上智大学ダイジェスト

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上智大学G7Week
世界と未来を考える3つのイベントを開催

 上智大学では、5月26日、27日に開催されたG7伊勢志摩サミットに先立ち、5月16日から21日までの期間を「G7を前に世界とその未来を上智大学で共に考える1週間」とし、3つの関連イベントを2号館国際会議場で開催しました。

教育による女子・女性のエンパワーメント

小池百合子氏(左)とアリス・オルブライト氏

小池百合子氏(左)とアリス・オルブライト氏

 5月17日、国際機関「教育のためのグローバル・パートナーシップ(GPE)」、国際協力機構(JICA)と本学が共催し、「教育サミット2016:教育による女子・女性のエンパワーメント」を開催しました。在学生のほか、一般の参加者を含め131人が参加しました。

 イベントは2部構成で行われ、第1部は小池百合子衆議院議員と、GPEのCEOを務めるアリス・オルブライト氏が基調講演を行いました。小池氏は、世界では7500万人の子どもが戦争や災害で就学危機にある現状を説明。中でも女子は男子に比べ、成長するほどに人身売買や児童労働などにより就学機会を奪われると語り、教育が失われた世代を生まないためにも、人道支援における教育支援強化の必要性があると訴えました。

 オルブライト氏は政府支援を通じ、教育改革に取り組むGPEの活動を紹介。持続可能な開発目標(SDGs)達成には、教育こそが鍵であると語り、「女子が教育をうけることで、今までにないチャンスや世界への影響力が生まれる。教育の恩恵を得るために、我々は戦う必要がある」と参加者に呼びかけました。

 第2部は国際基督教大学の西村幹子上級准教授をモデレーターに迎え、パネルディスカッションを行いました。パネリストは公益財団法人プラン・ジャパンの馬野裕朗氏、GPE事務局の金澤大介氏、JICAの小塚英治氏、本学教育学科の小松太郎教授の4人。パネリストはそれぞれの専門分野に関するプレゼンテーションを行った後、「教育がどのように変化すれば、女子・女性のエンパワーメント(力をつけること)に繋がるのか」について意見交換を行いました。

 質疑応答では、会場からさまざまな意見や質問が寄せられ、最後まで活発な議論が交わされました。

学生サミット

学生がG7代表に扮して活発な議論を展開

学生がG7代表に扮して活発な議論を展開

 5月18日、上智学生サミットが開催されました。ジョージタウン大学やパリ政治学院からの交換留学生を含む本学で学ぶ21人の学生が、G7の7カ国代表に扮して世界経済と安全保障について活発な議論を行いました。

 国際経済においては、最近注目を集めたパナマ文書や、格差問題が主に取り上げられました。税制を決定する権力者自らが納税を怠るという矛盾や、こうした実態が要因となって拡大する格差が、経済面のみならずテロや難民問題といった安全保障の観点においても大きく影響を及ぼしている現状について意見が交わされました。国益を守る立場である国の代表者として問題に向き合う難しさを、参加者たちは実感していました。

 安全保障の議論では、南シナ海の領有問題とウクライナ情勢において意見が分かれ、各国の対外政策や地理関係を超えて国際連携の同意を得る困難さが浮き彫りとなる場面もありました。学生たちは、時に挑発的に、かつ楽しむことを忘れずに終始臨んでいました。

 終了後は、各国首脳役を務めた学生がそれぞれの国旗を持ち、閣僚役を務めた学生たちがその前に座り、関係教員が背後に立つ形で記念撮影が行われました。各参加者にはそれぞれの名前が入った感謝状が渡されました。

国際高等教育とアカデミック・モビリティ

ライシャーツ欧州委員会教育・文化総局長

ライシャーツ欧州委員会教育・文化総局長

 5月20日、「国際高等教育とアカデミック・モビリティ」をテーマに国際シンポジウムが開催されました。学生、研究者、プログラム、さらに教育機関そのものが国境を越えて移動するようになっている昨今、高等教育の国際化の在り方について議論するため、EU、北米、アジア、オセアニアの教育担当者、さらにはOECD、東南アジア教育大臣機構など高等教育の国際化を推進する地域機構で活躍する専門家が集まりました。

 はじめに、各国や地域機構における高等教育の国際化の実情について参加者がそれぞれプレゼンテーションを行い、その後パネルディスカッションが行われました。

 国際化といっても、教育を司る省の形態、主な高等教育機関の設立母体、学費、単位制度、留学生人口の比率、高等教育機関の評価基準など各国の事情は異なり、これらの違いを乗り越える取り組みについて、参加者間で活発な意見交換が行われました。

 ディスカッションの最後にはマルティーヌ・ライシャーツ欧州委員会教育・文化総局長が「教育の円滑な国際化のためには、システムの統一を目指すことは重要であるが、同時に違いから学ぶという視点も国際教育において尊重されるべきである」と、原点に立ち返る言葉で締めくくりました。

ケネディ大使が上智学を訪問しました
12人の学生たちとラウンドテーブル・ディスカッションを行う

ケネディ大使

ケネディ大使

 6月2日、キャロライン・ケネディ駐日米国大使が上智大学四谷キャンパスを訪問し、12名の本学学生とラウンドテーブル・ディスカッションを行いました。バージニア大学のテレサ・サリバン学長も同行しました。モデレーターは国際戦略顧問藤崎一郎教授(前駐米大使)が務め、先日開かれたG7伊勢志摩サミットの課題をもとに4つのトピック(公衆衛生、疫病、教育の国際交流、女性のエンパワメント)に関して英語で意見交換を行いました。

 学生たちは、当該のトピックに関して各々の考える具体的な意見や提言を発言。また、会の後半ではオバマ大統領の広島訪問に関して質問をする学生もおり、ケネディ大使とサリバン学長は学生一人一人のコメントや質問に対して、丁寧に応じました。大使から学生たちに情報はどのように得ているかなど質問する場面もありました。

12人の学生とラウンドテーブル

12人の学生とラウンドテーブル

 会の最後には、大使との写真撮影が行われ、和やかに幕を閉じました。

 学生との議論に先立ち、大使らは髙祖敏明理事長、早下隆士学長、プテンカラム ジョンジョセフ理事らと懇談し、1965年にケネディ大使の叔父にあたる故エドワード・ケネディ上院議員が本学を訪問したときの写真を囲んで交流を深めました。

 ラウンドテーブルの様子は後日、上智大学オープンコースウェア(OCW)、Youtubeチャンネルにて配信する予定です。

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