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読売SDGsフォーラム2023
2025年に開催される大阪・関西万博は、30年を達成年と定めたSDGs(持続可能な開発目標)の動きを加速させる上でも大きな意味を持ちます。9月12日にオンライン配信された「読売SDGsフォーラム2023」では、幅広い分野の出演者がSDGs達成に向けた現状と今後の取り組みについて紹介。万博が描く未来予想図が、その後押しとなるようにと期待を寄せました。当日が「宇宙の日」であることにちなんだトークセッションも行われ、科学技術の進歩と、それを支える人間の挑戦についても熱く語られました。
目次
特別対談 万博が拓く いのちの未来
◆登壇者
パネリスト
澤 芳樹 氏 大阪警察病院 理事長・病院長/大阪大学大学院特任教授
石黒 浩 氏 ロボット学者/大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー
コーディネーター
大田 良平 氏 読売テレビアナウンサー
澤 芳樹 氏
大阪市生まれ。大阪大学医学部卒。心臓血管外科医として手術成績向上に務め、基礎から臨床へと幅広い研究活動に従事。未来医療センターにおけるトランスレーショナルリサーチに貢献。iPS細胞による心筋再生治療の医師主導治験を実施。同時にその産業化をめざす阪大発ベンチャーCUORiPSを設立し、上場。アントレプレナーシップ型人材育成プログラムであるジャパンバイオデザインを主宰。
石黒 浩 氏
滋賀県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科教授(大阪大学栄誉教授)、ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)、ムーンショット型研究開発制度プロジェクトマネージャー、AVITA株式会社CEO代表取締役。遠隔操作ロボット(アバター)や知能ロボットの研究開発に従事。人間酷似型ロボット(アンドロイド)研究の第一人者。2011年、大阪文化賞受賞。2015年、文部科学大臣表彰受賞およびシェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム知識賞受賞。2020年、立石賞受賞。著書に『ロボットとは何か』『アバターと共生する未来社会』など多数。
- 石黒
- 私が担当するパビリオン「いのちの未来」のテーマは、「いのちを拡げる」です。テクノロジーによって進化を遂げてきた人間や人間社会が、未来に向けてさらに進化を進めていく。アバターを使っていつでもどこでも活動することが当たり前になるような50年先の未来のシーンと、1000年後の進化した人間を、実世界と仮想世界の両方で体験してもらえるよう準備しています。
- 澤
- 命の大切さをどのように表現していくかが大事だと思います。人工臓器や再生医療が進んでおり、未来では、悪くなった臓器を人工物に入れ替えて、パーツの組み合わせで人が生きていく可能性も出てくる。人がどんどんロボットに近づいていくような気もします。ロボットとは何か、人とは何か。ここに石黒先生のパビリオンのテーマが見えるように思います。
- 石黒
- 科学技術によって人間の定義そのものが進化・発展してきているわけです。今、「いのち」と思っているものも、未来においてはロボットと融合したサイボーグかもしれないし、ロボットそのものが「いのち」を持つようになるかもしれない。「いのち」の概念から解放され、人間はもっと可能性を広げていくと思います。
- 澤
- 「人間って何だ」ということを、万博を機にみんなで考えたいですね。
- 石黒
- ダイバーシティー(多様性)を認めていくことで、人間はより進化した存在になれると思います。いろんな人が、いろんな可能性を手に入れて未来を作っていけるようになることが重要で、テクノロジーはそれを可能にします。例えば脳と機械をつなぐ「BMI(ブレーン・マシン・インターフェース)」という研究では、脳から直接信号を読み取ってアバターを動かします。体が全く動かない人も、アバターを自分の体のように感じて動かすことができるようになるのです。
- 澤
- やはり医学側の人間として、医学の進化とロボットの進化の融合点が見えたらいいなと思っています。
