会をうかがっていました。まずは僕の方から、僕たちの学校のある千葉県佐原市では「水郷の街佐原」ということで観光船を市が中心となった第三セクターで運営していて、市街地を流れる小野川に船が航行しているという話をさせていただいて、今日の国立公園のように川の水が少ないと、川底が浅いこともあって観光船が運行できなくなってしまうので、国土交通省利根川河川事務所の協力のもと利根川に通じる水門を開け閉めすることによって小野川の適正な水位を保ち、観光船の運航をしている話を申し上げました。

続いては、石橋記者の番といった感じに持ち込ませていただいて、支局時代の話を中心に伺いました。支局勤務は、新聞記者にとって事実上の修行時代に当たり、石橋さんは関東地方の支局で裁判所や警察署を回られたり、地方の再開発計画を取材されたりしたそうです。石橋さんよりももっと経験の長い先輩の記者さんの時代では、「タコ部屋」と呼ばれる支局の狭い部屋に先輩と一緒に住まわれ、先輩のお世話をしながら修行するなど大変だったと聞いたことがあるそうです。昔の「タコ部屋」時代の記者さんは、隣がすぐ支局の仕事場なので電話が鳴ったら休みの日でも取りにいかなければならないのでなかなか気が休まらなかったらしいと教えてくださいました。今も大変なことは多いけれど、やりがいが大きくやる気のある人にとってはすばらしい職業だと語って下さいました。

ほかにも色々伺ったのですが、僕が石橋記者に対する質問タイムにする予定がだんだん石橋記者のペースにはまってしまい、終盤は石橋記者からの質問に僕が答えさせていただくといった展開になってしまいました。やはりプロだなあと思いました。

階段の様子 階段の様子
熱帯の植物 熱帯の植物
キャノピーウォーク キャノピーウォーク
キャノピーウォークからの絶景 キャノピーウォークからの絶景

ようやく国立公園に到着です。ここから片道1200段の階段を登り、野生動物の研究用に設置された展望台「キャノピーウォーク」に向かいます。頼りになるはずの案内人、澤田さんはもう何度も登っていて、疲れるから下で待っているよとおっしゃってお留守番です。まあともかく出発です。

僕は、滑ったらどうしようと思うと不安でしたが、仕方がないのでいつもの100倍くらい用心して慎重に登り始めました。しばらく足場の悪い階段が続きましたが、途中からは結構歩きやすくなっています。今までの夏の旅行は、海or山で、山といったら長野県志賀高原に小中学校の林間学校で行ったことがありましたが、熱帯のジャングル見学は生まれて初めてです。生まれて初めて高山植物を見たときも驚きましたが、ここジャングルの植物はもっと見たことが無いような形をしています。どの植物を見てもバナナが生えてきそうだなと思ってしまいました。

何とか無事転ばずに頂上まで登ることができたのでよかったです。ここからキャノピーウォークに登ります。下から見ると結構高いので、大きく首を持ち上げて真上を見るようにしないと見えません。写真からもキャノピーウォークの高さがわかっていただけるでしょうか。今度は滑ったらタダじゃすまなそうなので、もっと慎重に登っていきます。どんどん登っていくと一番高いところに何とかたどり着きました。ここで見た景色は登ってくるまでの苦労とは比べ物にならない景色で、ずっと心に残るだろうと思いました。

この国立公園では、環境保全のためにお手洗いと水道をあえて設置してありません。そのため汚水が川に流れ込まず、とても水が冷たくて澄んでいます。さすがに飲むことははばかられますが、水遊びにぴったりでドイツからの観光客の皆さんは顔を洗っていて、これぞ清流といった感じでした。日本の国立公園でもお手洗いの設置や管理が問題になっていますが、まったく設置しないというのもひとつの方法かなと思いました。

ただ、その場合は自分で殺菌効果のあるウエットティッシュなどを持ち込み自己責任でごみを持ち帰るなどの対応をとる必要があるので、一長一短ではあります。今回、僕はまだ現地到着まで水道が無いことを知らなかったのですが、念のためウエットティッシュを持ち込んでみましたが、やはり持っていってよかったなと思いました。

