4月11日、平成23年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰の受賞者が発表され、本学理工学部准教授 中村 太郎(精密機械工学科)が、「若手科学者賞」を受賞しました。当該表彰は「科学技術に関する研究開発、理解増進において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与すること」を目的としており、若手科学者賞は高度な研究開発能力を有する40歳未満の研究者に送られます。本年度は、82名が同賞を受賞しました。
受賞理由となった研究テーマは「ミミズの蠕動運動を用いた移動機構とその応用の研究」です。
中村は、アメンボやかたつむりなど生物の動きをモチーフにしたロボットの研究を行っており、中でもミミズの動き方には早くから注目し研究を進めてきました。ミミズは地中を「蠕動(ぜんどう)運動」という独特な様式で進んでいます。太くなったり細くなったりというあの独特の動きは、ヘビや尺取り虫と違い縦や横に幅を取らず、非常に狭い空間でも効率的に移動することができます。
中村はその動きを応用したロボットを開発しており、排水管などの狭い管内を検査するロボット、内視鏡を腸内へ挿入する補助器具、さらには月惑星を掘り進む探査ロボットなど、幅広い用途での活躍が期待されています。
以下は中村准教授のコメントです。
「このたび、幸運にも文部科学大臣表彰 若手科学者賞を頂きました。私立大学での受賞が珍しい中でこの賞を頂けたのも、ひとえに家族の支え、研究室メンバーの活発な研究活動、周りの先生方のご指導があったからだと思っております。今後も日本のロボットやメカトロニクス技術は、世界をリードしていかなければならないと考えております。私も、現在の研究成果が一つでも世の中に貢献できるよう努力し続けていくとともに、これで満足することなくさらに高みを目指し、よりいっそう研究活動に邁進していきたいと思います。」
中村太郎の研究の詳細はChuoOnline「高出力人工筋肉の開発とロボットへの応用」をご覧ください。また、中村研究室のWebサイトでは、各種ロボットについて動画で見ることができます。