• 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~  「海外プロジェクト探検隊」は、三菱商事が海外で展開しているさまざまなプロジェクトの現場を高校生たちが訪問し、現地の模様や肌で感じたことをリポートするシリーズ企画です。 海外プロジェクト探検隊~世界の仕事現場を見に行こう!~

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vol.1夏休み ブルネイ LNGプロジェクト体験ツアー

交流会

保戸塚 弘明 学習院高等科3年/猪俣 貴寛 学習院高等科1年
保戸塚 弘明 保戸塚 弘明
猪俣 貴寛 猪俣 貴寛

「こんばんは」が「スラマットマラム」、「ありがとう」が「トゥリマカシ」、「私の名前は猪俣です」は「ナマサヤ イノマタ」。とりあえずこれだけのマレー語を覚えて会場に入った。会場は首都バンダルスリブガワン市内のホテルの大広間。交流会はブルネイの高校生だけでなく、日本語を学ぶ大学生、それからブルネイ日本友好協会の関係者、さらには現地紙の記者まで参加して、予想以上の人数であった。我々学習院2名の座ったテーブルには、他に徳山高校とブルネイの高校(厳密にはプレ・ユニバーシティーと呼ばれるそうだ)から4名、大学生2名が同席した。

この大学生のうちの男性1人はS氏といい生物学を専攻しているそうで、今日本で流行っている「あざーす」(ありがとうございますの意)などの単語を使いこなすなどやたらと日本語がうまく、場内の盛り上げ役に徹してくれた。現地大学生の企画したカラオケ大会、プレゼント交換などイベントが途切れることなく目白押しであった。

あの単語浮かばねえよ

同席したメンバーで 同席したメンバーで

食事をしながらの話の内容としては、簡単な自己紹介からブルネイという国へ来ての感想やマレー料理のこと、それから日本の文化についてなどが主だった。ブルネイでは剣道や空手など日本の武道はメジャーなようで、先日には、ブルネイ日本友好協会主催の剣道教室も開かれたそうだ。こちらサイドには剣道の経験者もいたので「コテ」「イッポン」なども通じた。またやはり和製アニメも有名なようで、現地学生が結構マニアックな漫画を読んでいたりして楽しい。スキンヘッドの強そうな高校生がジャパニーズティーセレモニー、茶道を知っていたのも意外だった。

交流会進行の様子 交流会進行の様子

実際のテーブル内での会話を通して思った率直な感想は、「気まずい、歯がゆい、悔しい」。なかなか話が盛り上がらないというのもあり、「言葉の壁」というのは確かにあるということを実感した。ブルネイではかなり早い時期から英語教育が行われていて、向こうの参加者は英語が得意なので、なおさらこちらが気まずい。

「日本語だったらここでこういう言い回しをするのに」「あの単語思い浮かばねえよ」。そんな思いの連続で、勉強不足を身に染みて感じた。また、よく言われていることだが日本の学校英語は「話す」ことに弱いのではないか、少なくとも学校の教科書の範囲は文法には強いが、会話という面から見たら厳しい。何にせよ英語を勉強しておけば「人と人とで関わる楽しみ」を味わう機会も増えるだろう。

また、お互いの国のことをよく知っていると話もよく弾む。言い方を変えると「話のネタ」は多いほうがいいと感じた。ブルネイ歴の長い澤田さんに言わせれば、ブルネイ人は日本をだいぶ知っているが逆はそうでもないとのことだ。何に対しても興味を持って吸収し、知ろうとする姿勢は異国間でのコミュニケーションの円滑化にも大いに役立つだろう。

前に出る勇気

そして一番大事だと思ったのが「前に出る勇気」だ。現地の大使館に仁坂ブルネイ大使を訪問した際に、国際交流をするうえで重要なことの一つが「前に出ること」だと大使がおっしゃっていた。確かにそうだ、言語のミスを恐れずに積極的に話を切り出す勇気、これが足りなかったと実感した。外国の人に自分を売り込むときは、「ここは抑えておいたほうが…」「あまり目立つのも…」という日本での「恥の文化」を取り払い、一発「しゃしゃり出る」くらいの勢いは必要かもしれない。