- 石黒
- 人間は、テクノロジーによって進化・発展してきました。既に皆さん、毎日スマホを使わないと生きていけないと感じるぐらいにテクノロジーと融合している。それがもっと進んで、ロボット・AI(人工知能)と人間の境界はなくなっていくように思います。
- 澤
- 医学の限界を超えていくためにも、工学の先生方と連携することは重要で、大阪大では20年近く前から国際医工情報センターで医工連携に取り組んでいます。我々としては人を限りなく助けるために、工学系の技術を取り入れた研究開発を進めていきたいです。
- 石黒
- 今は技術開発がすごく速く進んでいるせいか、遠い未来を考える機会が少なくなっているような気がします。でも、50 年、100年先に国や家族の形はどうなっているんだろうと考えてみると、技術の進歩の先にどんな未来を作りたいかが分かってくる。来館者がいろんなものを見たり聞いたりして、「未来っていいな」と思ってもらえる万博にしたい。
- 澤
- 私は医者ですので、未来の医学がどう進化するかということを示したい。心臓移植も要らないようなレベルの人工心臓は、世界中にまだできていません。でも50年以内にはこういうことは実現している、こういう社会になっているんだということを、「石黒館」で一緒に表現したい。SDGsの目標達成年である2032年頃には、万博で表現されるロボティクスや再生医療は当たり前のものになっているでしょう。その意味では、SDGsにどう貢献するかを意識した展示や表現方法を考えることも大事だろうなと思います。
- 石黒
- 日本はSDGsにきちんと向き合って取り組んでいる国です。その真摯な取り組みを世界に届けられれば、世の中はもっと良くなるのではないでしょうか。万博がそのきっかけになればいいなと思います。
取り組み紹介① 重度訪問介護とインクルーシブ防災の取り組み
岡田 千秋 氏 株式会社土屋 取締役 兼 CMO 最高マーケティング責任者
当社がメイン事業として行っている重度訪問介護とは、重度の障害をお持ちの「クライアント」(=利用者)宅を訪問し、生活全般における支援を行う福祉サービスです。長時間のマンツーマンの在宅ケアであること、たんの吸引などの医療的ケアが必要な方が多いことなどが特徴で、災害時には個別の対応が必要です。
東日本大震災では宮城県の障害者死亡率が東北3県の中で突出しており、一因として、在宅福祉の仕組みが整っていた反面、災害時の想定がされていなかったことが挙げられています。福祉と防災を一体として捉え、適切な個別計画を立てるために、当社では部署や立場などを超越した「誰も取り残さない」インクルーシブ防災の取り組みを進めています。
まず現状の把握に向けて、クライアントの情報やケアの方法なども盛り込んだ個別避難計画「災害対応パーソナルブック」を作成。また、車いすユーザーの方、視覚障害をお持ちの方とでそれぞれ避難訓練を実施し、地域の方々と災害時の協力関係を構築しました。このときクライアントからいただいた「災害が来たら死ぬしかないと思っていたが、助かることができるかもしれないと思えるようになった」との言葉は、私たちの取り組みの後押しになっています。
健常者でも事故や災害で障害者になる可能性はあり、誰もが自分事として考えることが大切です。当社は今後も要支援者を取り巻くすべての人たちを巻き込んで、普段から顔の見える関係を築き、共に考え、協働しながら「福祉×防災」の一助を担えるよう取り組んでまいります。
トークセッション① 淡路島から大阪・関西万博、そして未来へ -PASONA Natureverseが目指す、Well-beingな社会-
◆登壇者
パネリスト
南部 靖之 氏 株式会社パソナグループ 代表取締役グループ代表
澤 芳樹 氏 大阪警察病院 理事長・病院長/大阪大学大学院特任教授
コーディネーター
大田 良平 氏 読売テレビアナウンサー
南部 靖之氏
1952年生まれ、神戸市出身。関西大学工学部卒。76年、「家庭の主婦の再就職を応援したい」という思いから、株式会社テンポラリーセンター(現:株式会社パソナグループ)を創業。以来「社会の問題点を解決する」という不変の企業理念のもと、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが自由に好きな仕事に挑戦できる社会インフラの構築に取り組んでいる。
