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- 上智大学ダイジェスト(2014年5月)
上智大学の最新の話題をお知らせします
2015年度一般入試においてTEAP利用型入試が始まります
本学では、2015年度一般入学試験から、新たにTEAP利用型入試を導入します。最大の特徴は、「英語の試験を行わない」点で、事前にアカデミック英語能力判定試験(TEAP)を受験し、学科が設定している基準スコアを満たしていれば出願が可能となります。試験日には、国語や地理歴史・数学など学科の指定する選択科目を受験。試験内容は、文章理解力、論理的思考力など、より総合的な学力到達度を測るものとなっています。また、指定された選択科目が共通していれば、一度の試験で「同時に複数学科へ出願」も可能となります(*)。また、従来の一般入学試験(学科別)との併願も可能です。
(*)第2次試験を実施する学科間(神、心理、看護、英語学科)で併願することはできません。
TEAP利用型入試の詳細はこちらのサイトをご覧ください。
1560年刊行の貴重書「ルター聖書」を収蔵しました
新約聖書の扉絵
本学は文部科学省の平成25年度私立大学等研究設備整備費の補助を受け、宗教改革の創始者マルティン・ルターがギリシャ語からドイツ語に翻訳した、いわゆる「ルター聖書」の旧約・新約聖書完本を購入しました。
1560年刊行(装丁は1674年)の本聖書には、全体に多数の手彩色木版画が収録されています。ルター訳聖書は、1522年9月に出版された新約聖書である「九月聖書」の時から多数の木版挿絵を収録して刊行されました。
活版印刷と木版画印刷という二つの新しい技術を駆使したメディアとして、聖書の教えをより民衆に分かりやすく伝えるという目的を持っていましたが、本版においても聖書の各エピソードから採られた様々な挿絵が150点以上収録されています。17世紀にはその挿絵が模倣され、プロテスタントのみならずカトリックの聖書にも使用されました。
本資料を精査することにより、ルターの聖書解釈研究という聖書学的研究課題だけでなく、ドイツでの聖書普及におけるキリスト教史や文化史、近現代標準ドイツ語の形成にみるドイツ語学やドイツ文学への影響、数多くの挿絵にみられるキリスト教美術史など、学際的かつ多面的な知見を得ることができ、研究の質に飛躍的な向上が見込まれています。本資料と同版のものは、他の国内研究機関では所蔵がなく、その稀少性も含めて、キリスト教精神を基底としている本学が所蔵すべき貴重書として価値あるものです。
国際教養学部のデイビッド・スレーター准教授と同学部の学生が中心となって進めているプロジェクト「東北からの声」が、活動を開始して3年目を迎えました
シンポジウムで成果を発表するスレーター准教授と学生たち
国際教養学部のデイビッド・スレーター准教授と同学部の学生が中心となって進めているプロジェクト「東北からの声(Tohoku Voices: 3.11 Oral Narratives for Service Learning)」が、活動を開始して3年目を迎えました。
このプロジェクトは、授業を通じて身につけた知識とボランティア活動を連動させたサービスラーニングプログラムとして展開されており、これまでに100人以上の学生が参加しています。具体的には、学生たちは東北地方の風俗や歴史について学んだ後、実際に東日本大震災の被災地に赴き、現地で地域支援ボランティア活動を行ないながら、学術・研究活動の一環として被災者インタビュー、記録のデータベース化、ウェブサイトからの情報発信などを行っています。
プロジェクトチームでは、これまでに300人を超える被災者にインタビューを行い、それらを収録した動画は400時間を越えています。この種の記録としては、類をみないものとなっており、学術的にも国内外から高く評価されています。現在、このデータベースを海外の研究者に活用してもらうため、英語訳を加える取組みを行っています。 また、スレーター准教授と学生たちは、2月に東北大学で開催された国際シンポジウム 「Telling the World about 3.11」のほか国内外の講演会や研究機関で同プロジェクトの成果を発表するなど、活発な活動を継続的に行なっています。
「学生たちは学期中に何度も東北に赴き、インタビューの準備をしなければなりません。こなすべき課題も多く、大変なクラスと言えます。しかし、学生たちは地域支援を行いながら、自身の学術・研究活動の幅を広げると同時に、さまざまなスキルを身につける機会を得ることができます。これこそが本学の考えるサービス・ラーニングのかたちであり、教育精神である『他者のために、他者とともに』を実践する1つの事例といえるでしょう。」と、スレーター准教授はこのプロジェクトに対する想いを語っています。
プロジェクトの成果はベータ版として、こちらでご覧いただけます。