タイアップ企画TIE-IN
【全7回シリーズ 第4回】
三井住友信託銀行
タイアップ企画
「地域とともにSMTB
“With You活動” 北陸版」~地元の宝を磨く~
三井住友信託銀行の各支店が地域で社会課題の解決に取り組む活動を紹介するタイアップ企画。第4回は北陸エリア。美しい自然は地域の宝であると同時に国内外から観光客を呼び込む観光資源でもある。観光地としての魅力を高めながらも、貴重な生態系を維持し、生物多様性を守っていく。地域の魅力を次世代につないでいく取り組みが、三井住友信託銀行の支店でも始まっている。
■立山で外来植物の除去活動に参加
2024年8月2日(金)早朝。富山県が誇る国際山岳ルート「立山黒部アルペンルート」を走るバスの中に、三井住友信託銀行富山支店の社員3人の姿があった。目的地は標高2450メートルの室堂平。乗車しているのは、「富山西ロータリークラブ」の外来植物除去活動に参加するロータリークラブ会員や地元中学生ら約50人だ。
日本最初の国立公園・中部山岳国立公園の一角をなす立山は3000メートル級の山々と鮮やかに咲き誇る高山植物が織りなす美しい景観を誇り、毎年約100万人の観光客が訪れる。そこで問題となっているのが外来植物の侵入だ。
外来植物とは、外国から入ってきた植物のほか、国内の低地・地域外から入ってくる植物も含まれる。車両のタイヤを洗浄したり、最寄り駅に靴底に付着した種子を取り除くための除去マットを設置したりして、外来植物種子の侵入阻止を図っているが、それでも入ってきてしまった外来植物については、徹底的に除去するという対応をとっている。
富山西ロータリークラブが外来植物除去活動を実施するのは、2023年に続き今回で3回目。富山支店は今回が初参加となる。
■富山県の「魂」を次世代につなげる意義
富山支店は来年、支店開設60周年を迎える。次の60周年を見据えて、地域における自らの社会的価値を高めていくことができるか。これまで、海洋プラスチックゴミの問題について支店内でパネル展示したり、外部講師を招いてSDGsの勉強会を開催したりと、自分たちに何が出来るか模索してきたが、そんな中で浮かんだのが「立山」の存在だった。
山口正之支店長は、「富山の方々にとって、立山は魂であり、アイデンティティーでもあると思います。その立山の価値を守るため、地域の人たちと一緒に未来につながる活動をすることは意義があると考えました」と話す。
■貴重な経験、行内で共有。「お客さまにも知って欲しい」
現地に到着すると、NPO法人富山県自然保護協会に所属するナチュラリストから外来植物の見分け方や除去の仕方についてレクチャーをうけ、さっそく作業を開始。今回はヨモギとイタドリにしぼって鎌などで刈り取っていく。
富山支店から参加した一人、入行2年目の大田緑さんは地元富山県魚津市出身。誤って在来種を除去してしまわないよう、慎重にヨモギとイタドリを探しだし素早く鎌で刈っていく。室堂平まで足を運ぶのは初めてだという。ただ、立山に対する地元の人々の思いは幼いころから身にしみて感じていた。
「年配の人にとって、立山は災害から地域を守ってくれる『守り神』のような存在です。富山の飲み水がおいしいのも立山の恵みだと思います」
地元国立大学を卒業後、地元で働いて地元に貢献したいと、三井住友信託銀行の地域限定型コースにエントリーし採用され、現在は主に総務関係の業務を担っている。
「今回の活動に参加するまで、外来植物の問題や除去活動については、あまり知りませんでした」と大田さん。「思った以上に外来植物がたくさん侵入しているのにびっくり。まずは今回の経験を支店内で共有し、お客さまにも私たちがこうした活動をしていることを知ってもらいたい」と話す。
同じく富山支店の矢野由紀子さんは小学5年生の息子、興平くんと参加。次々ヨモギ、イタドリを見つけ出して上手に刈り取っていく興平くんと、競うように汗を流した。「楽しく参加して続けていくのが第一の目的」という、今回の除去活動の主旨そのものといった光景だ。
約1時間半の活動で、ヨモギとイタドリでいっぱいになったビニール袋がいくつも並んだ。
■「地域で必要とされる存在に」。支店内の意識醸成につなげる
日本政策投資銀行の調査によると、「立山黒部アルペンルート」の経済波及効果は110億円超。富山県では観光資源としての魅力を更に高めようと、2022年3月に策定した「第3次富山県観光振興戦略プラン」で、立山黒部地域での散策コースやアクティビティーの造成・開発などを掲げている。
「立山が富山県にもたらす経済効果は、実際は更に大きいのではないかと感じます。多くの観光客に来てほしいが、そうすると外来植物が侵入するリスクも高まります。難しい問題ですが、地域の人たちと一緒に必要な活動を地域で続けていくことが、私たちの信託銀行が『社会で必要とされる存在』になることにつながります。業務に直接結びつくものではありませんが、支店内の意識醸成につなげていきたい」
山口支店長は強調する。
今後、支店の全社員が参加して報告会を開催。今回の活動をスタートとして研究、フィールドワークなど続けていきたい考えだ。
■金沢支店では次世代への「架け橋」づくり
地域の魅力を次世代につなげようという活動は各地の支店で展開されている。金沢市を中心に多くの外国人観光客が訪れる石川県。観光客だけでなく、多くの留学生も質の高い学びを求めてやってくる。将来は、地域と祖国の架け橋になり、さらなるインバウンド需要をもたらしてくれる可能性を秘めた存在だ。
そんな彼ら彼女らをサポートしようと、地元ロータリークラブなどが家庭に眠る未使用の生活用品を留学生に寄贈する活動を実施。三井住友信託銀行金沢支店も賛同・連携した。
石川県内の大学や専門学校など、高等教育機関で学んでいる留学生は2022年5月時点で中国、ベトナム、タイなどアジアの国々を中心に約1800人。「留学生にとって、環境の異なる日本で生活することは精神的のみでなく経済的にも予想以上の負担がかかる」ことから、毎年、毛布、キッチンクロスなどの日用品の他、缶詰やレトルト食品などの食料品を送っている。
金沢支店としては、息の長い活動にしていきたい考えだ。