万博を機会に「奈良の靴下」を世界の人に知ってもらいたい

万博公式グッズ

読売新聞は、日本の伝統文化を守り、次世代に伝えるため、伝統的な技術やデザイン、美術品等を用いた2025大阪・関西万博公式ライセンス商品を制作、販売している。2025年日本国際博覧会 公式スタッフ用ユニフォームの靴下を提供することになった西垣靴下・エコノレッグ(奈良県大和高田市)が製作する、和紙素材を編み込んだ高機能足袋型靴下を発売した。同社、代表取締役社長の西垣和俊さんに、一大産地である「奈良の靴下」の歴史とその思いについて聞いた。

西垣靴下株式会社 代表取締役社長・西垣和俊さん

 「奈良の靴下」を全国、そして世界の人に知ってもらいたい。これが私たちの願いです。今回の万博は、またとない機会だと考えています。
 日本で販売されている繊維製品の99%近くが海外産ですが、靴下はまだ約10%の国産品が残っています。そのうち6割ほどが奈良県産です。その理由は、奈良の地理からひもとくことができます。
 奈良の気候は、年間を通して雨が少ないため、稲作よりも綿作が盛んでした。明治時代以降、靴下の需要が高まるにつれて、綿農家の副業として靴下作りが拡大。奈良は、大都市である大阪に隣接していたことも追い風となりました。
 産地内には多くの靴下工場があったため、競争が生まれ、技術が磨かれていきました。奈良の靴下作りの技術や品質は、こうした歴史にも裏付けられています。
 残念ながら、このような奈良の靴下作りはあまり知られていません。「そうめんと言えば三輪そうめん」というように、靴下と言えば奈良の靴下と言ってもらえるくらい、有名にしたいと思っています。
 大手の靴下メーカーは、100人のうち100人が80点をつける靴下を大量生産で安価に作ることができるでしょう。
 私たちが大手のまねをしても意味がありません。私たちは、たった10人に向けて靴下を作っています。それは、10人が満点つける、次もまた履きたいと言っていただける靴下です。快適とはなにか、お客様の満足とは何かをじっくりと緻密に考え抜き、納得のいく、こだわりの商品を作ります。

 今回の商品にも使っている「編み込み滑り止め」のように、高機能にすることで特許を取得することができ、技術を守ることができます。奈良で長い時を重ねて熟成してきた、高機能な靴下作りの技術と品質でこの産業を残していきたいと考えています。
 1歩ごとでは疲れを感じにくいですが、5,000歩、10,000歩と、一日で相当なダメージが足に蓄積されます。ぜひ奈良の靴下を履いて、足をいたわってください。

EXPO2025 和紙で編んだ足袋靴下 各2,420円(税込)

 最大の特徴は、足袋型である点だ。足の親指をしっかり使って歩くことができ、自然と足裏の筋肉が鍛えられる。これにより、土踏まずがしっかりと形成され、疲れの原因となる偏平足が解消される。まさに歩けば歩くほど、健康になる靴下だ。
 和紙繊維を編み込んでいる点も見逃せない。吸水・速乾性が抜群で冷感効果もあるため、履いていても蒸れず、快適な仕上がりになっている。紙を紙縒(こよ)り状にした繊維のため、強度に心配はない。また、紙の性質上、消臭効果も期待できる。
 独自の技術を用いた「編み込み滑り止め」で高い機能性も備えている。靴下の内側、足と靴下の間にも滑り止めが効くため、グリップ力が向上し、疲れにくい仕様になっている。
 万博デザインエレメントをあしらった3色(red、blue、black)、3サイズ(22~25cm、25~27cm、27~29cm)展開。

EXPO2025 和紙更紗tabi靴下
左からUmi red、Inochi blue、Noyama black、各2,420円(税込)   


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