- 上智大学ダイジェスト
- 上智大学ダイジェスト(2017年2月)
上智大学の最新の話題をお知らせします
ローマー法王庁外務長官ポール・リチャード・ギャラガー大司教 特別講演「平和文化の促進」を開催しました
ギャラガー大司教
2月2日、四谷キャンパス2号館国際会議場にて、ローマー法王庁外務長官、ポール・リチャード・ギャラガー大司教の特別講演「平和文化の促進」が開催されました。講演には、本学学生をはじめ、各国大使館、メディア関係者、聖職者、その他一般合わせて200名以上が訪れました。
様々な紛争や複雑な社会情勢を抱える現在において「平和文化の促進」こそが、人々を真の平和に導く鍵となるとギャラガー大司教は強調しました。平和は単なる平穏無事な状態にあることではなく、平和を目的とする取り組みと実践こそが重要であると語りました。
平和第一の信念と武力行使に断固反対というカトリック教会の平和へのビジョンを表明したギャラガー大司教は、紛争や戦争に関して、根絶に至っていない現実からは目を背けることなく真摯に向かい合う必要があると語りました。また、異なる主義主張を唱える対立勢力が和解への道を進むための働きかけが第一としながら、ありとあらゆる手段を尽くした後、紛争に直面した政府が判断をした防衛行為への理解も示しました。と同時に平和維持及び平和構築の現場でそれに関わる人々によって発生する暴力行為への懸念にも言及しました。そして、広島訪問直後でもある大司教は、核兵器の開発について、そのために必要な莫大な費用を、教育や、医療、貧困撲滅等に充てる方がよほど有効であると訴えました。
上智聖歌隊の学生から花束が贈られました
講演最後の質疑応答において、難民、移民の入国制限を打ち出したアメリカのトランプ大統領についての意見を求められ、大司教は、一国の政治へ介入する立場ではないとした上で、どのような政策も状況によって変化していくものだとして、見守っていきたいと語りました。またシリア情勢において困窮を強いられている少数派カトリック信者ついての質問に対しては、カトリック信者に限らず、現地で少数派に属する全ての人々に当てはまる問題である。まずは、交渉の席につくことを促し、和解への道を探ること、そして正義と赦しの精神と共に前に進むことが重要であると答えました。