「人生ゲーム」未来の医療体験
日本生命保険 大阪・関西万博推進部担当課長 佐々木智彦氏

読売新聞大阪本社版朝刊

佐々木智彦氏

 日本生命保険は、来年4月に開幕する大阪・関西万博に出展する。披露するのは、2050年の未来都市を舞台に、最先端の医療やヘルスケアサービスが浸透した生活をバーチャル(仮想)空間で体験できる「人生ゲーム」だ。大阪・関西万博推進部担当課長の佐々木智彦氏は「ゲームの面白さを大切にしつつ、学びや気づきが得られるプログラムにしたい」と意気込む。

 人生ゲームはボードゲームだが、日本生命は「大阪ヘルスケアパビリオン」内の一角に、前面と左右、床面を囲うように大型のLEDディスプレーを設置し、ゲーム空間を構築。参加者はその中に入り、ゲームをプレイする。
 未来に転生したという設定で、ルーレットを回してディスプレー上のマスを進む。止まったマスによって様々なライフイベントが発生し、参加者は手元のタブレット端末に示される選択肢から、どんな人生を歩むのか決めていく。
 ゲームの内容は検討中だが、例えば、「ロボットドクターによるリモート診察を受けるか」というイベントが発生した場合、受診するかしないかを選ぶ。選択次第でゲームの展開は変わっていく。
 元々の人生ゲームはお金を多く稼いだ人が勝つが、万博では「ハート」をどれだけ集めるかも重要になる。ハートは、命や健康に関わるような行動を選んだ時、あるいは誰かと協力したり、助け合ったりした時に増減する仕組みだ。佐々木氏は「当社の経営理念でもある『共存共栄』『相互扶助』の精神の大切さは、きっと未来でも変わらない。ゲームを通してそれを表現したい」と話す。

 機運醸成の一環として、日本生命は万博の公式キャラクター「ミャクミャク」をあしらったファイルやボールペンなどのオリジナルグッズを制作している。佐々木氏は「お客様と万博の話をするきっかけになる」と語る。
 日本生命は創業以来、大阪に本店を構え、1970年の大阪万博、90年に大阪で開かれた「国際花と緑の博覧会(花博)」にも参加した。佐々木氏は「『いのち』をテーマとする大阪・関西万博は生命保険と親和性が強く、意義深いプロジェクトだ」と強調する。

(井上絵莉子)




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