2019年夏号

迫力と一体感、国際大会優勝

Garnet Girlsダンスで会場魅了

ソングリーディング部

 「Garnet Girls from Japan! Congratulation!」
 米国カリフォルニア州アナハイム市で今年2月に行われたチアダンスの国際大会「2019 USA Collegiate Championships」の表彰式。ソングリーディング部(Garnet Girls=ガーネットガールズ)のメンバー20人は、出場した「Pom 4-Year College」部門で1位とアナウンスされると、ステージ上で感情を抑えきれなかった。喜びと達成感から、仲間と抱き合い、自然と目から涙がつたう。国際大会での優勝は2年ぶりの快挙となった。

 振付・演技構成などを担当する同部の村田麻里コーチによると、大会は米国西海岸を中心とした地域から選抜された大学と、日本から招待された大学などで競われた。「Pom 4-Year College」部門とは、楕円形の「ポンポン」を使ったチアダンスの4年制大学の部門の意味。ガーネットガールズの国際大会優勝は、2017年1月の別の国際大会以来。現在のメンバーでは初めての国際大会優勝となった。

見せ場も普段通りの演技

 アップテンポな楽曲がミックスされた音楽をBGMとした2分間の演技の中で、片足を軸にもう片方の足を伸縮させて回転しながら全員がそろって踊る「フェッテ」や、1回転した後にジャンプして空中で180度以上開脚する「シェネトータッチ」などの見せ場があり、「普段通り、練習通りに決められた満足感がありました」と部長の黛海理さん(総合政策3)。

 普段通りの力を出すことがまず難しい。加えて「床はつるつるした感じで、そこで初めての演技。緊張しました」(副部長の加藤美佐子さん=文3)。異なる国、いつもと違う環境-。緊張するなというほうが確かに酷だろう。

 しかし、「本場のアメリカで認められたい」(黛さん)と、ステージに立ったガーネットガールズは躍動した。技に集中していると、観衆の反応が分からないことが多いが、フェッテのときは分かった。それだけ見ている人の歓声や反応が大きかったということだ 。加藤さんは「日本とアメリカとでは(観衆の)反応が違う。歓声や派手なリアクションは刺激になりました」と振り返る。

ソングリーディングの魅力

 黛さんは「迫力とメンバーの一体感を見てほしい。動きをそろえることなど、どこまで行っても完ぺきということはなく、演技にさらに磨きをかけたい」と、どこまでも前向きだ。村田コーチも「アメリカの舞台でも物怖じせず、ガーネットガールズらしい演技をしてくれました。セミファイナルまでは緊張感もありましたが、(決勝で)ラインダンスを輪になって回りながら披露すると、会場が大きくわいた。構成力でも高得点をもらえました」と、教え子たちを褒めた。

 一緒に踊っている周りのメンバーの存在を感じ、動きや呼吸、気持ちがそろっているなと感じられたとき。そんなとき、踊る側も見る側も最高の瞬間を味わえる。

 「ただ一緒に踊っているわけではありません。そんなときは本当に楽しいんです」。黛さんはソングリーディングの魅力をそんなふうにたとえている。

ソングリーディング

 人を肩の上に乗せるチアリーディングのようなアクロバットな動きは禁止されている。ポンポンダンス、ヒップホップ、ジャズ、バレエなど、さまざまな踊りの要素を含み、2分間の演技の構成や技のスキル、創造性、全体の印象のほか、ショーマンシップ(表情や情熱)なども採点の対象となる。

中央大学ソングリーディング部「Garnet Girls」

 2008年創部。部員数39人。当初はサークル活動から始まった。中央大学附属高校ソングリーディング部に所属し、中大に進学した学生たちが「高校だけでソングリーディングを終わりたくない」と、当時附属高校でコーチをしていた村田麻里・現中大ソングリーディング部コーチに、大学での指導を依頼したことが発足のきっかけという。村田コーチの誕生石からガーネットと名付けた。他の大学強豪校は桜美林大、日本女子体育大など。