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真田濠の桜再生植樹式が行われました

桜の苗木を植える佐竹氏(左)、三溝氏(中央)、和泉法夫・ソフィア会会長(右)

桜の苗木を植える佐竹氏(左)、三溝氏(中央)、和泉法夫・ソフィア会会長(右)

 3月27日、本学脇の真田濠土手の桜の遺伝子をうけつぐ苗木が1号館前に植えられました。土手の桜は約半世紀前に本学の一学生が母校愛を示すために植えたもので、今回はソフィア会が苗木を大学に寄贈し、創立100周年記念事業の一環として植樹が行われました。

 真田濠の桜並木は、1959年、当時外国語学部英語学科4年生で空手部の主将だった佐竹章夫氏らが卒業記念として土手の中腹に60本の苗木を植えたことに始まりました。その5年後、大学に隣接する料亭・福田家が土手の頂上に100本を植え、現在の桜並木に成長しました。桜の管理をする千代田区は、老齢化するさくらの保護と再生に努めており、本学も協力しています。

 27日午後、雨も上がり学位授与式を終えた卒業生でキャンパスがにぎわう中、理事長、学長、佐竹氏や紀尾井町会会長、空手部員、さくらの保全活動を続けている環境サークルANGLEs、ソフィア会員ら9名の手によって3本の桜の苗木が植えられました。苗は、1年前に佐竹氏らの桜の木から取られた枝から育成されたもので、それぞれ「ひびき」、「かおる」、「いぶき」という名前がついています。上智の学生、卒業生が母校からの命の息吹に支えられて、花咲く時ばかりでなくても、ひとの心に響き、かおる存在として、これからの100年に活躍できるようにとの願いをこめて名づけたと、発起人代表で卒業生の三溝真季氏は式で述べました。

佐竹氏は「桜の木をこんなに大切に扱ってもらってうれしい」と語り、自身の植えた桜の子孫が学内で後輩達を見守るようになることを喜んでいます。

 15日には、アジアにおける宗教間・異文化間の対話についてのセッションでスタート。その後、1990年代初頭にカンボジア和平外交に尽力した河野大使と、アジア人材養成研究センター所長の石澤良昭特別招聘教授が、アンコール・ワットの保存修復活動による本学の国際貢献の取組みを紹介するセッションが行われました。また、同日夜には、ニコラス総長が主司式を務めたミサがイエズス会の主教会であるジェズ教会主聖堂にて執り行われ、シンポジウムを締めくくりました。

ラオス高等教育強化プロジェクトで来日していた留学生が博士前期課程を修了しました

母国での活躍に期待

母国での活躍に期待

 今春、本学がアジア開発銀行(ADB)と協力して参画している「ラオス高等教育強化プロジェクト」で受け入れた留学生が、博士前期課程を修了しました。

 このプロジェクトは、ラオス人民民主共和国の大学教員および教育省職員を対象に、英語で修士号、博士号を取得できる海外留学を支援し、同国の高等教育、教育行政の発展に貢献できる人材育成を目的にしており、本学は、2011年7月に同国教育省と留学生受け入れに関する覚書を締結しました。

 2012年春学期に本プロジェクト初の受入学生として入学したのは、パイラワン・トンパンヘウアンシさん(教育学専攻:写真左)、ダリワン・シリサックさん(グローバル社会専攻:写真中央)、スィアンポーン・ポンマタンさん(地球環境学専攻:写真右)の3人。いずれもラオスで大学教員を務めています。「文化も言葉も全く異なる環境での生活に戸惑った」とシリサックさんが語るように、3人とも来日直後は不慣れな生活環境と英語での授業で不安になることも多かったとのことですが、指導教員やクラスメートが公私に渡ってサポートしてくれたことで、乗り越えることができたと本学での日々を振り返りました。

 トンパンヘウアンシさんは「歴史の浅い母国の高等教育の充実に貢献したい」と教員育成や高等教育のカリキュラム整備に積極的に携わりたいと話しています。また、ポンマタンさんは「新たに学んだ調査手法を活用し、環境面や経済面から母国の発展に貢献したい」と語り、シリサックさんは「授業の手法など多くのことを学びました。今後は学生たちに学んだことを還元し、他の教員には授業の手法などを共有していきたい。」と今後の抱負を述べました。

文学研究科史学専攻博士後期課程3年の堅田智子さんが石橋湛山新人賞を受賞しました

堅田智子さん

堅田智子さん

 文学研究科史学専攻(後期課程)の堅田智子さんが、財団法人石橋湛山記念財団から、石橋湛山新人賞を受賞しました。この賞は、主に人文社会科学系大学院生による過去一年間に大学紀要など機関誌・学会誌に発表された論文を対象としており、昭和時代の経済評論家、内閣総理大臣などを歴任した石橋湛山が提唱した自由主義・民主主義・国際平和主義に関わる優秀な研究論文を表彰するもので、当該分野における人材育成と研究の深化を支援することを目的としています。

 第1次選考は若手官僚・編集者・金融マンなどにより行われるため、論文には読みやすさも求められています。最終選考は、石橋湛山賞の受賞者ら5名の協議で行われることとなっており、堅田さんはこれまでの受賞者の中では最年少での受賞。 授賞式は3月31日に行なわれました。

 受賞した論文は「アレクサンダー・フォン・シーボルトと黄禍論」(『上智史学』57号、2012年11月、所収)。江戸時代後期に来日したオランダ商館医師、「シーボルト事件」で知られるフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトの長男であるアレクサンダー・フォン・シーボルトの功績を考察したものです。

 明治政府のいわゆる御雇外国人であったシーボルトが、19世紀末からドイツを中心とした欧米諸国で広く伝播していた黄禍論(黄色人種が白色人種やその国家の脅威になるという考え方)に対して、日本を守る論調をメディアを通じて発信していた事実をドイツ語の史資料を読み解き、明らかにしています。また、同時期にドイツに留学していた森鴎外の黄禍論に対する姿勢と共通点があることにも着目し、シーボルトの「日本人」意識とナショナル・アイデンティティについて論じています。

堅田さんの論文は、上智大学学術情報リポジトリから閲覧が可能です。

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