先に頂上についた保戸塚さんと猪俣さん 先に頂上についた保戸塚さんと猪俣さん

やはり食事の前は手ぐらいきれいにしたいということになり、環境保護と快適性の両立は難しいなと考えていましたが、結局は自分で責任を持ってごみを持ち帰ればいいのだなと改めて思いました。皆さんも自然公園などに出かけられる際は、ごみはきちんと持って帰っていただきたいと思います。ジャングルは日本では見ることのできない自然体系があり、また見てみたいなと思いました。

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野村 遙子山口県立徳山高等学校1年/藤井 菜野子山口県立徳山高等学校1年
野村 遙子 野村 遙子
藤井 菜野子 藤井 菜野子

国立公園の雄大な自然

今日はブルネイの国立公園へ行った。人の手が加えられていない原生状態の大自然で、ボルネオ島の1%にも満たない狭いブルネイに、ボルネオ全島の半分にあたる種類の植物が生息している。国立公園までは船とバス、小型モーターボートを乗り継いで行く。

ブルネイの細長い木々 ブルネイの細長い木々
 

ガガガガ・・・船がすごい速さで進んでいく。河の両岸には、少し濁った水から木や草や根っこが河に覆い被さるように茂っている。私は4~5メートル、もしくはそれ以上あるのではないかと思われるマングローブの木のあまりの高さ、水から何本もにょきっと突き出ている根の力強さに圧倒されっぱなしだった。そんな中でも、一番目を引いたのはヤシの木だった。

ひょろりとした幹なのに、太陽に少しでも近づきたいと言わんばかりにはるか上のほうまで伸びていて、日本の木とまったく違うたくましさがあった。

今日はこの国立公園のスペシャリスト、澤田さんも同行された。

「今日のような天候だと、木の一番上にテングザルが座っていることがあるよ」と澤田さんがおっしゃった。

テングザルといえば、体が大きめで、鼻が天狗(てんぐ)のように丸く大きいのが特徴である。よくテレビでテングザルを見ていた私は、実際に見られると思い、わくわくしてずっと木の上を見ていたのだが、残念ながらこの時はお目に掛かることはできなかった。

キャノピーウォークに着くまでも大変 キャノピーウォークに着くまでも大変

船でしばらく行くと、途中でマレーシア領に入り、そしてまたブルネイ領に入った。ブルネイは飛び地になっているからだ。連続した光景なのにある場所から国が違うというのは、島国の日本しか知らない私には少なからず驚きだった。「一続きの川や土地に目に見えない線を引き、ここからは誰のものなんてどうして決めたのだろう、川の魚も、木の葉も風もこんなに自由に行き来しているのになぁ」と、“国境”というものが少し無意味に感じられた瞬間だった。

その後、小型バスに乗り換えてモーターボート乗り場に着いた。そこでいただいたブルネイの伝統菓子のバナナ揚げが甘酸っぱくておいしかった。

ボートは風と競争するかのようにビュンビュン進んでいく。真っ青なブルネイの空と強い太陽の光を浴びてキラキラ輝く水面。ボートが切っていく、ムッとしたアジアの風。そして川の両岸を覆い茂っている熱帯の木々たち。

首の皮?のような不思議な木 首の皮?のような不思議な木

この贅沢な、生まれて初めて出会う風景に間近に包まれて、私は自分自身が水や風になったような錯覚に陥った。そして徐々に心が潤されていくのを感じた。なんだか日本で悩んでいたこともちっぽけなことに思えて、今ならなんでも受け入れることが出来そうな気がした。

船から下りると、木の階段を登りはじめた。階段をみんなで汗をたらしながら上るうちに、セミの鳴く声や、サルのギャアギャアと叫ぶ声、虫の音など今まで聞いたこともないような音がたくさん聞こえてきた。木の階段の両側には不思議な植物がたくさんあった。人が首の皮を伸ばした時のように幹が平らに伸びている木。猿がぶらさがりそうな長いツルが上からたくさん垂れた木。毒キノコのような真っ白いキノコもあったし、葉っぱを折るとトロピカルフルーツのような匂いのしてくる植物もあった。珍しいものがありすぎてガイドの人の説明を聞くのとまわりを観察するのに精一杯だった。この国立公園は専門家もよく訪れるそうで、まだまだ発見されてない動植物もあるらしい。