全員集合。日ブ友好の架け橋になれば 全員集合。日ブ友好の架け橋になれば

澤田さんは「是非ブルネイと日本の友好のためにも、両国の情報交換を絶やさず行ってほしい」とおっしゃっていた。同席したY君という生徒とメールアドレスを交換して、ネット上での文通を始めたばかりだ。会話はポンポン弾まなくても、文章なら辞書を引きながら何とかやりとりできる。お茶の間発信の電子メールの行き来から、いつか日本とブルネイの間の大きなパイプが出来ればいいと思う。ブルネイという国と一生かかって付き合っていけると非常に幸せだ。

(文責・1年猪俣)

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平山 雄大千葉県立佐原高等学校2年/五十嵐 光嗣千葉県立佐原高等学校2年
平山 雄大 平山 雄大
五十嵐 光嗣 五十嵐 光嗣

LNGプラント、マクファームと、三菱商事のプロジェクトを見学させていただいた後は、首都バンダル・スリ・ブガワンの中心部にあるリバービューホテルにて、ブルネイ日本友好協会の皆さんが開いてくださった現地の高校生・大学生との交流会に出席させていただきました。実はあまり僕は英語が得意ではなかったのに「まあ何とかなるさ」と誤魔化していたのですが、直前になって緊張してきました。

日英ごちゃ混ぜトークをした3人組 日英ごちゃ混ぜトークをした3人組

隣の席のブルネイの高校生Sgukri君とお互いの自己紹介をし始めたのですが、僕が「Chiba Prefectural Sawara High school (千葉県立佐原高等学校)」に通っていると話したのですが、お隣のSgukri君はプリンス何とかと言っていたので「プリンス???高校の話じゃないのかな」と思って頭の中が「???」となってしまいました。よくよく話を聞いてみると「Prince High School(王立高等学校)」に通っているそうで、彼の話からもブルネイは王国だったのだなと思いました。

彼の話によると、ブルネイでは小学校から英語を勉強しているそうですが彼もあまり英語には自信が無いようで、英語と日本語が少しできるブルネイ大学のAmalinaさんが間に入ってくれて、僕のいい加減な英語+日本語→Amalinaさんの解説付き英語+マレー語→Sgukri君というルートでちょっとトンチンカンなところもあるトークが始まりました。Sgukri君によるとブルネイでも日本のアニメキャラクターの「クレヨンしんちゃん」は人気で、小学生くらいまではよく見ていたそうです。日本には親しみを持っていると語ってくれました。

ブルネイ大学支部長の挨拶 ブルネイ大学支部長の挨拶

さて、交流会はブルネイ日本友好協会ブルネイ大学支部長Saiful Afrizamさんから歓迎の挨拶をいただきました。そのお話によると、海外プロジェクト探検隊の逆さバージョンとして、ブルネイの大学生が日本に来て東京電力・東京ガスのLNG受け入れ施設を見学する計画があるそうです。

続いて「フォーファット」という、椅子の下にカードがあった人は順番に司会者の指示でパフォーマンスをするというゲームをしました。運悪く僕の椅子の下にもフォーファットカードが仕込まれていたため、司会者の指示でドラえもんのまねをする羽目になりました。いきなり言われてもどうしようということで「Nobita !!! What's the matter???  Zyaian hit you didn't it? (一応訳:のびた。どうしたの ジャイアンに殴られたのかい???)」と叫んでひとり抱きつくポーズをしてみたところ、一発で皆さんから「ドラえもん」という答えを言っていただけたので、何とか解放されました。その様子からすると「ドラえもん」もブルネイにおいて人気があるようです。

ブルネイ大学のヌルさんとの写真 ブルネイ大学のヌルさんとの写真

いよいよお楽しみの夕食の時間になり、テーブルごとに楽しい会話が始まりました。先ほどのトリオで、さらに僕が運び込んだ電子辞書を手助けにして食べ物やお箸の話、LNGプラントを見てきた感想などを話しました。僕は食が太くないので現地風しゃぶしゃぶはあまり食べれられませんでしたが、みんなは旺盛な食欲でびっくりするほどの量を食べていました。ブルネイやマレーシアでは生活レベルの指標や豊かさの象徴として、男女共に太っていることがいいことなので、日本と異なりダイエットの趣味は無いそうです。

食後は伝言ゲーム大会で、Amalinaさんから「論より証拠」という伝言が伝わってきました。最初は「ロリヨリションコ」のように聞こえてきたので、マレー語か何かかなと思っていたのですが、ちょっと反則ですが電子辞書を貸してほしいというので渡したところ、画面に出てきたのは「論より証拠」でした。英語でも同じような意味のことわざが一緒に出るのでみんなで意味がわかりアーって声が一斉に出ました。

