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[PR]スイス時計見本市レポート① 勢いが続く「復刻」ブーム

baselworld 2019; impression; hall 1.0; central plaza

 スイスの高級腕時計見本市で今春発表された新作が、日本でも各ブランドのブティックに並び始めた。機能や価格帯など、総じて市場が受け入れやすい堅実な新作が目立ち、一般の人にも手の届く商品が増えている。実際に購入する際に参考になりそうな新作時計の情報とトレンドを紹介しよう。今回は勢いが続く「復刻」ブームについて。

 見本市は、1月にジュネーブで「SIHH(国際高級時計展)」、3月にバーゼルで「バーゼルワールド」という名称でそれぞれ開催され、販売関係者や時計ファンが世界各地から集まった。

 いずれの会場でも、目立ったのが過去に販売した商品の復刻。中古市場などで人気のある商品を復刻することで確実な売り上げにつながることもあり、提案しやすいのだろう。さらに復刻に値する商品を作ってきたというブランドの威信も消費者に伝えやすいという事情もあるようだ。

 例えば、2018年に日本へ本格的に上陸したチューダーが見せた「ブラックベイ P01」。1960年代に米海軍向けに開発を始めたモデルだが、実際にはプロトタイプが作られただけで市場には広範に出回らなかったダイバーズを復活させた。ベゼルロック機能を搭載し、衝撃緩和のために4時位置に配置したリューズが印象的。もっとも、自社製造・開発ムーブメントは最新式で、高精度を誇る。

 あるいはゼニスを代表する「エル・プリメロ」。他のブランドにも供給されてきた高性能なムーブメントを搭載した名作時計が誕生して50周年になるのを記念して、当時のデザインを忠実に再現。ケースの材質は3色(ホワイトゴールド、ローズゴールド、イエローゴールド)あり、各50本限定発売だ。

 ブライトリングが見せたのは「ナビタイマー REF.806 1959 リ・エディション」。60年前のモデルを「完全」と言ってよいほど再現した。回転ベゼルを華やかに飾るビーズの数も当時とぴったり合わせるなど、当時の商品と見比べても新旧を見分けられないほどの完成度だ。

 異色の復刻を手がけたのはブローバだ。今回見せた「ブローバ コンピュートロン」は、70年代に販売していたデジタルモデルを復刻した。金色のケースに時刻を赤く表示するデザインがレトロフューチャーな雰囲気を強調し、今見ると、逆に新鮮に感じる。

 近年の見本市では、各ブランドの技術開発力を誇示するかのような超複雑な機能を盛り込んだ新作の発表が一段落し、一般の人が手に入れやすい「アクセシブルな」新作が目立つ。過去に一定の評価を受け、中古市場でも人気のある商品の復刻はそうした動きを象徴している。買う側にとっても、日常的に使わない機能がゴテゴテと盛り込まれた時計より、普段使いできる時計として注目されているのだろう。

 次回は、新旧のブランドが新作にこぞって採用したケース素材、ブロンズについて報告しよう。使い続けるうちに風合いが変わってくるブロンズという素材の魅力とは?

YOMIURI BRAND STUDIO Creative Editor / Writer 高橋直彦

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