2003年からは農業分野の人材育成をスタートし、新しい農業のあり方を提案。現在、東京一極集中による社会課題の解決と地域の活性化を目指し、京丹後、東北、淡路等全国各地で、多様な才能を持った人材が集まって地域産業を活性化させる「人材誘致」による新たな雇用創出に取り組んでいる。20年より兵庫県淡路島に本社・本部機能の一部を移転するなど、未来に向けた新しい働き方・社会のあり方を提言し続けている。
澤 芳樹氏
大阪市生まれ。大阪大学医学部卒。心臓血管外科医として手術成績向上に務め、基礎から臨床へと幅広い研究活動に従事。未来医療センターにおけるトランスレーショナルリサーチに貢献。iPS細胞による心筋再生治療の医師主導治験を実施。同時にその産業化をめざす阪大発ベンチャーCUORiPSを設立し、上場。アントレプレナーシップ型人材育成プログラムであるジャパンバイオデザインを主宰。
パソナグループの淡路島での取り組み
- 大田
- パソナは2020年に本社機能の一部を淡路島に移転されました。経緯も含め、そこでの取り組みを。
- 南部
- 南部コロナ禍でみんなが家に閉じこもっている中、地方で豊かに暮らそう、健康になろうという思いで移転を決めました。淡路島は気候が穏やかで食べ物もおいしく、都会にも近い。どの世代も一番の関心事は健康です。ウェルビーイング(よりよき生)を実現するために、まず仕事面で空間的にも時間的にもハイブリッドな生活ができる仕組みを作り、新産業も興そうと取り組んでいます。
- 澤
- パソナは島の廃校を様々に活用されています。将来は、ラボの様な活用もできるかもしれません。
パビリオン「PASONA NATUREVERSE」に込める思い
- 大田
- 大阪・関西万博への参画を決めたきっかけは?
- 南部
- 澤先生にiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った心筋シートの映像を見せられた時、学生時代に万博で月の石を見た時のようなときめきを感じました。このシートによって人間は100年、200年生きるかもしれない。これで人類が変わるんだということを万博で見せたいと強く思い、澤先生にエグゼクティブプロデューサーをお願いしました。
- 澤
- 拍動するシートを見ていただくことで命の大切さを思ってもらえるならと、喜んで引き受けました。
- 南部
- パビリオン名はネイチャー(自然)とユニバース(万物・宇宙)を合わせた造語です。自然への感謝を込めて「いのち、ありがとう。」というコンセプトにし、「からだ」「こころ」「きずな」のテーマで構成します。
また、パビリオンの案内役として鉄腕アトムとブラック・ジャックが登場し、「いのち」への感謝の思いを伝えていきます。 - 澤
- 万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」が決まった当時は漠然としていた「いのち」のイメージは、コロナ禍によって強くフォーカスされました。今度の万博は、改めて「いのち」とは何かを考える機会にしてほしい。そして心筋シートを見て、子どもたちが興味を覚え、イノベーター(革新者)になろう、新しい世界を作ろうと考え、ゲームチェンジャーが増えていくことに期待しています。
パソナグループが目指す「Mutual Society(互助の社会)」とは
- 大田
- パビリオンのテーマにある「きずな」は、パソナが掲げる「Mutual Society(互助の社会)」とつながってくるのでしょうか。
- 南部
- はい。パビリオンではかつて「向こう三軒両隣」という言葉で表されたような助け合い、思いやりの社会を分かりやすく表現します。いろんな方々が集まって、健康な体づくりをしながら、きずなを感じ合う。お金がすべてではない、心と心のつながりこそ大切なんだということを淡路島にレガシーとして持っていき、ウェルビーイングを実現するのが夢です。
- 澤
- 病気という言葉は「病」と「気」から成り、気持ちが癒やされることはとても大事です。けれども今、病気がちな人に「一緒に健康になりましょう」と声をかけるような社会は失われつつあるように思います。技術の進歩で失われたものを取り戻しつつ、バランスをとって進化することが大事。それが「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、「いのち、ありがとう。」なんだろうと思っています。