普段、電子辞書は英語の学習ぐらいで生活の道具にはなっていなかったのですがコミュニケーションツールとしても使えるのだなと、思いがけない利用法に気がつきました。さらに伝言ゲームは続き、ちょっと反則ですが日本語のことわざの意味をみんなで共有しながら和気あいあいとしたゲームが続きました。

さらに、高校生リポーターみんなで現地の民謡「Rasa Sayang」を歌いました。ちょっとした手違いでサビの部分しか歌詞を覚えていなかったのですが、途中からは現地学生と一緒に大合唱になりました。現地学生の皆さんもキロロの「未来へ」を歌ってくれたのでうれしかったです。ほかにもいろいろなアトラクションや話をして、最初は緊張していましたが次第にうち解けることができて楽しかったです。

今回の交流会がすぐには日本とブルネイの関係に影響してこないでしょうが、今回の交流会のように市民レベルからでもブルネイと日本の関係発展につながればいいなと思いました。島国なのでほかの国との交流が伝統的に少なかったわが国では、もっと世界に目を向ける必要があります。たとえブルネイのことを知らない人でも、都市ガスや電気を使わないということはないでしょう。またブルネイ産にとどまらず輸入食品を食べることもあるでしょう。だったらその供給源にちょっと目を向けてみることでも、世界の国々と日本の繋がりが見えてくるのではないかなと、交流会の会場でふと考えました。

次にこういった機会を得るまでにもっと英語力をつけて色々な話ができるようになりたいと思い、最近では日本にいてもこのような外国の方と交流を持つ機会が得られるようになっているので、今後は積極的に参加してみようかなと思いました。みなさんもちょっと勇気を出されて参加してみてはいかがでしょうか。

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野村 遙子山口県立徳山高等学校1年/藤井 菜野子山口県立徳山高等学校1年
野村 遙子 野村 遙子
藤井 菜野子 藤井 菜野子

Saifulと一緒に

光の中で、いろんな言葉が交わされ、笑い声が聞こえていた。ブルネイに来て二日目、リバービューホテルでの現地の高校生、大学生との交流会の事だ。私は食事のテーブルに着き、周りから聞こえる英語やマレー語に緊張してしまって、パーティーが始まってからも何を話そうか必死に考えていた。

わたしの左隣にはブルネイの大学生のSaifulという男の子が座っていた。

食事テーブルでみんなと 食事テーブルでみんなと

緊張しながらも「Nice to meet you.」と言ってみた。すると、すぐにこっと笑って返事をしてくれて、そこから会話が始まった。

外国人というと、英語の授業でALT(外国語指導助手)の先生と少し話したことがあるだけで、学生と実際に話をするのは初めての体験だった。

Saifulはこの交流会の最初にスピーチを行っていて、日本語も少し話せ、愛・地球博にも来たと言っていた。

日本人と違って、Saifulはまっすぐに私を見つめて話してくる。私は意識していなかったが、普段日本人は話す時そんなに相手を見ない。やはりここが外国との違いで、私も普段相手の目を見ないことが多いため、一生懸命目をそらさないようにした。

Saifulのスピーチ Saifulのスピーチ

ブルネイでは小学4年生で、すでに授業が英語で行われるそうだ。それに対して中学からやっと英語を習い始めた私は、会話の中で、質問するまでは良いがその後の返事が速すぎて分からず、何度も聞き返したりして言葉の壁を感じてしまった。「もっとスムーズに会話ができたらなあ・・」と何回も、もどかしく思った。普段の英語の授業が実際どれほど海外でコミュニケーションをとるために役立つのか、身にしみて実感した。

食事を取りにいった時、私の皿にフルーツを取ってくれた男の子がいた。
 その男の子とは立ったまま色々な事を話した。今ブルネイで、流行っている凧揚げの話や日本の歌手やヒット曲、漫画の話で盛り上がった。私はたまに英語がめちゃくちゃで、単語をつなげただけだったりしたが、それでも互いに理解できたし、ブルネイの学生と意見を交換できることがとにかく嬉しくて、楽しかった。