木より高い、高さ40mのキャノピーウォーク 木より高い、高さ40mのキャノピーウォーク

歩き続けて足が疲れてきたころ、ようやく前が開けた。「あれがキャノピーウォークです」。ガイドさんの言葉につられて上を見ると鉄筋の階段が木の上に伸びていて、橋がはるか上の方に見えた。あまりの高さに一瞬たじろいだ。気を取り直して上に登るにつれ階段が揺れるのを感じ、恐怖心でいっぱいになったがそのうち慣れてきた。階段を上るごとにまわりの木々を登っているかのように思える。網があるからできないが、手を伸ばしたら葉っぱもつかめそうだった。

階段を上りきると、鉄の橋が架けてあった。橋を歩き始めると木々たちをすべて上から見ることができた。普段動物は木の下だと日光も届かないため木の上で生活しているらしい。遠くの鳥の不思議な鳴き声を聞きながら、私も、そんな動物たちと同じ視線で森を見渡しているのだと思うとドキドキした。

ちょっと怖い… ちょっと怖い…

橋を渡り終わると、また上への階段があり、さらに橋があった。さっきよりももっと景色は遠くまで広がっていて、下の人々は米粒のようだった。空気は澄んでいて、太陽が照りつけて、ブルネイの緑はずっと遠くまで続く。もう怖いのも忘れて私は体全身でブルネイの自然を感じた。世界の広さを感じた。このブルネイの自然をずっと大切に守っていくべきだと本当に思った。

ブルネイの経済的な豊かさを学んだ次の日だったこともあり、この日はこの国の自然の豊かさに圧倒された日だった。

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鈴木 望文教大学付属高等学校3年/杉浦 茉奈実文教大学付属高等学校3年
鈴木 望 鈴木 望
杉浦 茉奈実 杉浦 茉奈実

ブルネイの大自然を1か所で感じられるのがこの国立公園である。その雄大さは、“地球の本来の姿”とも言えるだろう。そこでは、様々な植物を目にすることができる。

ブルネイは豊富な石油と天然ガスに恵まれていたため、現在でも多くの熱帯林(雨霧林)と湿地林(ピートスワンブ)が残っている。これは、国土の約80%にもなる。原生のマングローブが多く、世界的に見ても珍しい。そもそもマングローブとは、ある植物を表す名称ではなく、熱帯・亜熱帯地方の海岸線や河口域に繁茂する植物群の総称である。このマングローブは、知らないところで私たちの生活にとても大きな役割を果たしている。

散策シーン 散策シーン

それは、温暖化防止という点である。マングローブの成長力は植林3年目ごろから旺盛になり、条件がよいと年に1m成長する。マングローブ林1haの年間CO2固定能力は6.9トンという研究結果もあり、この2つのことから、造成したばかりのマングローブ林では、成長が止まるまでの間は温暖化防止効果があると考えられるわけだ。見えないところで役割を果たすマングローブを間近で見て、学び、そしてたくさんのことを感じとれたと思う。

また、この中にはキャノピーウォークもある。これは、10m以上ある木の樹幹を上から見るために、1200段もある階段を上った山の頂上に建てられている。階段を上った疲れと、想像もできないような高さのキャノピーを登る苦労が吹き飛ぶほど、上から見るブルネイの自然は美しかった。

また、公園内の川で泳いだり、魚を見たりもした。

そして、私達はこのウル・トゥンブロン国立公園で、ブルネイの雄大さを身近に感じる事が出来たのだった。

キャノピーウォークでの1ショット キャノピーウォークでの1ショット
川が浅いため小型の船で川を遡った。 川が浅いため小型の船で川を遡った。
国立公園内の説明風景 国立公園内の説明風景

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