取り組み紹介② パートナーシップを通じたDE&Iの推進 -バイエルの取り組み事例から-
齋藤 有香 氏 バイエルホールディング株式会社 広報本部 サステナビリティ&ソーシャルエンゲージメント マネジャー
バイエルは、ヘルスケアと農業関連事業を中核とする企業として、「すべての人に健康を、飢餓をゼロに」をビジョンとして掲げ、多様なステークホルダーとの協働により、疾患啓発・支援活動、次世代の農業者育成支援、緑化活動などに取り組んでいます。また、社内外における「DE&I(多様性・公平性・包括性)」推進の一環として、ジェンダー平等に関する取り組みにも注力しています。本日は、医療におけるジェンダー・セクシュアリティ関連課題について、パートナーシップを通じた事例を紹介します。
医療現場において、患者のセクシュアリティが理解・尊重されることは、特定の健康リスクや医療ニーズの把握、医師と患者のコミュニケーションの観点からも重要であるとされています。しかし、LGBTQ(※1)当事者が課題に直面する場面は少なくありません。
当社では、LGBTQに関する啓発活動や課題解決に取り組む認定NPO法人虹色ダイバーシティと協働。当社社員向けの研修を企画したほか、LGBTQ当事者や医療従事者が医療における課題について語った動画の制作に協力しました(※2)。LGBTQ当事者と医療を学ぶ学生たちによる座談会にも協賛企業として参画しました。
今後も事業活動や社内外におけるDE&I推進を通じて、あらゆる人の安心・公平な医療へのアクセスや、社会づくりに貢献していきたいと考えています。
※1:「LGBTQ」は、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシュアル)、Transgender(トランスジェンダー)、Queer(クィア)あるいはQuestioning(クエスチョニング)の頭文字をとり、性的指向や性自認を表す言葉の総称の一つとして使われている。
※2: 動画は「当事者の経験談」「支援者の視点から」の2本立てで各20分程度。医療機関や企業における研修や、学校教育で活用できる内容となっている。
トークセッション② 宇宙への“挑戦”が人材をどう育てるか
◆登壇者
パネリスト
津田 雄一 氏 JAXA宇宙科学研究所教授・はやぶさ2プロジェクトマネージャ
湊 宣明 氏 立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科 研究科長・教授
パネリスト 兼 コーディネーター
榎本 麗美 氏 宇宙キャスター®/JAXA研究開発プログラム「J-SPARC」ナビゲーター
津田 雄一 氏
2003年東京大学大学院修了。博士(工学)。JAXA宇宙科学研究所助教、ミシガン大学およびコロラド大学ボルダー校客員研究員、JAXA宇宙科学研究所教授など歴任。専門は太陽系探査、宇宙工学、宇宙航行力学。「キューブサット」と呼ばれる超小型衛星を世界で初めて開発、小惑星探査機「はやぶさ」の運用などに従事。またソーラーセイル宇宙船「イカロス」のサブチームリーダーとして、世界初のソーラーセイル技術の実現へと導いた。小惑星探査機「はやぶさ2」の技術開発を指揮、プロジェクトマネージャとして小惑星のサンプル採取と地球帰還を成功させた。近著に「はやぶさ2 最強ミッションの真実」(NHK出版)など。
湊 宣明 氏
Ecole Supérieure de Commerce de Toulouse(フランス)で修士(航空宇宙管理学)、慶應義塾大学で博士(システムエンジニアリング学)取得。宇宙航空研究開発機構(JAXA)、慶應義塾大学大学院を経て、現職。JAXAでは、国際宇宙ステーション計画、システムズエンジニアリング推進、宇宙ビジネス開発等に従事。現在は宇宙航空領域を中心に研究開発、技術マネジメント及びイノベーション戦略について研究している。
榎本 麗美 氏
