「耐震構法」

2019.1.17

実証実験で証明された三井ホームの〝強さ〟とは?


三井ホーム株式会社
技術研究所
研究開発グループ長
太田啓明さん

 6月の大阪北部地震、9月の北海道地震に加え、7月の西日本豪雨や大型台風の相次ぐ接近・上陸など、数々の災害に見舞われた2018年の日本。災害に対する住まいの強さが、より重要視された1年でした。「災害に強い」家づくりを長年続けてきた三井ホームオリジナルのプレミアム・モノコック構法に注目してみました。

「強い家」をつくる 三つの素材

 三井ホームで災害に強い家づくりに携わる、同社技術研究所研究開発グループ長の太田啓明さんには、今も目に焼きついて忘れられない光景があります。

 阪神・淡路大震災で崩壊した街並みの数々。入社5年目で現地調査におもむいた太田さんは、「災害に強い住宅をつくらなければならない。われわれ住宅メーカーの責任は重大だ」と強く感じたそうです。

 その年の4月に同研究所に配属されてから20年あまり、研究所スタッフとともに太田さんは災害に強い家づくりを目指し、研究・開発を続けてきました。その成果の一つの到達点となるのが、年々改良を続けた末、2014年に命名された同社オリジナルのプレミアム・モノコック構法です。

 以前からある、床・壁・天井の6面体を一つの単位として空間をつくる「枠組壁工法」を、同社オリジナルの三つの素材で、より進化させました。

 たとえば、基礎として使われるマットスラブ(MS)は、線ではなく面で支えることで地盤への荷重を分散させ、従来比2倍以上の鉄筋量で高強度・高剛性を実現しています。

 屋根で用いるダブルシールドパネル(DSP)は、独自のサンドイッチ構造で、2.4トンの重さに耐える高い強度を持たせたのに加え、優れた断熱性により屋根裏に熱がこもることはありません。ブロック・アンド・シームレスウォール(BSW)は、耐衝撃性に優れているだけでなく、継ぎ目がないことで、外部からの熱や音の侵入を徹底的に抑え、見た目の美しさも両立させています。

不安を感じない安全な家づくりを

 太田さんは、プレミアム・モノコック構法の〝強さ〟をこう説明します。

 「床・壁・天井のどれか一つでも弱い箇所があると、外から力を加えられた時に、その弱い箇所から壊れていきます。六面それぞれが強固で、それらを結合・一体化させることで、全体をさらに強固にする。それが、プレミアム・モノコック構法なのです」

 その強さは、3年前に同社が行った耐震実験で立証されています。(下囲み記事参照)

 太田さんを始めとする研究所スタッフは、大規模地震が起きた後には必ず現地を訪れ、同社が手掛けた建物の全棟検査を行っています。3年前の熊本地震の際もそうでしたが、2018年に起きた大阪、北海道での大規模地震でも同社の建物は、暮らしを脅かす被害はなかったそうです。

 ただ、それでも安全性に対する不安を口にするお客さんもいます。

 「『想定外を想定内に』を合言葉に、地震が発生した日にも避難所等に行かずに自宅で普段通りの生活ができる、安心・安全な住まいづくりをこれからも追求していきます。」

 太田さんら研究所スタッフのあくなき挑戦は続きます。

進化した木造壁構法「プレミアム・モノコック構法」
実証! 震度7に60回耐えた耐震技術
過去の大震災を基にした過酷な条件で検証

 三井ホームでは2016年7月、プレミアム・モノコックGで建てられた住宅に対する耐震実験を行いました。

 実験では、阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)といった、戦後わが国で起きた震度7クラスの地震波で揺れを再現しました。

 結果は、60回の震度7の揺れに対して、外壁のひび割れや内装クロスのゆがみなどが多少認められた程度で、建物への影響はほとんどありませんでした。

 「それまで『地震に強い』は、『当然のこと』とあえてPRはしていなかったのですが、データで裏付けを得ることでお客様からの信頼度が高まりました」(太田さん)

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