食事中テーブルでブルネイの学生と日本人の数人の学生と話していた時、ブルネイの学生が「みんなはどこの大学へ行くの?」と聞いた。私はそう聞かれてもつまって全く答える事が出来なかったが、「○○大学だよ」という人ばかりで、驚いた。海外でこうして違う国の学生たちが出会って、みんなそれぞれまっすぐに夢を持っていて、その夢について互いに聞いたり話し合ったりできるのは本当に素敵だと思った。

「ラサ・サヤン」を歌う私達 「ラサ・サヤン」を歌う私達

交流会では、食事をしながらも、ブルネイの学生さんたちが考えてくれたたくさんのプログラムが進められていた。ゲームもあったし、物まねやカラオケも、伝言ゲームもあった。どれも全部楽しかった。

こうした中、ブルネイのみんなのノリのよさには驚いた。ブルネイのみんなは、例えば友達が注目をあびて歌を歌う時、「ヒューヒュー」と、いたずらっ子の様にはやしたてる。クイズゲームでも、全員がちゃんと参加して、たまに誰かが軽い冗談を言ってみんなが笑って・・私は日本と違うブルネイの学生達の温かいノリを、このプログラムを体験するうちに大好きになってしまった。

私達、日本の学生はプログラムの一つで、現地の人々に親しまれている「ラサ・サヤン」を歌った。途中歌えなくて恥ずかしい場面もあったが、ブルネイのみんなは温かく見守ってくれた。この交流会では私はもう、恥ずかしいというのは日本人の悪い癖かもしれないと開き直ったので、堂々とにこにこ笑って歌い切った。

現地で新聞に載った写真 現地で新聞に載った写真

プログラムが終わってしまうとどんどん名残惜しくなってきた。写真を何枚も撮って、メールアドレスまで交換し合った。みんなと別れなければならないと思うと、とても寂しかった。

最後の挨拶をしてバスに乗ってからも、私達も学生達もずっと手を振っていた。私がピースをしたらフルーツを取ってくれたあの男の子が笑ってピースをしてくれた。本当に交流会は楽しすぎて、ホテルに帰っても学生達の顔とか話のことばかり思い出していた。

例えば日本人だけで交流会を開いたら、言葉がなかなか通じないといった壁はない。しかし、ブルネイの学生と話していると、日本人と不自由なく話すよりよっぽど中身の濃い話ができた気がした。自分の知っている限りの単語で一生懸命、相手の目を見て話しかける。すると相手もきちんと聞いてくれて、色々と意見を言ってくれる。会話が成り立つまでが大変だけど、文化、宗教、言葉の壁をこえて互いを理解し合うときの楽しさ、新鮮さは、私の人生の中で初めて味わうものだった。

ひとつひとつの会話が私にとっては忘れられない大切なものになった。

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鈴木 望文教大学付属高等学校3年/杉浦 茉奈実文教大学付属高等学校3年
鈴木 望 鈴木 望
杉浦 茉奈実 杉浦 茉奈実

言葉の壁を乗り越えて

不安と期待に胸を膨らませ、会場となるホテルに到着した。全員が席に着くと、ブルネイ大学の日本人留学生と地元の大学生の司会で会が始まった。自分と同世代の人との会話は、はじめは戸惑ったがとても面白く、楽しむことが出来た。日本について好奇心旺盛な現地学生に、様々な質問をされた。日本語を学んでいる学生も多いようである。英語には少し訛りがあり、分かりづらい部分もあったが、伝えようとする気持ち・BODY LANGUAGE によってコミュニケーションは成立した。話の中で文化の壁は感じなかったように思う。

しかし、『食』に関しては、気候の差もあり、違う点が見受けられた。暑い国にふさわしく、辛いものが多く見られた。暑い国では、発汗を良くする為、様々な香辛料が使われるそうだ。また、日本の食品に似た食品も数多く見られた。交流会の中で出てきた“トウフ”もその1つである。現地学生にトウフと進められたその食品は、日本でいう、厚揚げの真ん中に蒲鉾が入っている食品であった。日本の食品が違う形で伝わっていたが、日本の味がしたように思う。交流会は、大盛り上がりで、閉会の時を迎えた。現地学生との別れは辛かった。こんな短時間に、国境や言葉の壁を越え、仲良くなれたことに感銘を受けた。

司会の二人 司会の二人
現地学生との記念写真 現地学生との記念写真
会食の様子 会食の様子

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