心躍る未来技術 377社披露
大阪商工会議所 地域振興部長 玉川弘子氏

読売新聞大阪本社版朝刊

玉川弘子氏

 2025年大阪・関西万博には、中小企業やスタートアップが先進的な製品や技術を展示するゾーンが設けられる。企画運営を担う大阪商工会議所の玉川弘子・地域振興部長兼万博協力推進室長は「万博を機に大きく成長する企業がどんどん出てくることを期待している。『やってみなはれ』の精神で、大阪・関西が発展していくきっかけにしたい」と話す。

 展示ゾーンは、大阪府や大阪市が出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」内の約160平方メートル。26週間に及ぶ万博の会期中、377社が脱炭素やデジタル、繊維ファッション、健康といった26のテーマごとに1週間交代で出展する。期間を細かく区切ることで、資金や人手が限られる中小や新興の企業が参加しやすい仕組みにしたという。
 大商が大阪産業局と共同で企画し、出展する企業の選定は、大商のほか、金融機関や大学、研究機関などが担った。生地を植物で覆った「光合成する服」や、磁石の反発力を利用した「空中に浮く靴」といったユニークな展示が目立つ。多くの町工場が協力して、一つのものを作り上げるプロジェクトの成果も紹介する予定だ。

 玉川氏は「1970年の大阪万博では『動く歩道』のように、会場で披露された後、一般的になった技術も多い。今回の万博でもそういったものが数多く出展されるのではないか。まさに大阪が、万博のコンセプトである『未来社会の実験場』になっていけばいい」と期待する。

 各地の商工会議所のネットワークを生かした機運の盛り上げにも力を入れる。大商を含む近畿2府4県と福井県の71の商工会議所は4月、デジタルデータを偽造できないようにする「NFT(非代替性トークン)」の技術を使ったスタンプラリーを始めた。
 日本国際博覧会協会のスマートフォンアプリ「EXPO 2025 デジタルウォレット」で、各地に用意した2次元コードを読み取ると、NFTのスタンプが入手できる。万博の来場者に関西を巡ってもらうための仕掛けだ。玉川氏は「多くの人に関西各地のグルメやイベントを楽しんでもらいたい」と語る。

(升田祥太朗)




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