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読売EXPOフォーラム2024 ~挑む、万博~<前編>
2025年大阪・関西万博開催まであとおよそ半年となった9月10日、「読売EXPOフォーラム ~挑む、万博~」が、よみうり大手町ホール(東京都千代田区)で開かれました。パビリオンのプロデューサーや協賛企業の関係者らが、万博の意義や見どころについて意見を交わし、会場とオンライン合計で約1,100人が聞き入りました。
目次
※登壇者の所属・肩書は、イベント時のものです。
開会あいさつ
【トークセッション1】「NATUREVERSEの世界を創る“音楽”の力」
■株式会社パソナグループ 代表取締役グループ代表 南部 靖之 氏
2003年からは農業分野の人材育成をスタートし、新しい農業のあり方を提案。現在、東京一極集中による社会課題の解決と地域の活性化を目指し、京丹後、東北、淡路等全国各地で、多様な才能を持った人材が集まって地域産業を活性化させる「人材誘致」による新たな雇用創出に取り組んでいる。20年より兵庫県淡路島に本社・本部機能の一部を移転するなど、未来に向けた新しい働き方・社会のあり方を提言し続けている。
音が奏でる「いのち」への感謝
- 諸國
- パソナグループのパビリオン「PASONA NATUREVERSE」のコンセプトについて教えてください。
- 南部
- コンセプトは、「いのち、ありがとう。」です。普段何気なく過ごす中で、私たちは「ありがたい」「あなたのおかげです」という気持ちをなくしているかもしれません。私たちを生かしてくれている自然に対し、また周りの人々に対し、お互いに感謝の気持ちを持ち続けたいという思いから、このコンセプトにしました。
- 千住
- 我々人間は自然と宇宙の中でたかだか20万年しか生かされていませんが、一つの言葉として音楽というものを持っています。今回、音楽を監修するパソナのパビリオンでは、音楽をうまく生活の中で生かしていただけるような挑戦にしたいと思っています。
- 諸國
- パビリオンはどういう展示になりますか。
- 南部
- 大地、水、空気、光で育つ食物と、最新のテクノロジーがあって健康的な体が作られていく。これを表現するには音楽が必要です。千住先生には自然界に対する感謝の気持ち、そして心に残り口ずさみたくなるような音楽をお願いしています。
- 千住
- パビリオンではiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った心筋シートをもとにしたiPS心臓が展示されます。私たちみんなが最初にお母さんのお腹の中で聞き、一生聞く音が心臓の音です。この音でパビリオン全体をつなごうと考えています。居心地よく、空間を自然と包み込むようなものを作り上げたいと思っています。もう一つ、万博後も皆さんに歌ってもらえるような合唱曲を作る予定です。
自然と音楽がいのちを育む
- 諸國
- NATUREVERSEには自然との共生、文化創造、互助の社会という三つの要素があるとうかがっています。このうち文化創造について、社会における文化、音楽の持つ力をどのように考えていますか。
- 千住
- ワインを造る時にブドウに音楽を聞かせるなど、音楽をもう一つの言葉として捉え、自然との共生や共創、共存を図る取り組みが今、世界中でなされています。パソナグループでは、たくさんの音楽家が淡路島の自然の中で農業をしながら、音楽を奏でていくという取り組みをされています。次世代を育てていくという意味でも面白く、我々音楽家にとってもありがたい取り組みだと思います。
- 南部
- 朝から晩までオフィスで仕事をするのでなく、豊かな生き方・働き方を創ろうと呼びかけて、本社機能の一部を淡路島に移しました。今、島内に2000人ぐらい社員がいますが、皆で農業をし、音楽などの芸術を楽しんでいます。僕も自分で作った野菜を食べ、72歳ですがすごく元気。こういう生活を送れるのは幸せです。自分で食べるものは自分で作り、その中で土を触って自然の力を感じる。淡路島がそんな学びの場になればと思っています。
- 諸國
- 最後にメッセージをお願いします。
- 南部
- 身近な人に、ありがとう、おはようと声をかけ合い、助け合う。そういう互助の社会を皆さんで作りましょう。おはよう、ありがとう。これで人生は豊かになります。
- 千住
- 「いのち、ありがとう。」と言えるような愛される合唱曲を作り、皆さんに歌っていただきたいと思います。楽しみにしてください。
【事例紹介1】「森羅万象をデジタル化する~2025大阪・関西万博を未来へ~」
当社は1995年、阪神・淡路大震災の復興支援を目的に大阪府箕面市で創業しました。社名は、当社が開発した100㍍先の0.2㍉のひび割れを素早く、正確に計測するシステム「KUMONOS」に由来します。従来の目視点検と手書きスケッチによる記録ではわからなかった経年変化まで正確に捉えられるため、現在、海外のダムや橋梁(きょうりょう)でも使われており、日本の公共分野でも今年からさらに使用が拡大されるようになりました。
コーポレートミッションに「森羅万象をデジタル化する」を掲げる当社のデジタル化技術は、小さな美術品からスタジアムや行政区画のような巨大なものまで、3000件を超える実績があります。誤差1㍉の精度かつ秒速200万点もの細かさでデジタル化するため、対象物を自由な視点で、意のままに見ることができるのが特徴です。1970年万博の太陽の塔も、中に入って「生命の樹」を見上げるだけでなく、上からダイブするような体験も可能です。