理工学部バイオサイエンス学科卒業。民放アナウンサーを経て、2007年よりフリーアナウンサーとして活動。2019年から宇宙キャスター®として、「Crew Dragon宇宙へ」などの番組を企画、放送。2020年、JAXA研究開発プログラム「J-SPARCナビゲーター」就任。JAXAや民間企業主催イベント・番組出演のほか、自ら宇宙イベントを企画・主催。現在は、子どもたちの宇宙教育の場「YAC東京日本橋分団」を立ち上げ、宇宙時代に活躍できる次世代育成に尽力。テレビ東京「おはスタ」にて「宇宙のおねえさん」として出演中。
想定外を想定する
- 榎本
- 津田さんのご経験を基に、「想定外を想定する」ことから考えてみたいと思います。
- 津田
- はやぶさ2が着陸を目指した小惑星「リュウグウ」は岩だらけで、着陸できそうな場所が一つもなく、想定を超える難易度でした。しかし我々はこういう事態を想定し、失敗の経験を積むための訓練を重ねていました。失敗の経験があると、どこがぎりぎりのラインかが分かり、本番で余裕が生まれるんですね。そうやって、「挑戦をたしなむ」チームを作っていきました。
- 湊
- 製造業では、例えば自動車や家電の開発時に、後で生じそうな不具合を前もって試し、できる限り悪
影響を小さくしておく「フロントローディング」という考え方があります。想定外を想定し、失敗をたくさん重ねておくという戦略的な意思決定は、まさにそれだと感じました。 - 津田
- チーム内のコミュニケーションが良くなると、現場で起きる真の問題に対し、解決しそうな雰囲気や、乗り越えてもっとすごいことをやってやろうという雰囲気が生まれます。
- 湊
- いろいろな方の協力があって初めてミッションが成功する宇宙開発は、究極のチームワークだと言われています。個々の能力を最大限に引き出すのが、まさに津田さんのポジションですね。
異質なものとのコラボレーション
- 榎本
- チーム力を高め、さらに成長を促すには何が必要でしょうか。
- 津田
- 異質な能力や文化的背景を持った人たちがまざり合うことが重要です。「リュウグウ」という道の天体に対し、我々の強みはプロジェクトチーム600人分の頭脳があることでした。いいアイデアは意外な化学反応から生まれます。それが次々に起こるような場を作ることができれば、強力なワンチームを作れます。
- 湊
- 多様性が高まるということは、コミュニケーションが難しくなるということと同義です。多様性をうまくマネジメントできて初めて、チームのパフォーマンスは高まると思います。
- 津田
- 600人もいると、いたるところで衝突が起きます。でも目標さえ共有していれば、協力すべきなのか、自分の意見を主張すべきなのか、メンバー同士が深いレベルで理解し合うようになるんです。メンバー間で網の目のようにコネクションができていき、チームが一つの意思を持った生命体のような動きができるようになった時には私も驚きました。
- 湊
- 人間って、何が正しいかという判断や意思決定をする時に、どうしても自分の方に寄ってしまうんです。そこをあえて客観的に見て、多様性のあるメンバーで意思決定をしたことで、津田さんのミッションはうまくいったのだと思います。
挑戦が描く未来
- 榎本
- 「未知の挑戦」は、さらなる自分自身の飛躍につながると感じます。
- 湊
- 挑戦というとツライイメージがありますが、自分の意思で挑むことで楽しく継続的なチャレンジにしてほしいと、立命館大学は「挑戦をもっと自由に」というフレーズを掲げています。今年7月には「宇宙地球探査研究センター」を設立し、「人類の生存圏の維持と拡大に貢献する」という壮大なミッションにチャレンジしていきます。能力を超えた挑戦をしてもらうためには、成否を問わず、プロセスをしっかり評価することが大事だと考えています。
- 津田
- 挑戦そのものを称賛する雰囲気になることが、いい未来、いい社会のあり方だと思います。そのために若者に挑戦してほしいし、大人だって挑戦している姿を見せていかないといけません。
- 湊
- 国際的な協力が標準になっているのは、宇宙の一つの価値だと思います。いろいろな国の人がプロジェクトに関わるのは宇宙開発では当たり前で、多様性を受け入れながらマネジメントしていかなければならない。それが学べる場という意味で、宇宙開発は素晴らしい人材育成の場になると考えています。
主催:読売新聞社
協力:読売テレビ
後援:大阪府、大阪市、関西経済連合会、関西経済同友会、大阪商工会議所、2025年日本国際博覧会協会、関西SDGsプラットフォーム
協賛:土屋、バイエル、パソナグループ、立命館大学