当社は、時空を超えてあたかもそこに“行ける”、いわばタイムマシーンのようなリアルなデータを生成することを目指しています。大阪・関西万博であれば約150㌶の会場屋外は1日もかからず、すべてデジタル化できます。また、パビリオン内も、ハンディー型スキャナーで高速・精巧にデジタル化できます。私たちはこの技術を活かし、2025大阪・関西万博の全てのパビリオンをデジタル化し、1000年後の未来まで届けたいと思っています。当社も5月27日から6月2日まで「大阪ヘルスケアパビリオン」で出展しますので、ぜひ私たちの技術を見にお越しください。
【クロストーク1】「いのち輝く『森と人』の共鳴のかたち~脱炭素で健康を守る」
■アストラゼネカ株式会社 代表取締役社長 堀井 貴史 氏
人と地球の未来を象徴する「森」
- 諸國
- 宮田さんのパビリオンは、森と溶け合い、響き合うというコンセプトです。森とはどのようなものの象徴ですか。
- 宮田
- ただそこにあるだけではなく、未来にどうつながっていくのかという問い、体験として森を置くのが今回のパビリオンです。持続可能な生き方には、共に分かち合うという視点が大事です。その意味で、ほぼ全ての生態系を支えている森は、未来を感じられる重要な場所だと考えています。
- 諸國
- 持続可能といえば、気候変動が問題になっています。
- 堀井
- 今年の世界経済フォーラムでは、気候変動の影響で2050年までに約1450万人が亡くなる可能性があるというデータが発表されました。新型コロナウイルス感染症で亡くなった方は世界全体で約350万人ですから、いかにインパクトが大きいかがわかります。アストラゼネカは、地球と人の健康は繋がっていると考え、人々の健康を守るためには気候変動の主な原因である温室効果ガスの削減、「脱炭素」を軸に活動していくことが重要と考えています。森は「地球の肺」とよく言われています。木々はCO₂を吸収し、酸素を生成しますが、地球の健康のパラメーターでもあります。当社は、「AZフォレスト」という世界中で30年までに2億本の植樹を行うプロジェクトを展開することで、脱炭素を進め、気候変動関連死を防ぐことに貢献していきたいです。
- 宮田
- 気候変動は本当に解決できるのかという話がありますが、実は人類はフロンガス問題を解決しています。数十年前、当時の科学者はオゾン層破壊による被害を正確に予測。原因をフロンガスと特定し、経済活動を止めないよう代替物質を提案しました。それによってオゾン層は今、ほとんど塞がっています。長らく放置されてきたCO₂問題も、気候変動や(原材料調達から廃棄までに排出される温室効果ガスをCO₂に換算して表示する)カーボンフットプリントによって可視化されつつあります。未来に向かう手がかりは明確化されてきているのです。
地球と人のより良い未来のために
- 諸國
- 地球と人のより良い未来のために、企業や個人は何ができるのでしょうか。
- 堀井
- アストラゼネカは、国内営業車の60%以上を電気自動車(EV)に切り替えています。さらに今年、JR東海とJR西日本と協業し国内初となるCO₂排出量実質ゼロの新幹線出張を実現させるなど先進的な取り組みを行っています。当社の事例を起点として、将来、多くの企業や団体に賛同の輪が広がり、社会全体でさらなるCO₂排出削減につなげられることを期待します。
- 宮田
- 地球あるいは社会、他者と調和した中での豊かさ、幸せをつくっていくことが大事で、それができる企業がリーダーになっていくと思います。私たちはそれを「Better Co-Being」と呼んでいます。個人の一挙手一投足、あるいは企業の取り組みが未来にどうつながるのかを考えることは大切であり、それが共鳴を生んでいきます。
- 諸国
- 最後に、お互いの話を聞いて共鳴されたことを、万博への期待と併せてお願いします。
- 堀井
- フロンガス問題の話は、私たちが行動を起こせば世の中は変わっていくという良い事例だと思います。人々の健康、社会の健全性、そして地球の持続可能な未来に向けて、来年の大阪・関西万博を通じて多くの皆さんと共鳴しながら、より良い社会を作っていくために具体的な行動を起こしていけるような場所になればと願っています。
- 宮田
- アストラゼネカさんたちが世界規模の視点に立って、未来のために自分たちは何をするべきかという問いを強く、そして誠実に持ってくださっていることはすごく重要だと感じました。私たちの活動は、環境に、地球につながっています。万博は一人一人が何をしなければいけないかを考える重要なきっかけになります。一緒に考えていきましょう。
司会進行・コーディネーター
<主 催> 読売新聞社
<協 賛> アストラゼネカ、岩谷産業、大林組、クモノスコーポレーション、パソナグループ、ファーマフーズ、村田製作所、ロート製薬、医食同源米によって我が国の国難を解決するためのコンソーシアム
<協 力> 読売テレビ
<後 援> 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会、日本経済団体連合会、関西経済連合会、日本商工会議所、経済同友会、大阪府、大阪市、キャッシュレス推進協議会